6月9日 教師力アップセミナーでの学び (安部・酒井)

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 こんにちは。4期生の安部と酒井です。雨の日が続き、梅雨がだんだんと近づいてきました。

 今回の教師力アップセミナーは特別支援教育のスペシャリスト、川上康則先生に来ていただきました。川上先生は特別支援学校や特別支援学級にいる子どもだけではなく、通常学級の子どもも含む、全ての子どもを対象に、教師が子どもと接する上で大切なことをとても分かりやすく話してくださいました。約2時間、内容は盛りだくさんでしたが、本当に多くのことを学ばさせていただきました。

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 こんにちは。4期生の安部です。川上先生は私の卒論で研究させていただく先生の1人ですので、とても楽しみにしていました。学んだことを大きく2点に分けて書きたいと思います。

 まず1つ目は、当事者意識に立って子どもを理解するということです。「子どもを知るということ」、「子ども理解」は教師にとってとても大切なことですが、実際に色々な特性をもつ子どもと接すると、これがなかなか難しく、理解しているつもりなのにうまくいかないということがたくさんあると思います。子どもの視点に立てる教師がいかに大切か、今日の講演を聞いて改めて感じました。

 今日の講演の中で川上先生は、発達につまずきのある子どもはどんな困難を感じているのか、当事者意識に立てる演習をいくつか入れてくださいました。例えば「ストロベリージャム」「モジョルデバーラサ」という言葉が一瞬で画面に移されたとき、前者は何が書かれていたのか瞬時に理解できますが、後者は何が書かれていたのか大人でも予想もできないと思います。行間を理解するのが難しい子どもは、まさにこのような感情を抱いてあらゆる文章を読んでいるのだと思います。

 また、川上先生は、発達につまずきのある子どもも含めて学級にいる子ども全員を理解するためには、教師の子ども理解の守備範囲を広くすることが大切だとおっしゃっていました。この言葉にはとても納得させられました。発達につまずきのある子どもを理解することで、他の子どもを理解する際にも、「こんなことに困っているのか、気がつかなかったな」と自分の教師としてのあり方を見直すことができる、また、子どもの変化や成長に敏感になり、子どものちょっとした成長に気がついて喜べるようになると思います。

 2つ目は、見方を変えて子どもの価値を引き出すということです。一見、問題行動と思われる行動にも様々な背景があることが考えられます。そういったときに、その子の見る視点を変える発想の転換、苦手を強みにするリフレーミングが大切で、褒め方、叱り方にもコツがあることを学びました。

 叱るべき場面以外は全て褒めどころと捉えられれば自然とその子の良いところが見えてきて、本来持っているその子自身の価値を引き出せると思います。また、褒める際には、「言い方」よりも「タイミング」を大切にし、短く太く褒めるのがコツだそうです。その際、感嘆詞を使うのが有効で、「あ〜、いい!、う〜ん、えー!、おお〜!」を例に挙げていました。

 また、叱る際には子どもを叱るのではなく、行動を叱り、子どもの意欲まで否定しないこと、最後はハッピーエンド「そう!それでいい!」などの言葉で終わるといいそうです。子どもの価値を引き出し、たくさん褒めること、そして叱るべきところはしっかり叱って子どもを成長させることはとても大切ですが、タイミングや言葉のかけ方など少し工夫するだけでその子の伸びしろが大きく変わってくることが分かりました。教師になった際には意識してみたいと思います。

 川上先生の講演の中には子どもと関わる上で大切にしていきたい教師としての心構え、また子どもと関わる上でのちょっとした工夫など本当に多くのことを学ばせていただきました。実際に子どもと関わる際には今日の学びを振り返っていきたいと思います。

 遠方からわざわざ足を運んでくださり、貴重な学びを提供していただいた、川上先生、そして、朝早くから準備をしてくださった運営委員の皆様、ありがとうございました。(安部)


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 雨の日が続いていますね。蒸し暑い夏がもうそこまできているのかあと思っている5期生の酒井です。

 今回は6月9日に参加させていただいた教師力アップセミナーでの学びを書かせていただきます。テーマは「通常の学級における発達につまずきがある子どもの輝かせ方」でした。

 私は特別支援教育専修ではありませんが、介護等体験を通じて“特別支援“というものにも興味をもちはじめ、学びたい!と思いこの講演に臨みました。

 特に印象に残っていることについてまとめていきます。1つ目 他者との比較ではなく、個人の成長と変化を大切にする。

 これはDCD(発達性運動障害)がある子どもの支援の一般的なポイントとして紹介されたものなのですが、そうでない子、つまりどの子どもたちに対しても大切にしたいポイントだなあと感じました。

 うまくいかない子の気持ちになってどんな支援ニーズがあるのか考えてみるのがまず支援の第一歩なのではないかと感じました。例えささいな変化であったとしてもそれに気がついて声をかければ、子どもたちにとっては大きなエネルギーになるはずです。小さなのびしろにも目を向けられる守備範囲の広い教師でありたいです。

 2つ目 「太く・短く」叱る。特に叱るについては自分ができる自信のないことの1つなのでとても勉強になりました。子どもを叱るのではなく行為を叱り、決して意欲まで否定してはならないのです。子どもに恐怖心を与えて押さえつけても何も得られません。難しそうですがハッピーエンドで終わる叱り方がよいと川上先生は仰っていました。教師になって子どもたちを叱らないといけなくなった時に必要な三要素「基準」、「技術」、「覚悟」を持ち合わせたうえで叱れる自分でありたいと強く思いました。

 3つ目 個別的な手立てだけが大切なのでなく、個別的な事情を分かってあげられる教師・支援者がいることも重要。心理カウンセラーをはじめとする心理職の方は専門的な技術や知識を持っているので素人では見いだせない手立てを提示できます。だからといってカウンセラーまかせでいいのでしょうか。日頃の子どもたちの様子を知っている教師だからこそできることがあると私も思います。学校において子どもたちから信頼され、手助けできるのは教師なのではないでしょうか。

 2時間があっという間にすぎるほど濃いお話でした。川上先生ありがとうございました。(酒井)

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