上の写真は、先週「広島平和の旅」で訪れた広島平和記念公園に設置されている広島平和都市記念碑(原爆死没者慰霊碑)です。 【安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから】と刻まれています。
完全休校日3日目の本日は、『終戦記念日(終戦の日)』です。 今日8月15日で、太平洋戦争が終わり74年がたったわけですが、そもそも『終戦記念日』とは何を意味する日なのでしょうか?
日本が、アメリカやイギリスなど連合国に降伏した日? それによって、太平洋戦争が終わった日…? 74年前の今日、昭和天皇はラジオ放送により、自らの声で戦争が終結することを国民に伝えました。
いわゆる「玉音放送(ぎょくおんほうそう)」です。 この放送を聞いたことにより、日本は組織的な戦闘行為・抵抗をやめました。 したがって、その意味からすれば上記の回答はどちらも正解です。
しかし、ただそれだけの意味でこの8月15日という日をとらえるのは、私は少し解釈が浅いのではないかという気がしています。 以下、あくまで私見ですが、一つの解釈について述べます。
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単に「戦争が終わった日」であれば、それは必ずしも8月15日に限りません。 事実、歴史の教科書の中には「戦争が終わった日」を9月2日としているものもあります。
日本が正式に降伏文書に調印した日(『ポツダム宣言』という降伏を勧める文書に署名した日)が、この9月2日だからです。 むしろ国際的には、こちらを終戦記念日としている傾向があります。
ただし、わが国にとって8月15日には、9月2日にはない特別な意義があります。 その代表的なものが、1982年(昭和57)当時の政府が行った閣議決定(総理大臣など国務大臣による会議での決定)です。
その内容は「8月15日を、戦没者を追悼し平和を祈念する日とする」というものでした。 つまり、この日を「戦争で亡くなられた方々をしのぶとともに、戦争の悲惨さを忘れず平和を祈念する日」としたのです。
このように8月15日は、わが国にとっては単に「戦争が終わった日」ではないのです。 過去の戦争を振り返るだけでなく、未来の平和を見据える日でもあるのです。
私も含め戦争体験のない多くの現代人にも、反戦と平和への強い意志はあります。 ただし、実体験がないぶん、日々の暮らしの中でそうした意志を埋没させてしまいがちなことは否めません。
だからこそ、意識して「戦争の忌まわしい記憶をよみがえらせ、それを後世に伝えるとともに、二度と過ちを繰り返さない覚悟を新たにし、永遠の平和を誓う日」を設ける必要があるのだと思います。
私は、その日が「8月15日」だと思っています。
校長 武田幸雄