最新更新日:2024/05/13
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訪問研修「森の道標」裾野西中 国語

 12月12日(月)西中の堤佐保先生の授業を参観させていただきました。堤先生は新採2年目ということで、今年度4回目の訪問(森の道標)です。1回目は随想、2回目はプレゼンテーション、前回は小説、そして最終回の今回は古文の平家物語「敦盛の最期」を題材として選ばれました。
 堤先生は毎回学習指導案を筋道立てて丁寧に書かれます。熱心に教材研究を重ねていることが伝わってきます。今回も単元(7時間配当)の最後に朗読会(「琵琶法師になろう」)を設定し、それを最初の授業で生徒に提示することで単元全体の学習計画を共有しています。このことは、生徒も今やっていることがどこにつながっていくのかを理解して学習に向かうことになり、意欲化につながります。
 また、板書も構成的に見やすく工夫され、授業の流れがよくわかります。生徒が後でノートを見た時、そのときの授業の様子と共に学習内容が整理できることは大切なことです。
 本時は、武功をおさめたいと願っていた直実が、最後は「発心の思ひは進みけれ」と語られていることに注目し、なぜ直実の思いが変化したのかを考えるというものでした。
 堤先生は、古文から根拠を確認しながら、語り方に着目して直実と敦盛の人物像を対比して捉えさせ、そこから今日の学習課題「なぜ直実の『発心の思い』は強くなったのだろう」を班で考えようと投げかけました。
 生徒にとって古文は、語句や語彙を理解し、内容を的確に把握することがかなりのハードルとなりがちです。先生は事前に班で分担して現代語訳をする活動を取り入れましたが、内容の把握には個人差があり、課題について深め合うことはなかなか難しそうでした。
 そこで先生はI君の「本当は殺したくなかったけど、味方の兵が来たから殺さなければならない」という意見を採り上げて、殺したくなかった理由を明らかにしながら、「対句」や「係り結び」を押さえ、次時に続けて本時の課題を深めていくことにしました。
 事後の懇談では、堤先生から、他の学級ではA’に想定した「自分たち武士にはない敦盛の優雅な心に触れたこと」が最初に生徒から出て、学習課題を解決した後に文法的な押さえを行ったというお話を伺いました。同じところでも学級によって、一人の子の発言によって展開が大きく変わることがよくあります。生徒の思い(発言)がつながっていくように、教師が柔軟に対応していく力が求められます。その力は、事前の多様なシミュレーションと本時の中で謙虚に生徒の発言に耳を傾けること、そして事後に教師自身の振り返りをきちんと行うことによって身についていくのだと思います。
 「振り返りのできる人が成長できる人」〜そんな教師になってくれることを信じて学校を後にしました。 

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