「素直さ」というとてつもない財産  R03.03.23

ありきたりの価値だと思われている「素直さ」ですが、実は人生で成功をおさめるためには最高の武器だと言われています。世界でも一流企業と言われるソニーの創業者の一人である盛田昭夫氏。1999年に亡くなられていますが、この方は70歳を過ぎても、子どもっぽい「素直さ」を失わなかったと言われています。目の前に見慣れないおもちゃが置かれると、「一体どういう仕組みで動いているんだろう?」と疑問に思い、何時間でもそのおもちゃと格闘したとのこと。「こんなおもちゃなんか…」と思うことが一切なく、自分がおもしろいと感じるその思いにまっすぐ突き動かされて行動していたそうです。井深大氏とともに、この「素直さ」がソニーの画期的な商品を生み出す原動力になっていたと言えるでしょう。

 さて、先日2年部会の先生方から「最後の授業をお願いします」と頼まれて2年生の子どもたち相手に2時間続きで道徳科の授業を行いました。テーマは「校長先生のお悩み相談室」ということで、子どもたちがどんどん出してくる悩みに自分が回答するという授業です。潮見中に来て初めての授業でしたが、この授業であらためて潮中生のもっている「素直さ」に心打たれました。人の話を聞くときの姿勢、物の見方・考え方、発表内容をまとめるときの視点、最後に書いてもらった感想文等、どれをとっても教師生活38年の中で見たことにないような「素直さ」があふれ出ていました。そしてこの特長は2年生に限ったことではなく、普段の様子を見る限り、卒業した3年生にも、1年生にも共通して言えることだと自分は考えています。

 「素直」ということは「伸びる余地をいっぱいもっている」ということなんです。実際38年間、勉強や学校行事、部活動等の指導を積み重ねてきましたが、「素直さ」を秘めている子どもほど一気に成長していきました。つまり指導者側から「教えの水」を流したときにそれを余すところなく受け止める力があるということなんです。どこか斜めから物事をとらえる習慣をもっていると、せっかくの「教えの水」が半分しか入っていかなかったりするケースが多いんですね。ですから潮中生は、本当に可能性を秘めている子どもたちがたくさんいるということなんです。

 ここで校長としての痛烈な反省の思いが湧き上がってきます。果たして学校として子どもたちの可能性を最大限引き出しているのだろうか? そういった反省です。「素直さ」という財産をつくってくれたのは、間違いなく保護者・地域の方々です。学校でこれをつくることはできません。学校でせいぜいできることは「こわさない」ということだけなんですね。この「素直さ」という財産をこわなさいようにしながら、そこをテコにして子どもたちの可能性を最大限広げていく働きかけが学校にはもっともっと求められるということだと思います。潮中生が「伸びる余地をいっぱいもっている」という認識を再度深めながら教職員の協働を土台にがんばっていかなければいけないと教員生活最後の授業で感じた次第です。

 この1年間のご理解とご協力に厚く感謝を申し上げ、来年度の引き続きのご支援をお願いしつつ、今年度の「育みの輪」を閉じたいと思います。ありがとうございました。