いよいよ明日から夏休みが始まります。　その夏休みを前に、私が校長として生徒の皆さんに話すことは、毎年どの学校でも決まっています。　それは、【三つの落とすな】です。

　２・３年生の皆さんの中には覚えている人もいるかと思いますが、今から皆さんに「夏休み中に落としてはいけない三つの事柄」についてお話しします。　ぜひそれら三つすべてを心に留めて、有意義な夏休みを過ごしてください。

　まず一つ目の【落とすな】は【学力落とすな】です。

　普段学校があるときの学習は、どうしてもその日の授業の復習や宿題、翌日の予習などが中心になります。　そこで、夏休みには、ぜひ普段できないような学習に取り組んでみましょう。

　長い夏休みは、漢字や英単語の暗記、簡単な計算問題の反復練習など、「基礎・基本の定着」を図るのに適しています。　自分の課題を克服するための具体的な学習計画を立て、確実に実行してください。　特に高校入試を控えた３年生の皆さんは、１・２年生の復習に取り組む絶好のチャンスです。

　そのうえで余裕のある人は、興味・関心のあることでの自由研究、作文や絵画など各種コンクールへの応募、少し難しい書物の読破など「発展的な内容への挑戦」にも、ぜひ取り組んでほしいと思います。

　「基礎・基本の定着」「発展的内容への挑戦」　そのいずれにせよ、長期休業だからこそできる学習に取り組み、学力を落とさないどころか、学力のさらなる向上を目指してください。

　二つ目の【落とすな】は、【品格落とすな】です。

　「品格」とは、人の内面からにじみ出るような好ましい様子や雰囲気のことです。　したがって、それはその人の行動や言葉遣い、生活習慣、身だしなみにも表れます。

　「昼夜逆転した遊び中心の生活」「夜遅くまでの外出や外泊」「髪の毛を染めるといった身だしなみの乱れ」「万引きなど法律に触れる行為」は、すべて自分の品格を落とす行為です。

　また、場所や時間をわきまえずに騒いだり、ゴミを散らかしたりするといった地域に迷惑をかける行為、さらには情報モラルに反する携帯電話やスマートフォンの使用も同様です。

　そうした行為を地域で行うと「板三中の生徒は…」といった見方をされ、結果として学校全体の品格を落とすことにもつながります。　板三中は、生徒の品格も「東京で一番」であってほしいと思います。

　三つ目の【落とすな】は、【命落とすな】です。

　夏休みは、旅行やレジャーに出かける人もいるかと思います。　その際には、水の事故や登山での遭難、落雷、台風など、自然を甘く見たことによって命を落とすことのないよう、細心の注意を払ってください。

　また、運動中の熱中症にはくれぐれも注意し、暑い中での運動は水分・塩分補給を心がけましょう。　体調のすぐれないときは無理をせず、早めに休息をとったり部活を休んだりすることも大切です。

　交通事故にも、気をつけてください。　特に、二人乗りやスピードの出しすぎなどによる自転車事故は、自分が被害者となるだけでなく、加害者となって他人を傷つけることもあります。

　学力や品格も落としてはいけませんが、何より命だけは一度落としたら取り返しがつきません。　命を落とすことだけは絶対にないように、明日からの４３日間、頭と体と心、そのすべてを鍛えてください。

　では、Plase repeat after me.　私に続いて【三つの落とすな】を復唱してください。

　【学力落とすな！　品格落とすな！　命落とすな！】