最新更新日:2016/03/31
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3月31日で学文路中学校が閉校となりました。長い間ありがとうございました。

図書だより 第14号

先週発行したものです。できるだけ月刊に、出来れば隔週、来月は週刊発行を目指します。

図書だより第14号
橋本市図書館教育研究会という会が今年発足し、関連した簡単なHPを作ってみました。そこに年間指導計画を載せているのですが、十一月は古典に親しむをテーマに、橋本市内の中学校の図書室にある本を紹介しています。一度のぞいてみてください。学文路中学校のHPにリンクしてあります。

今回のテーマ
古典作品を紹介してみます。 

『平家物語』
 祇園精舎の鐘の声・・・暗誦しましたね。教科書には「那須野与一 扇の的」が出ています。声に出して読むとリズムの良さが分かります。内容的にはこの扇の的の後の話が面白い。この扇の的を見事に射抜いた那須野与一の腕に感動して平家方の人物が舞を踊ります。この風流が分からない源氏方から与一に男を射ぬけと命令が出ます。与一は又弓を取りこの男を射ぬきます。そこで平家と源氏が入り乱れての乱戦に。その戦のさなか、義経が弓を海に落としてしまい必死で拾います。部下に、『どれだけ価値がある弓かは分かりませんが、命には代えられないので捨て置くように』と言われてるのに。義経は拾ってから『めっちゃ小さい弓を義経が使ってるってばれたらかっこ悪いやん』と部下に説明します。みんなは感動しましたって感動せんやろ、普通は。武士としての名誉を重んじる時代ならではなんでしょうね。ちゃんと最初から最後まで読むと面白いはシーンがテンコ盛りです。ぜひ、読んでください。
『枕草子』
 春はあけぼの 夏は夜 秋は夕暮れ 冬はつとめて。
近うて遠きもの 宮の前の祭り 思わぬ同胞 親族のなか 鞍馬のつづらおりという道 十二月のつごもりの日 正月の一日の日のほど。 遠くて近きもの 極樂 舟の道 男女の仲。なになにといえば、的な話が多い。山と言えば、川と言えば、○○だ、みたいな話。遠いようで近いものの筆頭が極楽。考えさせられます。社会科教師として、清少納言は、清(せい)、少納言(少納言)と読んでください。清原元輔の娘。清原さんだから清(せい)、少納言は親族の役職名。ただ当時清少納言の親族に少納言はいなかったらしい。謎です。 
『徒然草』
 つれづれなるままに、で始まる随筆集。有名な話以外にも面白い話があります。大根の恩返しの話。変わった話です。
第68段 闘う大根
その昔、筑紫の国に何某の押領使という役職の者がいた。この者は大根をこの上なく好み、優れた万能薬と信じて長年にわたり毎朝二本ずつ焼いて食べていた。そんなある日、押領使の館を人の少ない時間を見計らって賊が攻め込むいう事件があった。ところがこの時、二人の武士がどこからともなく現れ、命を惜しむことなく戦い、見事に賊を追い返してみせたのだった。押領使はこれを不思議に思い「このように私のために戦ってくれたお二人は、日頃ここに訪れる顔ではない。一体どういったお方なのだろうか」と尋ねたところ「あなた様に長い間信頼され、毎朝必ず食べていただいておりました大根でございます」と言い残し消えてしまったという。
深い信心を持っていると、このような恩恵に授かることもあるらしい。

『南総里見八犬伝』
 南総里見家の勃興と伏姫・八房の因縁を説く発端部(伏姫物語)、関八州各地に生まれた八犬士たちの流転と集結の物語(犬士列伝)、里見家に仕えた八犬士が関東管領・滸我(こが。史実世界の古河)公方連合軍との戦争(関東大戦、対管領戦)を戦い大団円へ向かう部分に大きく分けられる。この八犬士が持つのが八つの玉。『仁義礼智忠信孝悌』と書かれている。もともとは仙翁(行者の翁)から伏姫に譲られた水晶の数珠。108つの玉の内の8つの大玉で、八房(犬)が伏姫を恋い慕うようになってからは「如是畜生発菩提心」の8文字がひとつずつ浮かぶようになった。伏姫の自害に伴って数珠が飛散する際に『仁義礼智忠信孝悌』となる。この話を授業中すると、ドラゴンボールのようだと。もともと中国の水滸伝では108全部飛び散るのだが、108人が集まるのは大変なので8人に減らしたようである。マンガもあるのでまずはそこから。

『東海道中膝栗毛』
『栗毛』は栗色の馬。『膝栗毛』とは、自分の膝を馬の代わりに使う徒歩旅行の意味。江戸神田八丁堀の住人栃面屋弥次郎兵衛(とちめんや やじろべえ)と、居候の喜多八(きたはち)が、厄落としにお伊勢参りを思い立ち、東海道を江戸から伊勢神宮へ、さらに京都、大坂へとめぐる。道中の二人は、狂歌・洒落・冗談をかわし合い、いたずらを働き失敗を繰り返し、行く先々で騒ぎを起こす。江戸時代では一生に一度するかしないかの旅行のためのガイドブック的な本で、続編も出てシリーズ化され、弥次さん喜多さんは金比羅、宮嶋、木曾、善光寺、草津温泉、中山道などを膝栗毛した。江戸時代の風俗やしゃれなどもよくわかる本である。

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