2学期の始業式も、コロナ感染予防の観点から集会形式ではなく、各教室と校長室とをウェブ会議システムでつなぎ、リモート中継する形で行いました。
私の話の他、生活指導主任の先生から「ウイズ・コロナの学校生活様式の確認」「自分の良心に従って行動することの大切さ」等についてお話がありました。また、校歌も流し、心の中で歌いました。
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例年より短かった夏休みが終わり、そのぶん例年より長い2学期が始まりました。そして、言うまでもなくその長い2学期もウイズ(WITH)・コロナの新しい生活様式、つまり、コロナウイルスとの共存を前提とした生活を続けることになります。
手洗いや消毒、換気の徹底、他者とのソーシャル・ディスタンス、適切なマスクの着用など、1学期と同様のコロナ感染予防策は、これからもずっと続ける必要があります。また、むやみに大声をあげたり、友達と絡み合ったりする悪ふざけも、厳に慎まなければなりません。
一方で、そうした新しい学校生活様式は、新型コロナウイルスだけでなく、風邪やインフルエンザなどの感染症予防にもつながります。また、学校の落ち着いた雰囲気づくりに役立つというメリットも、あるでしょう。
そう考えると、ウイズ・コロナの暮らしの中にも、肯定的に捉えられることはある … という言い方が言い過ぎなら、少なくとも全否定することばかりでもないと、私は思うのです。
個人的な話をさせてください。
私は高校時代から約40年にわたり、サザンオールスターズというロックグループのファンです。しかし、これまでライブチケットは抽選で外れてばかりでした。
ところが、この6月、ファンや医療関係者への感謝の思いを込めた無観客ライブを行うことになり、そのチケットは無抽選で購入することができたのです。配信ライブだったとはいえ、40年来の夢が叶った瞬間でした。
また、私は趣味でたくさんの熱帯魚を飼っています。コロナ禍によって休日の外出を控えるようになり、そのぶん今まで以上に水槽のメンテナンスを行うようになりました。
すると、驚いたことに、自然繁殖が難しいとされている熱帯ナマズが頻繁に卵を産むようになり、稚魚がたくさん殖えたのです。
同じように、コロナ以前の休日は、近所に住む3歳の孫をいろいろな所に連れて行っていました。それができなくなったため、余った時間で自転車の練習をするようになったところ、この3ヶ月で一気に乗れるようになりました。身内のことながら、子どもの成長の早さに改めて気づかされました。
以上の3つとも、私にとってはウイズ・コロナだからこそ得られた喜びであり、気づきでありました。そして、そのささやかな喜びや気づきは、私にコロナ終息後の夢を芽生えさせました。
コロナが終息したら、今度は横浜アリーナにサザンオールスターズのライブを見に行きたい。熱帯魚の水槽をさらに増やして、もっと多くの魚を繁殖させたい。孫が小学生になったら、少し遠い所まで2人でツーリングしてみたい…。
この夏休み中も「自粛」が1つのキーワードでした。旅行を自粛、帰省を自粛、会食を自粛、さらに本校では職場体験を自粛、部活動の対外試合を自粛というのもありました。今後もウイズ・コロナの生活では、様々な自粛が求められるでしょう。
ただ、皆さん。「自分の夢」まで自粛する必要はないのですよ。
それどころか、私はこう考えています。「ウイズ・コロナの生活で自粛・我慢を重ねたぶん、コロナが終息したら夢を叶え、喜び、楽しみを倍にして味わってやる。いつかコロナに、倍返しだ!」
自粛や我慢が続く日常の中でさえ、ささやかな喜びや気づきはあるはずです。そして、それらは「夢の芽」になり得ます。その芽を大切に育み、いつかコロナが終息したら大きな花を咲かせようではありませんか。
引き続き2学期も、皆さんには不自由な学校生活を強いることになり、申し訳なく思います。しかし、そんな中にあっても皆さんが、一つでも多くの「夢の芽」を見つけてくれるよう願っています。