3月5日 山口県 発達障害支援セミナーに参加して(吉田)

今回私は帰省時に母と川崎医療短期大学の重松孝治先生の講演会・山口県での実践報告に参加させていただきました。「ライフステージに応じた支援」という題名でお話を聞かせていただき、生涯を通した発達支援ということで「対策」「時期による支援と実態」をわかりやすく、学ぶことができました。

今回は特に3つのことに関して書かせていただきます。
1つ目は向き合い・支援についてです。
まず、発達障がいの方は私たちが考える当たり前という生活の中で「人の気持ちがわからない不安」「次のことが予想できず、常にドキドキする」状態であると話してくださいました。先生はある例を教えてくださいました。
ある子供が「先生、私はみんなからKYといわれます。どうやったら空気って読めるのですか?」と先生に尋ねたそうです。先生はとっさに「周りを見てごらん。」といったそうですが、「見ても、読めません。」といったそうです。
対人関係の中で身に付けていく私たちの中の当り前「空気を読む」ということはその子にとって、悪意があるわけでなく、私たちの当り前に至る発想がないのだと先生は話されていました。
教師は特に対人関係を得意とする人が多いですが、障がいのある人の思いを共感しにくい存在であるのだとしたら、どう向き合い、支援することができるのでしょう。
先生は「育ちに応じた目標・取り組み」・「本人に配慮された環境」をバランスよく支援していくことだと言われました。

「育ちに応じた目標・取り組み」:発達を把握し、無理のない次への目標を持つこと
例)生活スキル・コミュニケーションなどその子の課題を把握し、優先順位をもって支援する。
「本人に配慮された環境」:知識・支援方法を活用し、環境を整えること
例)指示は簡潔に 具体性のある誉め言葉 絵を使い、文章を組み立てる支援など

このように支援をしていく中で問題への対策を身に付けさせ、自己理解していくようにすることが大切なのだと教えていただきました。

2つ目は発達段階における支援の違いです。
私はこの話は今まで聞いたことがなく、新しい観点で話を聞かせていただきました。
各発達段階において、どのような取り組みをしていくことが大切なのか学ばせていただきました。無理のない目標を立て、その子にあった支援を幼少期から見つけていく・その保護者に寄り添う思いを持つという幼児期の支援から子供の成長によって共に変わる社会環境から、できるという気持ちを充実させ、他者の力が必要だと気付く支援、自己選択・決定をするような支援に変化していくことを聞き、その人を見る、環境を考えることの大切さを学びました。特に思春期の支援の問題として「本人の変化による問題」と「周囲の変化による問題」があること、また今までの良いとされた経験が思春期に入り、変化してしまうことなど聞いて、そんなこともあるのかと感じることもありました。
確かに、発達段階によって支援の仕方やあり方は変化していきますが、社会で孤立することがないように相談できる環境や人になれるように支援すること、1つの括り障がいで話され、支援するではなく、一人一人の状態と気持ちに寄り添うという一貫した考えを持つ支援の姿もここで学ばせていただきました。

3つ目は健常児への支援です。
今まで発達障がいがある人への支援を書いてきましたが、私は講演会の中で健常児にもそのスタンスを持つべきなのではと考えました。一見、障がいがあるからの支援に見えるかもしれません。しかし、私はそうではないと思います。その1つ1つの支援はその子の発達を考え、より具体的にしていたり、空間を整理したり、目でわかるような工夫などがしてあり、ユニバーサルデザインとなっています。それは健常児の子供にとっても必要な支援である場面やより理解する場面を生み出せるのではないかと思うからです。1つの支援が多種に対応できるのではないかと考えるきっかけになりました。

今回このようなことを学ぶことができ、また1つ自分の見方を養えたのではないかと思います。これから1年いえ、生涯をかけて、もっとたくさんの考え方、見方を知り、生かせる人になりたいと思います。(吉田)

※写真は「山口県秋吉台国定公園」
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