最新更新日:2023/04/01
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38期生受験報告1(九州大学法学部合格)

山本龍太さん(九州大学法学部合格)

 この度、九州大学法学部に合格しました山本です。私からは第一志望合格は高校からの勉強でなんとかなることと、国公立を目指す大変さを話したいと思います。

 私は中学生の時の成績は決してよくありませんでした。高校入試のとき、内申点は27で、入試の点数は190点台でした。周りの人の成績を聞くと、私の成績は決して上位層ではなく中の上程度のものです。しかし、高校からは勉強を頑張ろうと意気込んでいたので、私達の学年から作られた特進クラスを希望しました。どんな審査があったのかはわかりませんが、特進クラスに入ることができました。そして三年間を通して特進クラスに属していました。3年間特進クラスに入って、進路別ではっきり分かれる3年生の特進クラスはとても大事だと感じました。進路が同じ仲間なのでクラスに一体感が出るからです。

 福岡西陵高校に合格できる学力をもっている皆さんなら、中学校での勉強の良し悪しを気にする必要はありません。僕のように高校から頑張ろうと思っている人でも第一志望に合格することができます。大学に合格するために定期テストが悪くても何の問題もありません。私も日常的に平均点くらいをいつも取っていました。定期テストの出来具合は大学入試に何の影響も与えません。ただし、授業を聴く必要はあります。本当に勉強していない人と、勉強をしている人の違いは授業を聞いているかどうかだと思います。授業をしてくださっている先生方がテストを作成するわけだから、授業を聞けばある程度の点数を取れるのは当然です。授業は聞くが、定期テストに向けて特別な勉強はしない。このスタイルは3年間をとおして貫いていました。

 私は数学を得意としていました。しかし、中学生の時はそうでもなく、むしろ英語が得意でした。高校に入り、ある先生に出会いました。授業の中で分からないところがあると、妥協を許さず、分からないところがある生徒に、他の先生とは一風変わった熱い指導を徹底的に行い、授業内で解決しない時は、放課後、それでも解決しない時は、次の日の朝補習の前まで続くことも多々ありました。そんな熱い授業を3年間受けていると、得意科目がいつの間にか数学に変わっていました。文系において一番大事なのは数学だと思います。特に私立受験においては数学が圧倒的に有利だと感じました。社会は重箱の角をつつくような問題を出すのに対して、数学は今まで何回でも解いた典型的な問題がほとんどです。数学か社会かで迷ったら数学を選ぶことを強くお勧めします。実は、このことは合格体験記にも書きました。この場をお借りして同じことを言うのは、受験において数学の大切さを強く実感したからです。しかし何でも気づいた時には遅いのです。数学を簡単に捨てないで下さい。

 国公立大学を目指すにあたって避けられないものがセンター試験です。センター試験までは必死でセンター対策を行います。遊ばず、寝る間も惜しんで勉強します。そしてセンター試験が終わったら休憩、ではありません。次の日にはセンター試験の自己採点をして、すぐに二次対策です。センターで燃え尽きている暇はありません。1月から3月は特にきつい時期です。私はこんな地獄のような勉強生活を送らなければならないことに絶望しました。福岡西陵は私立が本命の生徒がほとんどです。私立組はセンターが必ず必要なわけではないうえ、センター2週間後の2月上旬には試験を終えます。ほとんどの友達は勉強から開放されて遊んでいる、そんな中で自分は勉強を続けないといけない現状に絶望しました。合格するには勉強を続けられる強いフィジカルと、周りに流されない強いメンタルが必要です。

 3年生になってからの生活ですが、HRが終わったらすぐに家に帰って勉強しました。学校で勉強した方がはかどるという友達がほとんどでしたが、私はそうではありませんでした。学校では部活も行われており、勉強以外のことをしている人もたくさんいます。みんなのように、そんな環境で集中して勉強できる人間ではなかったので、自宅の自室で勉強していました。暗記が苦手な私の暗記法は、単純に繰り返すことです。効率よく覚える方法も分からないし、実践できるとも思わないので余計なことは考えずにひたすら繰り返しました。特別な勉強をしていたわけではありません。通信教育も取らなかったし、塾にも行きませんでした。学校と参考書のみです。特に塾は、3年生になると行く人が大半だと思います。塾とは、1人ではできない勉強をサポートしてくれる場所です。私の場合、暗記が苦手だったので塾に行くならば、暗記のために行くことになります。しかし、暗記は1人でやるものだという認識があるので塾に行く必要性を感じませんでした。塾に行く自分の目的を考えてみて下さい。みんなが行っているから、など勉強のメリットにならない理由なら行かないことを勧めます。

 勉強において大切なことは、疑問を持つことです。疑問を持たずに与えられたことを淡々とこなすだけでは学力はつきません。時間の無駄です。理数科目の勉強中に疑問を持つことは当然として、文系科目の勉強でも疑問を持って下さい。特にセンター対策においてそうです。なぜこの選択肢になるのか、その意味を考えなければ点数は上がりません。よく国語は勉強しても上がらないと言われますが、その人達はおそらく正解の理由を考えていないからだと思います。私は問題を解き終わって自分の思った選択肢が答えではないときに、解答解説をじっくり読んでいました。しかし、解答解説の正解の理由を読んでも納得できないことが数多くありました。自分は自信を持ってこの選択肢を選んだし、自分の考えている理由の方が答えにふさわしいだろう、と解答解説と格闘していました。解答解説を読んでも納得できない時は、先生に聞いていました。しかし、先生のいうことも鵜呑みにはしません。先生には自分が納得いくまで付き合っていただきました。その結果、解答解説の方が間違っている、という結論に至ったこともあります。疑問は徹底的に潰していく、その姿勢が大切だと思います。

 国公立に受かるためにはオールマイティに勉強することが必要です。私立は3教科でいいですが、国公立は5教科必要です。こんなにたくさんの教科を勉強していれば苦手、嫌いな教科は必ずあります。ここで大切なのは、得意な教科を伸ばすことよりも、苦手な教科の点数を上げることです。九州大学で言えば、全体を通して900点満点で、720点、つまり80%の得点率が必要です。80%の得点率は得意な教科は満点、苦手な教科は50%、というように点をとっても取れるものではありません。得意、不得意な教科でプラマイゼロを目指すより、すべての教科の点数が同じになるように勉強してください。ちなみに、点数を少しでも上げるために受験科目で工夫したことがあります。理科基礎においてです。理科基礎は基礎科目2科目が必要で、ほとんどの受験生は生物基礎と化学基礎で受験します。しかし私は暗記が苦手だったので少しでも暗記を減らす意味でも、生物基礎ではなく物理基礎を独学で勉強しました。独学で受験に挑むのは非常に怖かったですが、本番で9割正解することができたので成功したのかなと思います。

 入試の日を迎え、できる限りの勉強をして試験に挑みました。始めは英語で過去問通りのでき具合でした。次の試験は数学で、ここで点を稼ごうと考えていました。そして試験が始まると、全く解けませんでした。過去問でもこんなに解けなかった年はなかったのに、全く解けませんでした。そして試験中に「あぁ俺落ちたな」と考えながら数学を終えました。次の国語もいつもどおり解けました。ここで考えたのは数学の失点を国語と英語で補えるかということです。とても補えるとは思えませんでした。一番得意としていた教科で一番失敗する、この出来事は一生後悔すると思うし、受験直後は相当落ち込みました。しかし、100%受からないと思ったので、逆に気持ちの切り替えは簡単でした。後期の熊本大学に向けて、すぐに勉強を始めました。卒業後もほぼ毎日学校に行きました。後期は小論文だったので前記よりかは気楽に勉強できていましたが、勉強中に頭にちらつくのは、やはり九州大学です。どんなに小論文に集中しても頭から離れることはありません。今まで長い間九州大学に向けて頑張ってきたのにたどりつけないのか、と考えるとマンツーマンで小論文の指導をしてくださっている先生の言葉も頭に入ってきません。

 実は、第一志望は法学部ではなく経済学部でした。学部を変えたのはセンター試験が終わってからです。なぜ学部を変えたのかというと、センター試験の自己採点の結果を予備校に送って判定を出してもらうのですが、経済学部より、法学部の判定が良かったからです。私は浪人したくないし、九州大学以外の大学に行く気もありませんでした。そこで私は経済学部から夢に向かって進むのではなく、法学部から夢に向かって進もうと考えました。私の夢はどちらからでも達成できますが、経済学部の方が近道です。しかし九州大学の名前を捨て他の大学の経済学部に行くよりかは、九州大学の法学部に進む方が近道だと考えました。ですから、少しでも合格の可能性を上げるために法学部に変えました。この変更が功を奏したのかはわかりませんが、九州大学に合格することができました。

 最後に、私の好きな言葉を紹介したいと思います。その言葉は「後悔先に立たず」です。勉強が辛いと思った時はいつでもこの言葉を思い出してください。今の怠慢は、将来の心残りに必ずなります。テニス部だったのでテニスを例に出しますが、あの時攻めずに守っていたら試合に勝てたかもしれない。あの時コーチにボレーをしっかり習っておけば良かった。みなさんの中にも後悔が1つはあると思います。しかし、大学受験によって後悔を増やさないで下さい。私達38期生は良い結果を残したと言われますが、この結果が例年通りとなるように皆さんに頑張っていただきたいです。私の言葉がみなさんの励みになれば嬉しいです。ありがとうございました。

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