本日の朝礼では、下記の表彰も行いました。 おめでとうございます!
【英検】2級=近藤さん 他20名が各級に合格
【数検】準2級=岡野さん 他15名が各級に合格
(本日発行の『校長通信』に掲載してあるのは、前回実施の検定分です)
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空気が澄みわたり、夜空に浮かぶ月も、一段と明るく見える季節となりました。
さて、月といえば、今年はアメリカの宇宙船・アポロ11号が月に着陸し、人類が初めて月面を歩いてから50年目の節目の年でした。そこで、今日はそのアポロについてお話ししたいと思います。 といっても、肝心のアポロ11号ではなく、13号についてです。
今から50年前の1969年、月面着陸に成功したアポロ11号、12号に続き、翌年アポロ13号が月に向かって発射されました。しかし、地球からの距離約32万km(月まで約6万km)に達したとき、宇宙船で予期せぬ爆発事故が発生します。
そして、その事故によって13号のミッションは、月面着陸ではなく地球への帰還に変更されました。 ただし、機体の損傷はもちろん酸素不足、燃料不足、水不足など想定外の事態が次から次へと発生し、新たなミッションは月面着陸以上に困難なものとなってしまうのです。
時間の関係上結果だけ伝えますが、アポロ13号は奇跡の生還を遂げます。そのため本来のミッションをクリアできなかったにもかかわらず、3名の乗組員が誰一人欠けることなく地球に戻ってきた生還劇は、約半世紀たった今なお Successful failure(成功した失敗)と称えられています。
その生還劇の詳しい経緯は、1995年に公開されヒットした『Apollo 13(アポロ・サーティーン)』という映画に描かれています。 映画を見ればわかりますが、乗組員が地球に戻ってこられたのは、何より彼ら自身に優れた知力・体力、そして、不屈の精神力があったからです。
ただし、これも映画を見ればわかりますが、奇跡を生み出すには、もう一つの欠かせない要因がありました。 それが、地球からサポートし続けたスタッフ、つまり、ヒューストン管制センター管制官たちの存在です。
私は、映画の中でその管制官の一人が言ったあるセリフが、とても印象に残っています。
想定外の問題の解決には、想定外の方法を用いなければなりません。前例踏襲によらない大胆な発想が、新しい価値を生み出すきっかけになることもあります。私の印象に残っているのは、それをためらうスタッフに、主任管制官が言った言葉です。
その主任管制官はジーン・クランツという実在の人物で、彼の残した教訓は、今でも『ジーン・クランツの10か条』として、NASA(アメリカ宇宙航空局)で現役の宇宙飛行士や管制官たちの教科書代わりになっているそうです。ジーン・クランツは、想定外の方法をためらうスタッフにこう言いました。
「何を想定したかは、どうでもいい。 何をできるかだ」
これから皆さんが生きていく時代は、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット化)の活用により、社会のありようが大きく変革します。 そして、大きな変革は、時に想定外の事態、いわゆる「不測の事態」をもたらします。
予測できなかった現実に直面したとき、既成概念にとらわれている人は思考停止に陥ります。 そして、思考が停止した人は、ひたすら「できない理由」を挙げ連ね、問題を先送りしようとします。 だからこそ、変革の時代を生きる皆さんには、ジーン・クランツの言葉を覚えておいてほしいのです。
「何を想定したかは、どうでもいい。 何をできるかだ」
令和という新たな時代を迎え、板三中も教育目標の改定や、板一小・板八小・中根橋小と9年間をつなぐ小中一貫教育の推進、学力向上を目的とした「読み解く力(リーディング・スキル)」の育成など、新しい価値を生み出そうとしています。
それらに対し「過去に前例がない」「うまくいく保証がない」と後ろを向いて思考停止するのではなく「新しい価値を生み出すために何ができるか」を考え、前向きに取んでいきましょう。