中村健一先生のブラックシリーズを読んできて(中澤)

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 こんにちは。四期生の中澤佑太です。この記事は本来、7月2日の四期生ゼミで私が発表したことを自身で振り替えることが本来やるべきことであるが、前期の間に中村健一先生のブラックシリーズを読んできたことのまとめを行いたいため、その事を記していく。

 玉置ゼミの授業で行われる発表は、玉置先生の本棚にある、様々な作者の本三冊を、三回の発表で紹介するというものである。ところが私は玉置先生に、中村健一先生を紹介していただき、ブラックシリーズを自分で買って三回とも紹介した。つまり、同じ人物の本を連続で発表をしたということになる。(私はゼミ生でいるうちに玉置先生の本棚にある本を全て読むという目標があるため、他の作者の本も読んできている。)初対面で教育の本の作者も知らない私に、中村健一先生を紹介した玉置先生、何か意図があったかは覚えていないが、まるで私のことを知っていて本を紹介したかのように、私との相性が抜群であった。初めて読む作者が中村健一先生でよかったと私は今考えている。

 ブラックシリーズとは端的にいうと、学級経営や授業について、『腹黒く』策略を練って、一年間過ごせよというメッセージ本である。例えば学級内に、子どもに合意の上で、みんなの前に叱られる役の子どもを作ったり、意図的に怒鳴る機会を設けてたりなどである。この本に書かれている中村先生が見出だしたことは、他の作者の教育本には被らない内容であり、この本にしか書いていないと考えると面白いと私は考えている。しかし、四月一ヶ月間の過ごし方など、中村先生自身が有名な教育者の本から学んだことをアレンジしたものも書かれていた。内容もさることながら、文章自体が秀逸である。私はこれまで様々な作者の教育本を読んできたが、ブラックシリーズほど読みやすいものはなかった。

 三回目の発表の際に玉置先生から、結局ブラックとはどういうことなのかという質問をいただいた。読んでいくなかで、ブラックな内容から、ベテラン教師からみると特別ブラックではないと受け取られる内容になっていったからである。この質問に対して私は、こう考えている。

 本のなかで中村先生は、自分が小心者で、とにかく学級を崩壊させたくないという思いで一秒一秒策略を練ってきたと伝えている。ブラックとは、世間の価値観で、『普通そんなことはしないという考えやそこまで徹底すると考えてしまうこと』ではないかと私は考えている。私も読んだ当初(ゼミで学ぶ前)は、腹黒いなぁという気持ちで本を読んできたが、ゼミで学んでいくうちにもう一度本を読むと、ブラックというよりは、教職にプライドを持っている人からすると、むしろそう考えるのか必然と考えるだろうなぁと本の内容を解釈するようになった。私はこのシリーズを読むことで、自分が学級経営や授業をする際に、目的に沿った策略を練れば練るほど、教師力が向上するのは勿論、仕事リズムが安定し、自身の精神も安定すると考えた。

 私自身小心者であり、目的のためなら不器用ながら必死に策を練る人である。そのため、中村先生の本は、大変参考になり、ブラックシリーズ以外の本も集めていきたいと考えている。中村先生を紹介していただいた玉置先生には、感謝しきれないという気持ちを抱いている。(中澤)
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