最新更新日:2024/05/13
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自然の散歩道(立夏の偕楽園5/16)

 前日は少々肌寒い雨、黄瀬川の流れもまだ冷たそうです。一転今日はぽかぽか陽気、立夏を過ぎたというのに暑かったり寒かったりの繰り返しで、そりゃ風邪もひきます。体調は今一つすっきりしませんが、眠気を押さえようと久しぶりの偕楽園を散歩しました。
 駐車場に車はあるのですが園内には誰もいません。くたびれたハルジオンの花とうるさいヒヨドリの鳴き声ばかりが目立ちます。奥に進むと、イソヒヨドリの華麗な歌声が聞こえてきました。名前の通り“磯”でよく見かけるからイソヒヨドリなのに、裾野まで何をしに来たのでしょうか。学びの森は、近くに黄瀬川の岩場がありますからよく見かけますし、鳴き声も聞こえてきます。そう言えば、十年前あたりからどこでもよく見かけるようになりました。“磯”は卒業したのでしょうか。
 それにしてもヒヨドリの鳴き声はうるさくてかないません。こっちまで暑苦しくなってきます。偕楽園を始め、どこの公園でも大好物のサクランボが真っ盛りですから、嬉しくて仕方がないのかもしれませんが、もう少し優しい声で鳴いてもらいたいものです。
 春の花々が一通り咲き終わった5月の偕楽園は、もっぱら緑一色です。水辺の植物も濁った流れを隠さんばかりの勢いです。犬の糞を踏まないように春の花々のなれの果てを探してみました。カラスノエンドウは果実が熟れて乾燥し真っ黒です。タネツケバナは種子を飛ばしきっています。ノビルは不格好な実を1つつけて草丈よりさらに高く伸びきっています。梅の実が1つ転がっていました。枝に実が無いのはどなたかが持って行かれたのでしょうか。ヘビイチゴは赤い果実が旨そうですが、旨そうなのは見た目だけで、酸っぱくも甘くもない中途半端な味です。
 奥の滝近くの暗がりにカンアオイを見つけました。葉をどかしてみると花が隠れていました。地味ですが、私はこの花が好きです。徳川家の家紋「フタバアオイ」もこの仲間です。花の細部のつくりで分類するようですが、やっかいなのでしっかり同定したことはありません。写真のカンアオイも正しい和名は不明です。植物の名前にこだわらない私にとって重要なのは「食えるか食えないか」だけ、こいつは毒成分を持っています。
 暗がりの斜面に目をやると、鮮やかなシャガが1輪だけ花を咲かせていました。シャガの花期はすでに終盤、今期はこれが最後かもしれません。
 久しぶりにシュロの雄花を見つけました。黄色に垂れ下がった固まりです。子供の頃、石を投げると叱られたのでシュロの雄花を小分けして投げたことをその臭いとともに思い出しました。最初の反抗期です。懐かしい。
 帰り際、駐車場の隣の芝生広場を振り返ると、黒いツンツンが目に入りました。芝の果実です。よく見ると一面がツンツンだらけです。当たり前です、芝生広場なんですから。でも、行きには目に入りませんでした。大人の目って案外いい加減ですね。それに比べると子どもの目はとても敏感です。自然観察会は子どもたちと一緒で楽しさ倍増です。

             文責:学びの森指導員 小泉隆嗣
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春の自然散歩(生涯学習センター駐車場)

 文化センター黄瀬川沿いの桜の中に、裾野市のソメイヨシノの標準木を見つけました。南側から4番目です。今年のソメイヨシノは、満開になった途端の春の嵐で、あっという間に丸裸。八分咲きくらいが見頃だったでしょうか。花見期間の短さに、ゆっくり花見をする機会を失ってしまいました。年度当初はどこもそうですが、学びの森も結構多忙です。学校訪問が少ない分、パソコンの前に座ってキーボードを打ち続ける日々の連続で、少々運動不足気味です。少しでも体を動かそうと、食後に駐車場周辺を散策しました。
 草地を歩くと、小さい種の集中砲火を浴びました。タネツケバナです。4月当初は白い花だったのに、既に果実は熟しきり、1つ触っただけで次々に連鎖反応が起こります。ホウセンカやカタバミは種飛ばしで有名ですが、どっこいタネツケバナも負けてはいません。その種に打たれて驚いたのか、アマガエルが跳び出しました。迷惑顔に見えたのは気のせいでしょうか。
 先日、背丈の低いタンポポが一斉に開花しました。総包片が見事に反り返っています。外来のセイヨウタンポポです。よく探してみましたが、全てセイヨウタンポポでした。スミレがたくさん咲いています。紫色の花ですが、白花のスミレも結構たくさん咲いています。よく見ると紫色にも変化があります。これはアリアケスミレでしょうか。ここで重い植物図鑑とルーペを出して座り込んで同定を始める時間はありませんし、私はしたくもありません。「スミレ」で結構。顕花植物に対する私のスタンスはこんなもんです。カタバミも2種類咲いていましたが、私にはどちらもカタバミ。外来種のアカカタバミとかウスアカカタバミとかがあるようですが、たぶんどちらかでしょう。調べようと考える人と面倒だと考える人がいるそうですが、私は明らかに後者です。それより先程跳び出したアマガエルが気になりました。一応捕まえて鼻先から伸びる黒帯を観察、ニホンアマガエルであることを確認しました。近似種に「ハロウエルアマガエル」という日本固有のアマガエルの仲間がいるからです。図鑑では奄美以南(奄美と沖縄)の分布ですが、自然界に「絶対」はありません。もしかしたら・・・です。そんな私は、明らかに植物より動物の方が好きです。自覚もしています。ただ、「あ、旨そう!」とか「これ食べると死ぬかも」といった類の植物や菌類は好きです。
 クズがやっと新芽を伸ばし始めました。先端5cmは天ぷらに、小さな若葉は唐揚げにします。イタドリは皮をむいて一晩塩漬けし、漬け物風にします。椿の花も1輪をそのまま天ぷらにします。生涯学習センターの駐車場の春は「食材」がいっぱいです。でももうすぐ草刈りなんです。残念。
ぽんぽんと はぜるたねつけ花 かゆし   文責:学びの森指導員 小泉隆嗣
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春の自然散歩(小柄沢緑地)

 4月3日に市役所で行われた初任者研修会の帰りに小柄沢緑地を1ヶ月ぶりに訪ねました。二十四節気では明日から清明に入ります。万物がすがすがしく明るく美しい頃、ツバメが渡ってくる頃、サクラが満開の頃ですが、ツバメもサクラもまだまだのようです。今年の春分以降は、底冷えを感じる日々ばかりでした。富士山麓も愛鷹山も、4月まで雪が残るなんて、私の記憶の中にはありません。小柄沢緑地の風情も1ヶ月前とあまり変わっていませんが、藤棚の下で中学生がおしゃべりに興じていたり、年配の方が陽光の中で読書をしていたりと、ずいぶんと賑やかになりました。さて、どこが春めいたのかなと探ってみると、真っ白なユキヤナギが満開です。その下にはハナニラが、淡く紫がかった6枚の白い花びらを広げていました。水際のセリは食べ頃です。オランダガラシ(別名クレソン)、タネツケバナ、イヌガラシも競って岸辺を占領しています。緑地を仕切るツツジの下には、カラスノエンドウとスズメノエンドウが争っています。相変わらずカラスノエンドウの花の根元には黒いアブラムシが大発生ですが、テントウムシの幼虫はまだのようです。近くにヒメオドリコソウが群落で咲いていました。オランダミミナグサも花をつけています。目を凝らすとちょこちょこ小さなヒメウズが花を咲かせています。小さいながらもキンポウゲの仲間ですから毒草です。花の形もそっくりです。
 ハシボソガラスが上空を横切った途端、藪の中からスズメに混じってやや大型の野鳥が飛び出しました。ツグミです。すでに北国へ帰っていてもいい頃ですが、渡りの途中で迷子になったのでしょうか、1羽で飛び去っていきました。水辺にはキジバトが2羽(間違いなくつがいです)仲むつまじく水を飲んでいます。相変わらずメジロがうるさく騒いでいます。きっと「サクラさん、早く咲いてよ」と訴えているに違いありません。
 写真を撮り終えてほっと一息、やっぱりきれいな水の流れがある公園はすがすがしさが半端ありません。やっと春めいてきたなと実感もできました。明日から清明、清らかな心持ちで仕事に励もう。そう、私の仕事は・・・自然の楽しさを学校教育の中にたくさん持ち込むこと。今年度もわくわくしています。仕事が楽しいなんて、こんな感覚は久しぶりです。さて、帰って教材研究でもやろうっと。と駐車場へ歩みを進めると、目に飛び込んだのは、どなたかの庭に咲くそれはそれは見事なユキヤナギ。自転車置き場の横です。きっと、皆さんに見ていただけるようにと、ひと手間もふた手間もかけているんだろうなあと、家主の方の気遣いが伝わってきました。花穂が春風に少し揺れています。  
    雪柳 揺れる花穂に 見送られたる   文責:学びの森指導員 小泉隆嗣
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