教育の今とこれから 〜3月28日 野中信行先生の講演を聞いて〜(岩田)

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 突然ですが、みなさんは『親が子どもの犠牲になることは仕方ないことである』という質問にどのように答えますか。この質問に『はい』と答えた人の世界平均は73.3%。この数値を多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれであると思います。それでは、日本で同じ質問をしたとき、『はい』と答えた人はどれくらいだと思いますか。平均より上でしょうか?下でしょうか?なんと答えは38.5%。これは、世界平均の半分より少しだけ多い数値であり、統計を取った73か国のうち72番目という結果だそうです。いかに自分の楽しみを優先する親が増加しているのかよくわかると思います。   

 3月28日大治町スポーツセンターで野中信行先生の少経験者研修に参加させていただきました。前述の質問はその講演会でお聞きした内容です。今や、家庭環境の変化により家庭での「所属・承認」欲求が満たされない子どもたちが増加しており、彼らの反発は学校での荒れにつながっているという事実があることを知りました。家庭で育むはずの欲求の欠如に教師はどのように対応していくことができるのかと思いましたが、野中先生より「集団づくり」の過程で満たすことができるということを教えていただきました。

 それでは具体的に教師は子どもたちとどのような関係づくりをしていけばよいのでしょう。それは、織物モデルにおける縦糸張りを強固なものにすることです。教師と生徒の縦糸というと、礼儀や敬語などの上下関係や、社会性の基本となるあいさつや返事、ルールの厳守など少し堅いイメージを持つ方もいるかもしれません。正直わたしも先生のお話をお聞きするまでは、教師主導の独裁学級経営になってしまうのではないかと感じていた部分もありました。しかし、先生から「子どもたちは教師が想像しているよりもわからないことが多い。話し合いなさいと主体性を持たせた気になっていても、最終決定を教師が行っていてはそれこそファシズム教師になる。」というお話を聞いて、腑に落ちました。
子どもたちを支配するのではなく、子どもたちを集団として成り立たせるための、縦糸を張りなのだと縦糸の重要性を学ばさせていただきました。

 また現在、学級崩壊は珍しいことではなくなっており、さらに驚くことに初任の先生だけでなくベテランの先生までもが学級経営に手を焼いているという現状があるというお話を聞きました。時代の変化に伴い、変容する子どもたちに目を向けられていない教員の問題点があるのではないかと感じました。教育界にはびこる「思い込み」を改めていくことが今後の教育を変えるために必要な資質の1つではないかと思いました。

 また私事ですが、卒業論文で野中信行先生の研究をさせていただいています。今回このような機会を設けてくださった玉置先生をはじめ、大治町の先生方には感謝しかありません。本の内容や法則について直接お会いしてお話を聞かせていただけるとは思ってもみなかったので、非常に勉強になりました。未熟な質問ばかりで、これから核をとらえることができるようじっくりと研究をさせていただきます。野中先生、今後ともよろしくお願い致します。また、そのために還暦を迎えられた玉置先生にいつまでも元気にご指導いただきたいと思いますので、ゼミで腕ふり体操をシステム化していきたいと思います。(笑)本当にありがとうございました。(岩田)

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