小中一貫校まつのやま学園 十日町市立松之山小・中学校

小中一貫校まつのやま学園 十日町市立松之山小・中学校

2024/03/29 08:55 更新

学園長より

これからもまつのやま学園の子どもたちを応援し続けます

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昨日25日、離任式が行われました。この度の異動で6名の職員が転退職いたします。在職した期間はそれぞれですが、誰もがまつのやま学園に勤務できたことに感謝しております。お陰様で、保護者や地域の皆様のご理解とご協力をいただき小中一貫校らしい特色ある教育活動に取り組むことができました。また、松之山の地を離れてもふるさとの子どもたちのためにとご寄付くださる方々が大勢いらっしゃいます。学園を支えてくださる全ての皆様に心より御礼申し上げます。このように多大なるご支援をいただいている学園は、多くの方から愛されているすばらしい学校だということが分かります。

子どもたちの人数は確かに多くはありませんが、その分子ども同士の繋がり、指導者との繋がり、地域の方との繋がりがより密接なものとなります。子どもたちはそうした人と人との結びつきの深い環境の中で学びを深め、成長することができています。これからも子どもたちのために、変わらぬお力添えをいただけるとありがたいです。我々は松之山の地を離れますが、学園の益々の発展を願うとともに、子どもたちの活躍の知らせが届くことを楽しみにしています。大変お世話になりました。ありがとうございました。

シンプルな目で 真実を見極めよう

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本日、修了式が行われました。その際に私が読んだ式辞の基となった文を一部紹介させてください。

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私の最近観た映画を紹介します。イタリアの映画で、それほどメジャーな作品ではないのですが、テレビ番組で紹介されたのでぜひ観たいと思っていました。原作の本も翻訳されおり、情報館で借りて読みました。幸運なことに上越にある小さな映画館で上映していることが分かり、さっそく行ってきました。タイトルは「弟は僕のヒーロー」です。

皆さんは「ダウン症」という障害を知っていますか。皆さんの体の中にある細胞の21番染色体が2本ではなく3本あることに起因する体質です。イギリスのダウン医師がこの障害について発表したことでその名がつけられました。この映画の主人公に弟が生まれたのですが、その弟がダウン症でした。はじめは喜んでいた主人公も成長するにつれ障害のある弟を素直に受け入れられなくなっていきます。高校生になった主人公は障害をもつ弟を友達や好きな女の子に知られたくなくて、弟は死んだと嘘をついてしまいます。この嘘が、その後に大きな混乱を引き起こすことになりました。

映画は実話の原作とは内容がかなり異なっていましたが、とても考えさせられる作品でした。そして何より「愛情」あふれる作品になっていました。兄弟の愛、親子の愛、男女の愛、そして友達の愛。私たちの周りがたくさんの愛で満たされていれば、どんな障害があってもこの世の中で楽しく幸せに生きていけると思わせてくれます。

実際の主人公(原作者)が弟と撮影した映像をネットにあげたところ、世界中から注目され、予想をはるかに上回る高い評価を得ました。「ザ・シンプル・インタビュー」という5分ほどの作品です。弟が会社の面接を受けるという設定のユニークな内容となっています。今でもその映像を見ることができます(mimosafilms.com/hero/)。

映像の最後には以下のメッセージが流れます。

Inside all the people there is a unique world.
(一人ひとりの内側に かけがえのない世界がある)
Don’t look at the others only with your eyes.
(自分の視点だけで 他人を判断しないで)
Be authentic, Be spontaneous.
(ありのままに 素直に)
Make it simple, Make it true.
(シンプルな目で 真実を見極めよう)

3月21日は「世界ダウン症の日(World Down Syndrome Day)」です。

(「弟は僕のヒーロー」 著者:ジャコモ・マッツァリオール 訳:関口英子 小学館 2017)

子どもたちの秘めた才能

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休憩時間になると、私の部屋(学園長室)には小学部の子どもたちが勇んでやってきます。その多くはルービックキューブを楽しむためです。いろいろな種類のルービックキューブや形を変えて楽しむ立体パズルが私の部屋には多数用意してあります。子どもたちは6面を揃える方法が印刷されたものを見ながら、6面を揃えようとがんばります。何度も何度も揃えようとするうちに揃え方を暗記して、揃えることができるようになるのです。6面を揃えた子は記念の写真を撮り、揃えるたびにシールを1つずつその写真に貼っていきます。私の部屋には、子どもたちのそうした写真がたくさん飾られています。

1月29日(月)の全校朝会で、何人かにその腕前を披露してもらいました。スポーツの大会や作品の展覧会で入賞することはもちろん素晴らしいことですが、自分で興味をもったものに時間をかけて取り組んでできるようになったことは、表彰こそされませんが、それと同じように素晴らしいことだと私は思います。そうした私以外、普段は見ることのない子どもたちの姿を皆さんに知ってほしかったのです。

時間を計ってそれぞれが完成を目指しました。みんなの前ですることで少なからず緊張したようですが、それでも5年生のSさんは、1分10秒ほどで6面を完成させました。ルービックキューブを回す見事な指さばきに感嘆の声が聞こえてきました。Sさんが私の部屋に来るようになったのは半年ほど前からです。子どもたちの才能って素晴らしいですね。残念ながら、私が6面を揃えるためにはその倍以上の時間がかかります。

ある本に載っていた言葉を紹介します。
「人は誰しも天才である。ただし、木に登る能力で魚を評価すると、魚は一生、自分はバカだと思いこんで生きていくことになる。」 アルベルト・アインシュタイン

魚には木に登る才能はなくても、水の中を自由に動き回る素晴らしい才能があります。成長過程の子どもたちがどんな才能を秘めているかは誰にも分かりません。今現れている一面だけの評価を全てと思い込むことはもったいないことです。子どもたちの秘めた才能を上手に引き出してあげることが周囲の大人の務めではないかと考えます。

「兆」という字は「逃」げるにも、「挑」むにも変化します。朝会の最後に、子どもたちにはいろいろなことから「逃げる」よりぜひ「挑戦」する人になってほしいと伝えました。その方が、自分の才能に気が付き、それを生かして人生をより豊かなものにしていけるのではないでしょうか。どうです、子どもたち。ルービックキューブは面白かったですか?

佐藤様、ありがとうございました

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クリスマスが近づいてくると、まつのやま学園にはすてきなお菓子のプレゼントが届きます。子どもたちだけでなく職員の分まで。これは群馬にお住いの「佐藤 斉(ひとし)」様がご厚意で毎年送ってくださっていたものです。昨年も2学期の終業式の日に子どもたちに佐藤様からいただいたお菓子を渡しました。もちろん大喜びの子どもたちです。

その佐藤様のご訃報が今週学園に届きました。1月27日(土)がご葬儀でした。学園からはこれまでのお礼の気持ちを込めて式場に生花を飾らせていただきました。

佐藤様からいただくお菓子のプレゼントを子どもたちは本当に喜んでいました。佐藤様に直接お会いしなくても、子どもたちを喜ばせたいという佐藤様の思いは子どもたち全員に通じていました。また、職員の分までお菓子を用意してくださることで、職員の労をねぎらうとともに、子どもの頃の気持ちを忘れずに、松之山の子どもたちをこれからも指導していってほしいという職員への佐藤様の別の思いを併せて感じていました。

遠く離れても学園の子どもたちのことを思ってくださった佐藤様の思いに、これからも応えていけるようにがんばりたいと思います。クリスマスが来るたびに、子どもたちは佐藤様を思い出すことでしょう。「群馬のサンタクロースさん」、今まで本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします。

被災された方にお見舞い申し上げます

元旦に発生した石川県能登地方を震源とする強い地震のために被災された方にお見舞い申し上げます。いまだに倒壊した家屋に家族が閉じ込められている方がいます。一刻も早い救出を願わずにはいられません。どうかご無事でありますように。
十日町市でも震度5弱の揺れを観測しています。今のところ、学園には子どもたちのけがや住宅の被害の連絡はありません。しかし、現在も余震が続いており、今後大きな地震が起こる可能性もあります。引き続き十分に気をつけてお過ごしください。また、地震が起こった時の対応を、この機会にお子さんとよく確認するようにしてください。
もし、お子さんが以前より地震を怖がったり、ちょっとしたことに過敏になっているような様子がうかがえましたら、学園にご連絡ください。

学園の概要を写真でご紹介します。

学校案内 Overview

令和4年度 学園経営方針

配布文書はありません。

まつのやま学園は施設併設型の一貫教育で、一人ひとりの可能性を伸ばします。

学校教育目標

学校教育目標
  • 自己の生活の全てから学び、礼儀正しく人への思いやりを持てること
  • 豊かな自然と文化に育まれた松之山の良さに気付くこと
  • 自分に自信を持って生きることができる子

教育方針

まなび

対象や自己、友との対話を核とする質の高い「協働の学び」による授業 ◎「主体的・対話的で深い学び」の実現

からだ

粘り強く取り組む活動を通して体力の向上と心身の安定を図る ※リズムのある学校生活

ゆめ

自治活動や縦割り班活動を基盤として信頼し合える人間関係の構築小・中・各教育期、全体での活動、縦割り班活動など、全教職員での指導・支援

じぶん

●いじめ・不登校対策 ●生徒指導情報交換 ●自己有用感の向上の取組 ◎いじめをしない、許さない、命を大切にする意識の醸成

家庭・地域との協働

家庭・地域との協働

学校・家庭・地域が一体となり、若い世代が自分の子どもを学ばせたくなるような魅力ある学校づくりをめざします。

より良い学校づくりのための評価

  • 目指す子ども像をもとに、学校・家庭・地域が一体となって、それぞれの役割を自己評価しながら、より良い子どもの教育環境を整えていきます。
  • 学校運営協議会(学校評議員会・子育てネット・PTA)と協働し、地域とともにある学校づくりを推進します。

保護者とともに

  • 学園として一つのPTA組織を編成します。1〜9年生の保護者から選出された運営委員会を中心に9年間の教育活動を見据えた様々な支援をしていきます。
  • 学校・家庭と協働し、家庭学習の習慣化を図り、9年間で自学自習力をつけます。
  • 学校・家庭を協働し、早寝、早起き、朝ごはん、メディアの時間など望ましい基本的生活習慣を身に付けます。

地域とともに

  • 地域行事へ積極的に参画・参加し、地域の一員としての役割を果たします。
  • ふるさと学習「まつのやまタイム」を全学年で実施し、松之山を愛し、松之山に貢献する子どもを育てます。
     ・松之山の名人に学ぶ活動
     ・松之山の米作り体験
     ・松之山の農業体験
     ・松之山アピール活動
     ・シラネアオイ保存活動
     ・東京松之山会との交流
  • 地域住民の運営によるまつのやま学園市民ギャラリーを設置し、学園生の学習環境を整えるとともに地域コミュニティ活性化の場として貢献します。  ・地域交流室の活用

学校の沿革

松之山小学校

校章(小)

昭和63年の学校統合を機に、62年に現在の校舎が新築された。平成27年から松之山中学校建設工事が開始され、平成29年4月に小中一体型の校舎が完成した。  校舎は周囲をブナ林や棚田に囲まれ、自然豊かな環境の中にある。緑の少年団活動における環境保全活動や探鳥会、豊かな自然や教育資源を最大限に生かした生活科・総合的な学習の展開など 環境とかかわりながら特色ある教育活動を推進している。  統合により、旧松之山町で唯一の小学校となり、校区は36集落に及ぶ。遠距離のため、通年スクールバスを利用する子どもが6割である。

松之山中学校

中学校校舎

昭和22.5.1 浦田口,松里,東川,坪野の4校舎で発足。24年に坪野校舎は東川校舎通学となる。37年の大規模な地滑りにより,39年,浦田口校舎を現在地に移転新築。その後46年に松里校舎,48年に東川校舎を統合,さらに平成3年に浦田中学校と統合,一町一中学校となる。

 豪雪地として冬の気象条件は厳しく,40年代半ばから過疎化が進行し,生徒数の減少が続き,平成3年度から平成18年度まで山村留学生を受け入れてた。近年,道路整備による冬の道路無雪化をはじめ,文化的教育施設の充実など地域の生活環境も大きく変容している。

 平成17年4月1日から合併により十日町市となったが,学区民の学校教育に対する期待は大きく地域に根差した教育の推進,学力の向上など,充実した中学校教育の展開している。  また、平成26年度より十日町市特色ある教育推進を進めており、児童生徒の共通課題解決のための教育活動の充実を図ってきている。平成29年4月、中学校校舎移転を機に、義務教育課程9年間の系統だった教育課程を創造し、新構想の「まつのやま小中一貫校」が開校する。

校章

校章(中)

1950年2月10日制定 2010年12月20日復刻

 白い六角形は雪の結晶であり、松之山の大地を表している。

 緑の松葉三本は全校が三校舎に分かれて学んでいた時代を象徴し、その先を組み合わせることで一つに結びついて松之山の大地の上に立つ姿を示している。
 赤い中の文字で中学校を表している。

 校章制定の当時、校舎は浦田口、松里、東川の三地区に分散していた。現在の校舎に入り終えたのは、創立から四半世紀後のことでした。

 『バッチに寄せて』山岸留作(校誌「松之山」二号 1950.3.20発行 より)
 「白い雪の型の上に、三つの松葉が調和よく、しっかり組あれてあります。三校舎に分かれて学ぶ私たちは、ほんとうにきれいな心で一つに結びついて仲よく、うるわしく松之山の地の上に立って、正しい美しい郷土の建設にまい進でいる人となろうと教えてくれます。」