本日3時間目に行われた終業式では、国語科で応募した「全国中学生・高校生『なりたい大人』作文コンクール」の主催団体からいただいた感謝状も披露・紹介されました。
台紙は、屋久杉のチップから作られた和紙なので、ほのかに「千年の香り」が漂っています。 終業式後には、体育館出口付近で先生の持たれている感謝状に鼻を近づけて、その香りを楽しむ生徒も大勢いました。
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板三中に来て過去2年間、2学期の終業式では生徒の皆さんにクリスマスに関する曲を聴いてもらってきました。 今年はクリスマスとは関係ありませんが、やはり音楽を通して共に考えてもらいたいことがあります。
今年聴いてもらいたいのは、ジョン・レノンの『Imagine(イマジン)』という曲です。昨年は、やはりジョン・レノンの『 Happy Xmas(戦争は終わった)』という曲を聴いてもらいましたが、今回の『 Imagine 』は3年生の英語の教科書にも載っているので、もしかしたら知っている人もいるかもしれません。
曲名の『 Imagine 』には「想像する」という意味があります。 国境のない世界、争いごとのない世界を想像することで世界を変えようと訴えた曲で、今なお反戦・平和を象徴する曲として、多くの国で多くの人々に歌い継がれています。
では、歌詞カードを見ながら聴いてみましょう。
♪ ♪ ♪(歌詞カードを配付して、曲を聴きました)♪ ♪ ♪
この曲は、1971年に発売された時とは別に、世界的に注目されリバイバル・ヒットしたときが2回あります。1回は1980年12月8日、ジョン・レノンが熱狂的なファンから拳銃で撃たれ、暗殺という不幸な形で亡くなった時、もう1回は2001年、9.11アメリカ同時多発テロの直後です。
罪なき人が理不尽に命を奪われたとき、人は改めてこの曲のもつメッセージ…つまり、多くの人間が平和を想像し願うことで、争いのない世界を実現したいという思いに駆られるのかもしれません。
さて、以前朝礼で「SNS上のトラブル」について取り上げました。その際「そうしたトラブルは、実はほんの少しの想像力があれば防げる」といった話をしたのを覚えているでしょうか。
間もなく2019年が幕を閉じるにあたり、この1年間を振り返ってみてください。 自分の中に、人の心の痛みを感じ取る想像力はありましたか? 自分の言動が周囲に与える影響を想像しながら、集団生活を送ることができましたか?
その行為をやったら、相手がどう思うか? その言葉を投げかけたら、相手がどんな気持ちになるか? そんな簡単な想像力を働かせるだけで防げたトラブル、防げたいじめ、防げたケンカが、あったのではないでしょうか?
また、地域や家庭での過ごし方について、これもわずかな想像力を働かせることができなかったために、地域の方々に迷惑をかけたり、ご家族や先生方を心配させたりするようなことは、ありませんでしたか?
今、改めて皆さんに呼びかけます。
『 Imagine 』 どうか想像してください。 一人ひとりがほんのささやかな想像力をもつだけで、傷ついたり悲しい思いをしたりする人は、確実に減らせるのです。
『 Imagine 』 そして、きたる2020年に向け、想像してください。 自分だけでなく、そこに通う誰もが『東京で一番』と思えるような学校とは、どのような学校なのでしょうか?
『 Imagine 』 最後に、想像することの大切さ、想像力のもつ可能性を表したある言葉を紹介して私の話を終わります。 その言葉は『海底2万里』などのSF小説で知られるフランスの小説家、ジュール・ヴェルヌという人の言葉です。
【人が想像できることは、必ず人が実現できる】
まもなくやってくる新しい年が、想像力によって過ちを未然に防ぎ、想像力によって人を喜ばせ、想像力によって集団の質を高められる年であってくれるよう願います。