6月1日 前座真打会・名人会に参加して(安部・加藤・古川)

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 こんにちは。4期生の安部です。私からは午後から行われた山田貞二先生の道徳の模擬授業のことを書かせていただきます!私は生徒役ではなく、後ろから授業を見させていただいたので、授業を客観的に見ることができ、 先生の授業の工夫を色々なところで発見することができました。授業後の深掘りも含めて学んだことを大きく2つに分けて書きます。

 1つ目は、やはり道徳の授業のミソは、いかに自分事として考えるところまで下ろせるかだ、ということです。山田先生は、授業の色々な場面で、今回のテーマである、「思いやり」を子どもが自分事として考えられるようにするための工夫をされていました。

 例えば、最初の資料の内容を確認する際、実にさらっと事実確認をするのですが、「赤ちゃんの火のついた泣き叫ぶ声とはどんな声?真似してみて」や、「拍手も真似してみて、これは何に対しての拍手だろう、目を閉じて考えてみて」と実際に活動をして考えてみるなど、色々なところで資料と自分自身をつなげるための工夫がされていました。

 読み物資料がとても良いお話だったので、「きれいごとの道徳」になってもおかしくはないと思うのですが、授業の随所で施される様々な工夫によって、子どもの心の中の本当の気持ちが自然に引き出されているのが流石だなと感じました。

 2つ目は、「多面的・多角的な視点」です。これは、学習指導要領にも謳われているいるように、道徳の授業をするに当たってとても大切なことですが、これを実現するのはなかなか難しいと思います。私も実習で授業をしてみて、子どもから様々な意見が出れば出るほど、授業をするこちらの収集がつかなくなって、浅く平たいままで終わってしまった苦い経験があります。山田先生の授業では、多面的・多角的に考えられ、そして考えが深められるところまで到達するための工夫が様々なところでされていました。

 例えば、お母さんの立場になって考えたとき、このまま乗っていくか、それとも降りるか、自分の気持ちを円盤に表す活動がありました。ほとんどの子どもが「乗って行く派」の青が9割以上を占める中、先生は、「降りる派」の赤の割合が多い子どもを見逃しませんでした。そして、赤が多かった2人に実際にお母さんになりきってその理由を話してもらいました。赤が多かった2人に、役割演技をしてとらうことで、他の子もこうやって考えることも確かにあるかもしれないなぁ、と新たな視点が得られたと思います。ロールプレイ(役割演技)がごく自然に行われていて、こうやって使うのか、と目から鱗の瞬間でした。

 今回、初めて道徳の授業を生で見させていただいて、やはり自分事として考えられること、そしえ多面的・多角的な考えに広がっていくことが大切だなと感じました。私自身、実習でうまく行かなかったこともあって、道徳の授業について分からないことだらけだったので、今回の学びはとても大きいものとなりました。

 お忙しい中、素晴らしい模擬授業をしてくださった山田先生、そして玉置先生を初め関係者の皆様、ありがとうございました。(安部)

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 こんにちは、4期の加藤奨基です。6月1日に行われた前座会の、学生による教材研究からの学びを記事にさせていただきます。

 教材研究では、金子みすゞさんの詩「ふしぎ」を扱いました。僕達のチームでは、詩の倒置法による表現技法に気づかせて、それをもとに詩の内容を味わっていくという流れで研究しました。その際に、詩の一連目の三文をバラバラに提示し、子どもに順番を考えさせて倒置法に気づかせることを思いつきました。そのことを和田先生にお話ししたところ、「、や。は残す?残さない?」という助言をいただき、なるほどと考え直すことになりました。

 全員すっかり気付かなかったのですが、確かに句読点で文の流れを判断する子もいると思います。最終的に、子どもの意見を「文の流れ派」と「句読点派」で別れさせて対話にもっていけないかと考え、句読点は残して文を提示するということになりました。

 今回の学びは、「教材研究の細やかさ」です。子どもに句読点を見せる、見せないだけでも大きく流れが変わることを実感しました。場合によっては句読点の位置などに作者の意図を感じることもあるかもしれません。現場に出てから教材研究をする時には、いっそう注意深く教材研究を行いたいと思いました。

 また、今回学生チームは十人ほどで教材研究を行いました。それぞれの気づきや学びを総動員して一連の流れを考えました。(先ほどの文を切る案も実習前の三年生の意見でした!)しかし、現場に出てからは十人で教材研究を行う機会はなかなか少ないと思います。今のこの時間を大切にするとともに、来年も休みの日などにちょっと集まって教材研究やその交流などができたらいいなと思いました。(加藤)

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 こんにちは、5期の古川瑛理です。6月1日に行われた前座会の松井先生の授業からの学びを記事にさせていただきます。

 扱った教材は金子みすゞさんの詩「ふしぎ」です。松井先生はあえて1連目を手書きで板書し、丁寧に扱ったあとでそれ以降を1連ごとに用紙に書き提示していました。連の順番をわざと入れ替えて「緊張して、順番忘れちゃった。みんなならどう置く?」と問いかけ、順序という方法を隠していました。1連目をしっかりと捉えた上で順番を考えることが言葉のつながり、詩の意味を考察することにつながり、金子さんは何が一番不思議であったのかという狙いに迫ることができました。

 まず何を主発問にしたいのか、授業が終わった時に子どもに何が分かったと言って欲しいのかを考え、そしてその問いに対する発言を子どもから引き出す為には何処に注目させると良いかを考察し、その為の展開を考える教材研究をしなければいけないんだと感じさせられました。今年の秋にある教育実習で指導案を書く際に意識したいです。

 今回、授業中に発言が出た際、理解できていない児童がいました。松井先生はそれを見逃さず、「○○さん、分かった?」と声を掛けていました。そしてもう再度発言をした子に言ってもらったり、その発言に対して他の子に代弁してもらったり「○○さん、もう少しで分かりそうな顔してる!」と声を掛けたり、しつこくその点について問いかけ、その子が納得した仕草を見せた時「自分(○○さん)の言葉で言ってみようか」とその子がきちんと理解できたことを確認し最終的には、全体の認識にしていました。

 1人の子のはてなをきっかけとしてどんどん児童を繋いで、最後には全体に広げ、学級全員で1つの点にみんなで取り組む。こういう活動を対話的というのだと直で見ながら感じさせられました。また主発問に入る際の間の取り方など、子どもたちが今から大切なところに入るんだと雰囲気で感じられる工夫の大切さを考えさせられました。

 玉置先生を始めとする関係者の皆様、今回このような学びの機会を設けていただきありがとうございました。(古川)
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