「デジ研」での意見交流(佐藤)

画像1
 今月上旬から正式にスタートしたデジタル教科書研究会、通称「デジ研」。今週月曜日には2度目の意見交流を行いました。
 私は中学3年生を担当しています。玉置先生のアドバイスに、ゼミ生の小川くん、松井くんからの意見は大変参考になりました。その中でも、特に印象的だったことを紹介します。

◎生徒を揺さぶる発問
 「海外から友人が帰国する日」を当てる問題で、「カレンダーの真上にある日の数と真下にある日の数をかけると176」というヒントが与えられています。ここで、カレンダーを見てただやみくもに数字をかけるのではなく、まず「どの列にありそう?」と問いかけます。そうすると、明らかに条件と合わない日があることに気付かせます。また、答えが分かった後に、「これは月によって変わるのかな?」と揺さぶります。問題では8月を扱っていますが、「月によって変わるんじゃないか」と考える生徒が出てくることも予想されます。それに対して、「何月でも変わらない」と考えている生徒が自分の考えを説明することで、言語活動が行われます。答えが分かったらそこで終わりではなく、教師が生徒に揺さぶりをかけることで、本当に理解できているかを確認することができるので、このような発問は大切にしなければなりません。

◎生徒に説明させる
 二次方程式の解き方は複数あります。実際の単元でも、平方根を利用した解き方や因数分解、解の公式などを取り扱っています。特にまとめの部分では、その解き方が一覧になって載っている図があります。ここで、その図だけを見せて何を表しているかを考えさせます。「解き方が3種類ある」「解は全て同じ」など、図を見て分かることを生徒自身に説明させることがポイントになります。当初の自分の考えでは、「解が同じ」という部分だけを生徒に説明させる予定でした。しかし、「解き方が3種類ある」という部分も生徒に説明させたらどうかという提案をいただきました。教師が説明しなければならない内容もありますが、ここでの内容ならば生徒に説明させることは可能であり、その方が盛り上がると感じました。今後の研究でも、どこを生徒に説明させるのかをしっかり考えて発問を考えていきたいです。

◎物分かりの悪い教師になる
 関数の導入の場面で、xとyの関係を調べるために表を完成させるところがあります。この表に注目します。「表の値と値の間に線を引くか引かないか」で、それらは全くの別物になります。この単元の表には値と値の間には線が引かれていません。そこで、教師は「この表は線を引き忘れているね」と発問します。気付かせたいのは連続量、つまり書かれていないだけで値と値の間にもさらに小さい単位の値があるので、表には線は要らないということです。線がないことが当たり前のように授業を進めてしまうのではなく、物分かりが悪い教師になって生徒に疑問を投げかけ、生徒に考えさせる時間をつくることが必要です。これは、以前ゼミで玉置先生に教えていただいたことなので、特に大切にしていきたいです。

 自分で研究を深めるだけでなく、意見交流を通して他者に発信することでより深めることができ、さらには自分にはなかった新たな考えを取り入れることができました。まだ始まったばかりの「デジ研」ですが、研究を進める中で自分のスキルとして構築していき、その進捗状況をHPでも随時発信していこうと思います。(佐藤)
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30