学校教育目標 「ふるさとを愛し未来を担う生徒の育成」

1.学校づくりにあたって

現行学習指導要領が求めているのは、未来の国づくり・地域づくりを担う主人公の育成であり、この方向性は次期学習指導要領で一層明確になっている。地方創成が叫ばれる中、「学校を核とした地域活性化」が求められるようになり、同時に今後の教育課程編成にあたっては、学校枠内のものではなく、「社会に開かれた教育課程」を編成しなければいけなくなった。
 このことは、単に保護者・地域の願いに応える学校づくり、保護者・地域に信頼される学校づくりに留まることなく、「社会で通用する生徒の育成」を学校と保護者・地域が協働で目指すことを意味している。当然学校としては、生徒の成長に直結する教育活動の展開に責務をもってあたらなければいけないが、生徒の現況を正すというせまい生徒指導観を脱し、生徒の10年後までを想定した生徒指導観への転換が求められると同時に、従来の抽象性、曖昧性を排除し、科学的、具体的な手法を用いた教育活動の展開が私たちの必須事項となってくる。そこを踏まえた学校づくりを、この利尻中学校スタートにあたって進めていきたいと考える。

2.学校教育目標

平成27年に行われた統合準備委員会作業部会(沓形中学校・仙法志中学校両校教職員による教育課程編成のための会議)では、利尻中学校でめざすべき生徒像について話し合われた。その場で出された意見として最も多かったのが「郷土愛」である。この点については、学校名アンケートで集約された保護者・地域の意見とも一致している。また、2つめに多かったのが「島外でも通用する力」であった。この点については一般的に「社会で通用する力」としておさえることができる。つまり、将来どんな地域で住むことになったとしても、社会形成者の一員として、「世の中の人々のためにがんばりたい」という意欲と、「自分はこういう面で世の中の人々の役に立つ」という能力を育てて行く方向性が確かめられた。このことは、国の動向とも合致するものである。以上のことから利尻中学校の学校教育目標を以下の通りにしたいと考える。

■ふるさとを愛し未来を担う生徒の育成■

 また、学校教育目標のサブテーマとして「知」「徳」「体」の目標を設定し、学校教育目標をさらに具体的になものにしながら、目標達成にせまっていく指針とした。

1)主体的な学びの姿勢をもち社会で活きて働く学力を身につける生徒(知)
2)発信力をもち積極的に人間関係を築ける生徒(徳)
3)高い目標をもち自ら心身を鍛える生徒(体)

 学校教育目標実現に向けて、以下の重点を定め、各教育活動の基本目標を定めるにあたっての基本的な考え方としたい。

  重点1 社会に開かれた教育課程の編成・実践・評価・改善
  重点2 学力向上と定着を図る学習指導
  重点3 困り感を支える特別支援教育の充実
  重点4 教職員の資質・能力を高める同僚性を伴った研修活動の充実
  重点5 子どもの命を守り、信頼と安心・安全な学校をつくる危機管理
  重点6 教職員の組織力向上と働き方改革

■キャリア教育■
 また、中核的な重点として、「キャリア教育」を据えている。各教育活動のねらいや評価・見取りの規準に役立てている。

【キャリア教育】
 ◯集団の一員として関わり・学ぶ
 ◯社会で活きて働く学力(処理能力と思考力等)
 ◯「基礎的・汎用的能力」を身につける

【キャリア教育で培う「基礎的・汎用的能力」】
(1)人間関係形成・社会形成能力 〜他者の個性を理解する力、他者に働きかける力、コミュニケーションスキル、チームワーク、リーダシップ等
(2)自己理解・自己管理能力 〜自己の役割の理解、前向きに考える力、忍耐力自己の動機付け、ストレスマネジメント、主体的行動等
(3)課題対応能力 〜情報の理解・選択・処理等、 本質の理解、 原因の追及、 課題発見、 計画立案、 実行力、 評価・改善等
(4)キャリアプランニング能力 〜学ぶこと・働くことの意義や役割の理解、 多様性の理解、 将来設計・選択、 行動と改善等