最新更新日:2024/06/14
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市教委指定研究発表会 裾野市立東中学校

 11月14日(月)午後から、平成27・28年度 裾野市教育委員会指定研究発表会が東中学校で開催されました。

 研究テーマは、『かかわり合い、主体的に学ぶ生徒の育成を目指して』
   〜生徒自ら考えたくなる学習課題の設定〜です。

 研究仮説を次のように立て、授業研究や教員個々の授業実践を通して、研修を進めた成果を発表していただきました。

<研究仮説> 生徒自ら考えたくなる学習課題を設定し、生徒の疑問を引き出したり、かかわり合いを生み出したりするような主発問をうち、授業(単元)の終わりにつけたい力が定着しているかどうかを把握する振り返りをすることによって、生徒たちはかかわり合いながら、次の学習への見通しを立て、主体的な学びをするであろう。
 
 発表当日は、1年数学、1年理科、2年英語、3年保健体育、3年社会の五つの授業を公開していただきました。

 社会科湯山喬史(たかし)先生の授業は「経営者になって、コンビニエンスストアをどこに出店するか考えよう」(3年生公民的分野)です。
 本時は経済学習の導入の授業です。生徒は経済について初めて学ぶので、先生は本単元を構想するに当たり、(ア)経済って面白そうだなと興味・関心をもつこと、(イ)経済と自分との関わりに気づくことの二つを目標と考え、この教材を選びました。
 この教材は、コンビニエンスストアが生徒にとって大変身近であることと、立地について考えるシミユレーションを経営者と消費者の両面から多面的・多角的に考察できる面白さがあり、上記(ア)・(イ)の目標に沿うものといえます。ただ、この教材と本時の「身につけたい力」としての「経済とは何か」という問いに落差があることが課題です。そこを繋ぐものとして、先生はGT(ゲストテーチャー)として、コンビニで出店を決めるお仕事をされている葛西さんに登場してもらうことを考えました。
 授業では、予想通り生徒たちは自分ならどこに出店していくか、互いに活発に意見を出し合いながら出店場所を選んでいきます。また、他班のプレゼンを聴くことで、再度迷い始めた生徒もいました。そこで先生はGTを登場させて、GTの葛西さんから生徒たちの議論についての感想とプロとしての考えを聴きました。そして先生は、葛西さんのお話の中の「一番立地」という言葉をとらえて、「限られたものをどう使ったらいいかを考えることが『経済』」であると説明し、自分の生活の中の「経済」に目を向けさせていきました。
 授業後の分散会では、生徒たちの、男女を問わず柔らかな表情で積極的に学び合う姿やGTの活用等についての工夫を評価すると共に、生徒が「積極的」であることと「主体的」であることの違いや、生徒が主体的に学習するための新たなGTの活用方法の提案など多くの意見が出され、参加者全員にとって大変有意義な研修の場となりました。
11/14東中 指定研究指導案(社会)
(↑ここから社会科の指導案が閲覧できます)

 数学科廣田有花先生の授業は「新しい視力検査表を作ってみよう」です。
 数学は、ともすると教科学習の世界だけにとどまってしまうところですが、廣田先生は実際の数学の考え方がどこで、どのように活用されているか?との問いに答えてくださいました。
 比例・反比例の全19時間扱いの15時間目に相当します。視力検査表に秘められているランドルト環に着目しました。視力とランドルト環の大きさが反比例になっている事実を表、グラフ、式で検討していきます。ランドルト環の着目点は、Ⓐ視力と外側の円の直径 Ⓑ視力と内側の円の直径 Ⓒ視力と厚み(すき間)です。Ⓐ〜Ⓒの着眼点を生徒と共に確認した後、各グループで視力0.05のランドル環作りへと深めていきます。各グループでは、対応表の空欄数値を求めていきます。そこに比例定数0.75(外側)、0.45(内側)0.15(すき間)と言った比例定数の存在が隠れていることをつぶやいていました。比例定数が小数であり計算式が分数であることに参加者からは数学的表現から見ていかがなものかという意見もありました。ここで廣田先生は、生徒の反比例に対する考え方を大切にしながら、計算機を利用させるなどの配慮をされていました。完成した対応表から反比例の確認、対応表をグラフにすると反比例の特徴が見出される。このような学習過程を経てグループによっては早くも0.05のランドルト環作りに挑戦していました。みごとに完成させたグループもありました。振り返りでは視力検査表に反比例を発見した喜びが書かれていました。事後研修会では、前時までの14時間で比例・反比例の基本的事項をしっかり押さえてあるから本時のように発展的、ややこしい課題に取り組めることができたとの意見がありました。
11/14東中 指定研究指導案(数学)1
11/14東中 指定研究指導案(数学)2
(↑ここから数学の指導案が閲覧できます)

 理科溝畑哲先生の授業は「物質のすがたとその性質」でした。最初、水と水で混ぜ、エタノールはエタノールと混ぜてみました。次に、水とエタノールを混ぜたら、体積は減りました。混ざると減るのは、なぜだろうか?の問いに、生徒たちは、『混ぜると気体が発生し体積は減る。』『密度の違いによって、エタノールの粒子の間に水の粒子が入りこんで体積は減る』『エタノールは水に溶けるけど、体積は変わらない』等、見えない現象について仮説を立て、グループでの意見交換や模型の発泡スチロールの粒子を使って考えました。
11/14東中 指定研究指導案(理科)
(↑理科の指導案を閲覧できます)

 英語科加藤美紀先生の授業は「If You Wish to See a Change」でした。ALTの先生との呼吸も合い、世界の環境の現状や貧困層の子供たちの写真を見ながら、主発問「自分たちが・・・世界に向けて、どんなピースアクションができるかな?」について考え、それを英文で表現する活動でした。まずは個で考え、その後グループで話し合って発表文に仕上げる活動は、日本語で考え、それを英文にするというハードルの高いものですが、言語活動を活発にするためには重要です。
11/14東中 指定研究指導案(英語)
(↑英語科の指導案が閲覧できます)

 保健体育科田代昌平先生の授業は、3年「シンクロマット」(器械体操「マット運動」)でした。個人種目の器械運動をグループごと行うシンクロマットにして、集団競技として取り組みました。グループの演技に漢字一文字のテーマを決め、それをどう表現するか話し合いながら、技のタイミングを合わせたり、ずらせたり、動きにスピードをつけたりしました。グループ全員が動きに気を配りながら、演技する姿は、堂々としたものでした。
11/14東中 指定研究指導案(保体)
(↑保健体育科の指導案が閲覧できます)

 どの授業も個の考えをグループで錬り合い、協動的な学び合いにする工夫が見られました。
 全体会では、勝呂恵子研修主任から研究の概要について説明があり、最後に学びの森の小澤明弘指導員から指導・講評がありました。
 2年間の指定研究の成果をそれぞれの学校に持ち帰り、研修の参考にしていただきたいと思います。

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