本日4時間目に行われた2学期終業式では、下記の表彰もしました。
【心の東京革命 中学生の主張 都大会】会長特別賞=稲村くん(3年)
おめでとうございます!
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今日は2学期の終業式ですが、12月25日ということでクリスマスと関連のある話をさせてください。 いつもより少し長くなるので、その場に座って聞いてください。
今から皆さんに、ある曲を聴いてもらおうと思います。 その曲のタイトルは『 Do They Know It’s Christmas ? 』(ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?)「彼らは、今日がクリスマスだということを知っているのだろうか?」という意味です。
この曲は1984年、約100万人が飢饉で死亡したアフリカ・エチオピアを救済するためのチャリティーソングとして作られ、ポール・マッカートニーなどヨーロッパのトップミュージシャンによって歌われました。
余談ですが翌年、この曲の影響を受けたマイケル・ジャクソンなどアメリカのミュージシャンたちが、やはりアフリカの食糧難を救済するために歌ったのが、有名な『 We Are The World 』(ウイ アー ザ ワールド)です。
さらに今から3年前には、イギリスのロックグループのワンダイレクションが、他のグループと一緒にこの『 Do They Know It’s Christmas ? 』を30年ぶりにカバーしたことが話題になりました。
その時は、当時西アフリカ諸国で感染が拡大したエボラ出血熱対策を支援するためでした。 当時、1000億円以上の支援が必要と言われ、現代の人気グループが再びアフリカのためにこの曲を歌ったのです。
では、一度、1984年の原曲『 Do They Know It’s Christmas ? 』を聴いてみてください。
♪ ♪ (歌詞カードを配り、CDを聴きました)♪ ♪
日本でも、クリスマスを祝う習慣はすっかり定着しました。 今夜は多くの人がご馳走やケーキを食べ、プレゼントを交換することでしょう。 もしかしたら、世界中が1年で一番華やぐ夜かもしれません。
しかし、その一方で、この地球上には、その日がクリスマスであることに何の意味もない人や、クリスマスなど祝っていられない人もいるのです。 そして、彼らを苦しめているのは、病気だけではありません。
中東諸国には、宗教や政治的対立から今も紛争の絶えない国があります。 そこには、きらびやかなイルミネーションのかわりに銃弾や空爆の閃光が飛び交い、死の恐怖に脅えて暮らす子供たちがいます。
また、アフリカ諸国には、気候変動により常に食糧や水が不足している国があります。 そこには、ご馳走やケーキはおろか一切れのパンが無かったばかりに、栄養失調で命を落とす子供たちがいます。
私たちが笑顔で語らい、食べ、歌い、素敵なプレゼントを手にしているとき、ひっそりと息を潜め、なんとか今日を生き延び、明日という日を無事に迎えられることだけを、星に祈っている人がいるのです。
『 Do They Know It’s Christmas ? 』(ドゥ ゼイ ノウ イッツ クリスマス?)「彼らは、今日がクリスマスだということを知っているのだろうか?」
そんな人々に対して、私たちには一体何ができるというのでしょうか。 残念ながら、今の私たちには、彼らの抱える問題を根本的に解決できるような知恵も力もありません。
ただし、街中が華やぎ、皆がワクワクするような気分に浸っているとき、頭の片隅のどこか冷めた部分で、そういう人々の悲しみ・苦しみにも思いを至らせることは、意義のあることだと思います。
その思いは、いつか自分にできるささやかな行動へとつながるかもしれません。 また、先ほど聴いてもらった曲の歌詞にも『今夜、神様に感謝しよう。 自分がそこにいないことを』とありました。
当たり前のようにクリスマスを祝えることが、実はどれだけ幸せなことなのかに気づくことも、大きな意味があります。 なぜなら、それは、身近な人への感謝の気持ちを芽生えさせてくれるからです。
明日から、冬休みです。 楽しいクリスマスやお正月を控えた今、改めて考えてみましょう。
すべての人々が、あらゆる子供たちが、心からの笑顔で「Merry Christmas(メリー・クリスマス)」そして「Happy New Year(ハッピー・ニュー・イヤー)」と言える世界にするために、自分に何ができるのかを…。
どうぞ、良い年を迎えてください。