この事態における学校でのICT活用四方山話 Topic2<神戸>


◆ 2教室の間の壁を取り除く
2つの教室の間にある壁を取り除けば、2教室分の広さの教室で授業が行えます。さぁ、壁を取り壊そう!と言っても無理です。そこで、ICTの活用を考えます。

1) タブレットのカメラとマイクを使い、大型提示装置(プロジェクタ)で一方の教室の様子を隣の教室へ投映するという、簡易のテレビ会議のような仕組みを作るのです。先生は、授業を進めながら、2教室の様子を観察することもできますし、簡単に行き来することもできます。ICTが、2教室の間の壁を取り除く役割をするのです。(WiFi環境があるとさらによい)
 タブレットは、できるだけ子どもの学習用に使いたいというときは、ビデオカメラを使うでしょうが、そんなに台数もありません。そんなときに活躍するのが実物投影機です。実物投影機のカメラは、普段下を向いていますが、このカメラかなり自由に動くので、子どもたちや先生に向けさえすれば立派なビデオカメラの代用品となります。
 2つの学級をつなぐソフトは、既存の「学習活動ソフト」。本来は、自分の教室のタブレットの画像を自分の教室で投映するのですが、それを隣の教室に投映するようにするだけの簡単な方法です。
 「学習活動ソフト」で投映できる環境のない教室は、タブレット2台を使って、windows10のプロジェクション機能で、隣の教室の様子を投映するという方法も考えられます。
 これで、2つの教室の間にある壁は取り除かれます。
 1教室の子どもを2教室に分けるのですから、「3密」を避けることも可能になるでしょう。

2) 同様に、互いの学級をテレビ会議システムでつないで壁を取り除くことも可能でしょう。2つに分けた学級それぞれに、1台のPCがあれば最低限できます。家庭で行っていた、テレビ会議システムによる授業と違って、先生はいつでも2教室を行き来でき、分からない子どもに寄り添うこともできます。ここでの経験は、今後も起こり得る緊急事態時に、今回のような長期間、授業が行われないということがなく、即座に対応していくことができるようになると期待できるのではないでしょうか。今が、「学校生活の新たな日常」を築くチャンスかもしれません。(テレビ会議システムが使える環境が必須)

3) 教室にゆとりがない学校は、なかなか難しいと思いますが、分散登校させるという前提で考えると、2)の方法の一方の学級を家庭で行うという方法もあるのではないでしょうか。分散登校で、半分の子どもたちが家庭学習するのもいいですが、テレビ会議システムを使って、一緒に授業に参加すればいいと思いませんか。家庭で授業に参加した子どもへは、少なからずフォローが必要でしょう。次時登校したときが、フォローのチャンスになると思います。(各家庭、テレビ会議システム参加のための端末と環境があるか、または貸し出せることが必須)

どうでしょうか、そんなことできるわけないと言われるかもしれません。大切なことは、今までの常識にとらわれず、今できることを考え、実践していくことではないでしょうか。
 しばらくは、コロナウイルスと共存しなければならない日が続くと思います。
 子どもが安心して登校できることを一番に考え、「学びを保障」する実践を行っていく必要があると思います。

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