本日の朝礼では、下記の表彰も行いました。 おめでとうございます!
【卓球部】板橋区中学校新人大会 女子団体=第3位 男子団体=第4位
女子ダブルス第1位=坂本&大島ペア 同第2位=山内&安彦ペア
男子ダブルス第3位=浅井&西平ペア
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文化庁では毎年『国語に関する世論調査』を行っています。 そして、その調査項目には、言葉の間違った使い方、いわゆる「言葉の誤用」を調べる設問もあります。
さる10月に発表された今年の調査結果では【憮然(ぶぜん)】や【御の字(おんのじ)】といった言葉の誤用が多いと報告されていました。
一方、過去にこの調査で誤用の多さを指摘されたことをきっかけに、正しい使い方が普及してきている言葉もあります。
【情けは人のためならず】
平成13年に行われた調査では、この慣用句の意味を「人に親切にすることは、かえってその人のためにならない」と間違って解釈している人が、約半数に達していました。
しかし、以来20年近く、誤用の代表格のように引き合いに出されてきた反作用で、ここにきて少しずつ本来の意味、つまり「人に親切にすると、それは巡り巡って結局は自分のためになる」という正しい意味が浸透してきたようです。
さて、先日、ラグビーW杯が閉幕しました。 アジアで初めて行われたこの大会を、主催団体の会長が「最も偉大なW杯として記憶に残る」と絶賛したのをはじめ、海外メディアもこぞって「無条件に大成功」「今後の大会の手本になる」といった賞賛の言葉で報じていました。
そして、その要因の一つとして共に挙げていたのが、ボランティアの存在です。
私がそれを実感したのは、優勝した南アフリカがウェールズと対戦した準決勝を見に行ったときのことです。私は、新横浜駅から日産スタジアムの中に至るまで、実に大勢のボランティアがいることに驚きました。彼らは皆、道案内や通訳、ゴミ袋の配布など様々な活動を、満面の笑みで行っていました。
朝からこんな話で恐縮ですが、トイレ待ちの行列というと、高速道路渋滞時のサービスエリアなど、女性用を連想するのではないでしょうか。
しかし、W杯のようなラグビーの国際試合では、男性トイレに大渋滞の行列ができます。 理由は単純で、ラグビーには「ビールを飲みながら観戦する」という文化?があり、多くの男性が大量のビールを飲みながら応援しているからです。
その日も、男性トイレは大行列。そして、なんとそのトイレでも、ボランティアの方が活動していたのです。私は、「トイレ最後尾」という看板を持って行列整理をしていたその方に、思わずお礼の言葉をかけました。
「こんな所で試合も見ずに頑張っていただき、有り難うございます」
するとその方は、やはり笑顔でこう答えてくれました。
「たとえ試合は見られなくても、ラグビーを楽しんでいる人の顔を見ると、自分も楽しくなれるんですよ」
【情けは人のためならず】
先ほど確認したとおり「人に親切にすると、それは巡り巡って結局は自分のためになる」というのが、本来の意味です。 しかし、私は「巡り巡って」などというタイムラグ(時間のずれ)を必要としない使い方が、あっても良いのではないかと思います。
自分のとった行動で、誰かが楽しんでくれた、喜んでくれた、笑顔になってくれた…。その様子を見た、あるいは想像したことで、自分もまた楽しく、嬉しく、幸せな気持ちになれた…。
そうした意味で使う【情けは人のためならず】は、厳密に言えば誤用かもしれません。 しかし、私はそれを「素敵な誤用」だと思います。
もっと言ってしまえば、そんな「素敵な誤用」が学校生活の至る所で見られるようになったら、板三中はまた一歩「東京で一番」に近づくのではないかと思うのです。
あなたの笑顔を見ると、私まで笑顔になれる。だから私は、あなたを笑顔にしてあげたい…。 一人でも多くの板三中生が、そんな「あなたと私」の関係を築いてくれるよう願っています。