6月10日(日)教育フォーラムから学ぶ( 4期生 高橋、安部、加藤奨基)

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 こんにちは。4期生の高橋、安部、加藤奨基です。今日は先日行われた我が大学主催の教育フォーラムで学んだことことを書かせていただきます!運営のお手伝いをしながらの参加でしたが、内容としてはとても深いもので、多くのことを学ばさせていただきました。一日で学んだことがより分かりやすいよう午前の道徳の授業づくりについてを高橋から、午後の奈須先生のお話及び討論会についてを安部と加藤から書かせていただきます。


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 私は午前に行われた道徳の授業づくりセミナーで学んだこと2つについて書きます。

 まず1つ目は”揺さぶり発問”がやはり道徳の授業を深める上で大切だということです。授業づくり楽会でも揺さぶり発問の重要性については学びましたが、今回のセミナーで見た附属小の授業からも、揺さぶり発問に大きな効果があることが分かりました。

 ここで驚いたことは、子どもたちの意見を引き出すための発言のさせ方に工夫があったことです。挙手をさせ、意図的指名をするのではなく、挙手した子全員を立たせ、発言した人と同じ意見だったら座り、少しでも違っていたら全員に発表させるというスタイルでした。この方法をとったのには、意図的な指名をしていると、児童が教師が言ってほしいことを言うようになってしまうため、少しでも違う意見があれば共有し、みんなで議論して行きたいというねらいがあったそうです。道徳は正解がないからこそ、子どもたちの様々な考え方を受け入れていく必要があるし、これからの“考え、議論する道徳”を創っていくために、工夫できることがたくさんあるのだなと感じました。

 2つ目は、子どもたちを物語に引き込むということです。今回、1時間の授業のうち、いろいろな方法で子どもたちを物語に引き込もうとしていらっしゃいました。例えば、全員が内容を読む上で同じスタートラインに立てるよう教材は配配付しなかったり、途中で登場人物のセリフや心情を考えさせたりしていました。相手の立場や気持ちを想像し、道徳的価値に気づかせるために、子どもたちが集中して物語を聞けるよう、自然に耳と心を傾けられるように働きかけていることが分かりました。

 前回の授業づくり楽会に引き続き、道徳の授業づくりを学ぶことができました。以前学んだこととリンクさせながら話を聞けたのでより深い理解に繋がりました。今回は運営のお手伝いにも関わらせていただき、様々なことを経験できた1日でした。ありがとうございました。(高橋)


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 こんにちは、4期生の安部です。私は午後からの奈須先生の講演とその後の討論会から学んだことを書かせていただきます。

 午後からの講演、討論会は共に「深い学び」についてのお話でした。私たち学生にとっては理解するのが難しく、何となく分かるけど、うーん、まだまだ勉強が必要だなぁ、という感じを受けました。ですから私が学んだことは、もしかしたら講演の内容と多少のズレがあるかもしれませんが、どうかお許しください。(笑)

 奈須先生のご講演の中で度々出てきたのが新学習指導要領にも明記されている、「見方・考え方」についてでした。新学習指導要領の各教科の目標には「◯◯的な見方・考え方を働かせ‥」と記されており、その重要性は確かによく分かります。しかし、「各教科の見方・考え方」っていったい何だろう、どんな見方?どんな考え方?と最近、ずっと疑問に思っていました。奈須先生は「見方・考え方」=「その教科等の本質」とおっしゃっていました。

 では「その教科等の本質」って一体何だろう?と考えてみると、私は国語が専門なのですが、国語の本質と言われてもなかなか答えらません。小学校の先生になればほぼ全教科を子どもたちに教えなければなりません。子どもからしたら全ての教科のスペシャリストでなければならず、また、子どもたちにそれぞれの教科でどんな考え方、捉え方をしてほしいか、そうしてどんな力をつけていってほしいか、教師の中で持っておく必要があるなと思いました。各教科の「見方・考え方」をまだまだ捉えられていませんが、これから勉強していく中で見つけていきたいと思います。最後に奈須先生はこんなことをおっしゃっていました。「ベイシックな概念を教える初等教育はとても難しいけれど、大切なものなんだ」と。普段の生活から当たり前のことを当たり前のものとして片付けず、そこから学べる多くのことに気づけるような教師になりたいと思います。(安部)

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 自分は午後の最後に行われた、深い学びを作るための討論会での学びについて記事にしたいと思います。主に奈須先生と柴田先生のご指導が中心になっています。

 特に印象的だったことが、奈須先生の話題にあった、低学年教育の充実についてです。普段の大学の講義から低学年教育には幼児教育との接続の働きがあるとは学んでいたのですが、子どもが高学年化した時への中核的・本質的な概念の基礎にもなると聞いて驚きました。

 具体的には、小学校一年生の内容が概念的に捉えきれず、中学校二年生(!)の内容でつまづくことがあるとのことです。また、柴田先生は高学年で養う複合的な思考は、小学校低学年で養うようなベーシックな概念を組み合わせて、「どうなるのか」を考えた方が考えやすいとおっしゃっていました。

 これらから、低学年教育はただの接続ではなく、子どものこれからの思考の基礎となる役割もあるということを学びました。算数でいえば、ただ足し算のやり方を教えるのではなく、「足す」ことはどういうことなのかなどしっかりとした概念で教えていく必要があるのではないかと思います。そうしなければ中学でつまづき、高校でつまづき、果ては子どもの人生に関わってくると思います。小学校低学年での、大人から見れば何気ない簡単な概念こそが子どもの成長に関わってくるのかなと考えました。

 今回の討論会は難しい話題も多くピンとこないこともたくさんありましたが、教育について新しい考え方を深めるきっかけになったので、参加して良かったなと思います。普段はゼミなどで授業技術を学ぶことが多いですが、たまにはこういったセミナーもいいなと思いました。ありがとうございました。(加藤)
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