最新更新日:2024/06/25
本日:count up6
昨日:126
総数:365616
暑くなってきました。こまめに水分補給をして、熱中症に備えましょう。

学校長式辞

 今日、体育館の南の桜の木を見上げると、花がちらほら咲いているのを見かけました。厳しい冬が去り、春の訪れを今朝から感じていました。このように、桜の蕾もふくらみ始めたこの佳き日に、応其小学校第122回卒業生として本校を巣立つ71名のみなさんのご卒業を心からお祝いします。
 また、本日は、橋本市教育委員会学校教育課課長補佐 栗川ますみ様をはじめ、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜りましたこと 厚く御礼申し上げます。
 保護者の皆様には、お子様のご卒業を心からお祝い申し上げます。立派に成長された姿に思いもひとしおのことと拝察いたします。
 さて71名のみなさんは、平成16年、2004年、4月9日、金曜日に本校に入学しました。そして、卒業する今日の日まで1186日の日々を応其小学校で過ごしました。その間、友と共に学習や運動に励み、多くの喜びや感動を味わいました。また、その一方では、些細なことでトラブルになったり、悲しい気持ちになったこともあったでしょう。様々な経験を繰り返しながら、みなさんは、体だけでなく、心も大きく成長し、卒業証書を今手にすることが出来ました。卒業証書は、小学校6年間の学業を全て修めたことを証明する証であると同時に、学校生活の思い出の結晶でもあります。
 私は、今「すばらしい子どもたちに育ったな」という感動の気持ちでいっぱいです。というのは、卒業証書をわたす、私の「おめでとう」の言葉に、「ありがとうございます」の返事が、どの子からも返ってきたことです。だれからも言いなさいと言われたわけでもない、自然と口から出た言葉だと思います。みなさんの素直な気持ち・態度に大変感激しています。すばらしいと思いました。
 六年生の始めに、私は、「最高学年としての自覚を持ち、下級生によい手本を示し、先頭に立って学校生活をリードして欲しい。六年生が原動力となって立派な学校を作って欲しい。」と呼びかけました。その期待に君たち一人一人がよく応えてくれました。
 秋の運動会では、君たち自身で振り付けを考えたダンスや、一人の演技から二人、二人の演技から三人、徐々に人数を増やしていき、できあがった立体的なピラミッドは圧巻でした。誇らしげな皆さんの表情は輝いていました。
 君たちが見せた、がんばりやすばらしいチームワークは、下級生のこころを揺さぶり、きっと良い手本となったことと思います。「あんなお兄ちゃんになりたいな。」「あんなお姉ちゃんになりたいな。」と、これからも、憧れをもたれる存在で有り続けて欲しいと願っています。では、どうしたら憧れをもたれるようになるのでしょうか。難しいことではありません。だれも傷つけない、だれもだまさない、あの人の言うことだから、あの人のすることだから信頼しようと言われるようなまじめな生き方をすることです。「あの人の言うことだから信用できんわ」「あの人は、自分の得になることしかせんわ」と言われることは、人としてとても悲しいことです。
中国の古い書物に「天知る 地知る 我知る 人知る」という言葉がでてきます。
 ある夜、役人に不正なことをしてもらうためにお金(わいろ)を届ける男がいました。「夜も遅くだれも知りませんから」とお金を渡そうとする男に役人が「だれも知らないなどとんでもない。天が知っている。地が知っている。私が知っているし、君も知っているではないか」と断った話です。だれも見ていないから、だれも知らないからと、思っていても、天の神様、大地の神様は知っています。何よりもその行いをした自分自身の心が知っているのです。「人にわからなければいい」「みんながやっているから」「バレなければいい」「警察に捕まらなければいい」などと考え、弱い自分に負けてしまう人もいます。悪いことは必ず発覚して不幸になります。相手があれば、された嫌だったことはいつまで経っても忘れることはありません。
 反対に、だれも見ていなくとも、良いことをたくさんしている人もいると思います。だれも見ていないけれどトイレのスリッパを綺麗に並べる。だれにも「私がしました」とは言わないけれども廊下のゴミを拾う、だれからも誉めてもらえなくても、「天知る 地知る 我知る 人知る」の言葉を思い出し、いつも、周りの人をしあわせにするような生き方をして欲しいと思います。
 今、カナダのバンクーバーで冬のパラリンピックが開催されています。パラリンピックというのは体に障害のある人達のオリンピックです。昨日の夜もテレビで大回転やカーリングなどの競技が放映されていました。
 その中で、チェアースキー大回転で銅メダルを獲得した、大日方邦子選手の姿もありました。大日方選手は、3歳の時に交通事故で足をなくし、スキーは高校生になってから始めたそうです。足が無いということでやってみたいことができなくて悔しい思いをしたことがたくさんあったそうです。しかし、決してそのことで自分はだめな人間だなんて思わなかったそうです。出来ないからと言って、人間の価値が下がるものではありません。彼女の心を支えているのは、「可能性がある限りあきらめない」という前向きの気持ちです。努力は決して人を裏切りません。さまざまなしんどいことがあっても「あきらめない。やれるだけのことはやってみる。」みなさんには、この気持ちを持ち続けて欲しいと思います。
 最後になりましたが、保護者のみなさまには、これまでの学校への温かいご支援とご協力に厚く感謝申し上げます。今後とも地域とともにある応其小学校としてがんばりますのでよろしくお願いします。
 卒業する君たちの限りない前途を祝福し、応其小学校で学んだことに誇りをもって活躍されることを心から願い、私の式辞といたします。
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
橋本市立応其小学校
〒649-7203
和歌山県橋本市高野口町名古曽19-1
TEL:0736-42-2067
FAX:0736-44-2132