※ 修了式は、写真のように放送により各教室で行いました。 隣席との間隔を可能な範囲で広くあけ、換気も十分にしながら実施しました。
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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、学校は3週間以上の臨時休校措置をとりました。そして、明日からはまた春休みに入ります。そのように前例のない状況下での、令和元年度修了式となりました。
「前例がない」といえば、在校生である皆さんが参列しなかったことからも分かるとおり、先週行われた卒業式は前例のない簡素な形で行われました。
そこで、私は式辞の中で「前例のない事態や想定外の問題に直面した時、私たちはどうあるべきか」という話をしました。本日発行の校長通信に全文を掲載しておきましたので、ぜひ皆さんも読んでみてください。
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式辞の中で私は「前例踏襲主義」の弊害を述べています。前例踏襲とは「前々からやっていることに倣(なら)って、そのまま受け継ぐこと」という意味です。
実は非効率的であるにもかかわらず… 実は時代にそぐわなくなっているにもかかわらず… 実は続ける価値がなくなっているにもかかわらず… 「今までがそうだったから」という理由で脈々と受け継がれていることが、私たちの身の回りにはたくさんあります。
その全てを否定するつもりはありませんが、前例踏襲主義は、効率的に物事を進めたり、新たな価値をつくり出したりするうえで、大きな妨げになることも多々あるのです。
あらゆる文明の歴史が証明しているように、人は現状に満足した瞬間、進歩がストップします。 「前例踏襲」つまり、前々からやってきたことに倣(なら)って、そのまま受け継ぐのではなく、常に「より良いものを」「より高い位置へ」という向上心があって、はじめて個人も集団も発展できるのです。
2年生は覚えているかもしれませんが、例年、その年度の修了式で紹介している言葉があります。NHKサイエンス番組のタイトルにもなっているイギリスの生物学者・ダーウィンという人の言葉です。2年生の理科の教科書『生物の変遷と進化』という単元にも出てくるダーウィンの次の言葉を、改めて紹介します。
【最も強い者や、最も賢い者が生き残れるのではない。 唯一生き残ることができるのは、変化できる者だけである。】
地球の歴史上最強の生物である恐竜は、気候の変化に対応できずに滅びました。 霊長(れいちょう=最も優れた生物)を自負する人類も、自ら招いた環境悪化への対応を誤れば、恐竜と同じ運命をたどるでしょう。
同様に私たち一人ひとりも、自分の賢さや強さを過信したり、現状に満足したりしていてはいけません。 「より良い自分」になるために、常に「変化できる者」であり続けなければならないのです。
では、人が変わるきっかけには、何があるでしょう? それは、人や書物との出会いかもしれません。あるいは、一つの成功体験や、逆に失敗体験かもしれません。また、進級や進学、就職や転勤など、自分の置かれる環境が変わることも、自分を変えるきっかけになることがあります。そう考えると皆さんは、今まさに自己変革のチャンスを迎えているのです。
ただし、そのチャンスを生かすには、過去の自分を振り返り、改めるべき点は改めようとする姿勢、つまり反省が必要です。 さらに言えば、その反省の姿勢をもつためには、自分の未熟な点を認める謙虚さ、素直さが必要となります。
この1年間を省みて、学習・生活の両面で自分に足りなかった点、欠けていた点を挙げてみてください。 そして「より良い自分」に変わっていくための具体的な行動を考え、それを確実に実行していきましょう。来年度の皆さんに期待しています。
【最も強い者や、最も賢い者が生き残れるのではない。 唯一生き残ることができるのは、変化できる者だけである。】