先日、【心身の健康の増進】や【よりよく生きる喜び】をテーマに全校道徳を行い、危機的状況(大きなストレス)に対応する援助希求行動(SOSの出し方)を取り上げました。
現代社会は「ストレス社会」とも言われます。 全校道徳では教材DVDを視聴し、過度のストレスは心身に悪影響を与えるということや、それにどう対処していけばよいかなどを学びました。
皆さんも、大なり小なり人間関係や勉強の悩み、将来の不安などを抱えているでしょう。 そんなストレスの解消法を友達と考えたり、相談窓口を知ったりすることができ、大変有意義な授業になったと思います。
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ところで、ストレスといえば、間もなく関東地方も梅雨入りします。 ジメジメムシムシした天気の続く梅雨は、体調も崩しやすく、気持ちのうえでもすっきりしない日が続きます。
また【雨降って、地固まる】という諺や、【やまない雨は、ない】という激励の言葉もあるように、雨は試練や苦労の象徴として使われることが多いようです。そんな雨の降り続く梅雨は、心身ともにストレスのかかる時期と言えるかもしれません。
そこで、今日は私から、梅雨の時期を少しでも前向きに暮らせるよう、一つの言葉を紹介します。 先ほどの【雨降って、地固まる】や【やまない雨は、ない】という言葉も素敵ですが、雨に関する言葉で私が一番好きなのは、次の言葉です。
【 No Rain,No Rainbow 】(ノーレイン、ノーレインボー)
意味はわかるでしょうか。 英語であることからもわかるように、これはハワイに伝わる諺です。 よく「雨が降らなければ、虹も見られない」などと訳されます。 では、どんなことを示唆する諺なのでしょうか。
気候区分でいうと「熱帯」に属するハワイでは、スコールといって一時的に急な雨が降ることがあります。 私もそうですが、急な雨を喜ぶ人はいないでしょう。 しかし、ハワイの人はその雨を嘆きません。
雨の後に見られる美しい虹を思い、雨をやり過ごすのです。 同じ雨でも「ちぇっ」と舌打ちして眺めるのと、【 No Rain,No Rainbow 】(雨が降らなければ、虹も見られない)と思いながら眺めるのとでは、景色の見え方が大きく変わると思いませんか。
そして、その雨(Rain)を「辛いこと・悲しいこと」に、虹(Rainbow)を「幸せなこと・楽しいこと」に置き換えてみてください。 きっと景色の見え方だけでなく、心のあり方も変わってくると思います。
「辛いことや悲しいことを乗り越えれば、楽しいことや幸せが待っている」 【 No Rain,No Rainbow 】は、今自分を苛んでいる苦労や試練の、その先にある希望に目を向けなさいというメッセージなのです。
最初に言ったように、現代社会を生きる私たちは、人間関係や勉強、仕事、自分の体や健康面などさまざまなことでストレスを感じ、時にはそのストレスに心が押しつぶされそうになることもあります。
どうかそんな時は【 No Rain,No Rainbow 】と心の中で呟き、美しい虹を思い描いて雨をやり過ごしてください。やがて雨が上がれば、冷たい雨に耐えたぶん、青空にかかる虹も一段と美しく見えることでしょう。
ただし、もしその諺を思い出しても、なかなかやまない雨に耐えられなくなったときは、どうか遠慮せず私たち大人に相談してください。 私たちは雨がやむまで必ず皆さんに寄り添い、いつか一緒に美しい虹を見ることを約束します。