まつのやまブログ

これからもまつのやま学園の子どもたちを応援し続けます

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昨日25日、離任式が行われました。この度の異動で6名の職員が転退職いたします。在職した期間はそれぞれですが、誰もがまつのやま学園に勤務できたことに感謝しております。お陰様で、保護者や地域の皆様のご理解とご協力をいただき小中一貫校らしい特色ある教育活動に取り組むことができました。また、松之山の地を離れてもふるさとの子どもたちのためにとご寄付くださる方々が大勢いらっしゃいます。学園を支えてくださる全ての皆様に心より御礼申し上げます。このように多大なるご支援をいただいている学園は、多くの方から愛されているすばらしい学校だということが分かります。

子どもたちの人数は確かに多くはありませんが、その分子ども同士の繋がり、指導者との繋がり、地域の方との繋がりがより密接なものとなります。子どもたちはそうした人と人との結びつきの深い環境の中で学びを深め、成長することができています。これからも子どもたちのために、変わらぬお力添えをいただけるとありがたいです。我々は松之山の地を離れますが、学園の益々の発展を願うとともに、子どもたちの活躍の知らせが届くことを楽しみにしています。大変お世話になりました。ありがとうございました。

シンプルな目で 真実を見極めよう

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本日、修了式が行われました。その際に私が読んだ式辞の基となった文を一部紹介させてください。

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私の最近観た映画を紹介します。イタリアの映画で、それほどメジャーな作品ではないのですが、テレビ番組で紹介されたのでぜひ観たいと思っていました。原作の本も翻訳されおり、情報館で借りて読みました。幸運なことに上越にある小さな映画館で上映していることが分かり、さっそく行ってきました。タイトルは「弟は僕のヒーロー」です。

皆さんは「ダウン症」という障害を知っていますか。皆さんの体の中にある細胞の21番染色体が2本ではなく3本あることに起因する体質です。イギリスのダウン医師がこの障害について発表したことでその名がつけられました。この映画の主人公に弟が生まれたのですが、その弟がダウン症でした。はじめは喜んでいた主人公も成長するにつれ障害のある弟を素直に受け入れられなくなっていきます。高校生になった主人公は障害をもつ弟を友達や好きな女の子に知られたくなくて、弟は死んだと嘘をついてしまいます。この嘘が、その後に大きな混乱を引き起こすことになりました。

映画は実話の原作とは内容がかなり異なっていましたが、とても考えさせられる作品でした。そして何より「愛情」あふれる作品になっていました。兄弟の愛、親子の愛、男女の愛、そして友達の愛。私たちの周りがたくさんの愛で満たされていれば、どんな障害があってもこの世の中で楽しく幸せに生きていけると思わせてくれます。

実際の主人公(原作者)が弟と撮影した映像をネットにあげたところ、世界中から注目され、予想をはるかに上回る高い評価を得ました。「ザ・シンプル・インタビュー」という5分ほどの作品です。弟が会社の面接を受けるという設定のユニークな内容となっています。今でもその映像を見ることができます(mimosafilms.com/hero/)。

映像の最後には以下のメッセージが流れます。

Inside all the people there is a unique world.
(一人ひとりの内側に かけがえのない世界がある)
Don’t look at the others only with your eyes.
(自分の視点だけで 他人を判断しないで)
Be authentic, Be spontaneous.
(ありのままに 素直に)
Make it simple, Make it true.
(シンプルな目で 真実を見極めよう)

3月21日は「世界ダウン症の日(World Down Syndrome Day)」です。

(「弟は僕のヒーロー」 著者:ジャコモ・マッツァリオール 訳:関口英子 小学館 2017)

子どもたちの秘めた才能

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休憩時間になると、私の部屋(学園長室)には小学部の子どもたちが勇んでやってきます。その多くはルービックキューブを楽しむためです。いろいろな種類のルービックキューブや形を変えて楽しむ立体パズルが私の部屋には多数用意してあります。子どもたちは6面を揃える方法が印刷されたものを見ながら、6面を揃えようとがんばります。何度も何度も揃えようとするうちに揃え方を暗記して、揃えることができるようになるのです。6面を揃えた子は記念の写真を撮り、揃えるたびにシールを1つずつその写真に貼っていきます。私の部屋には、子どもたちのそうした写真がたくさん飾られています。

1月29日(月)の全校朝会で、何人かにその腕前を披露してもらいました。スポーツの大会や作品の展覧会で入賞することはもちろん素晴らしいことですが、自分で興味をもったものに時間をかけて取り組んでできるようになったことは、表彰こそされませんが、それと同じように素晴らしいことだと私は思います。そうした私以外、普段は見ることのない子どもたちの姿を皆さんに知ってほしかったのです。

時間を計ってそれぞれが完成を目指しました。みんなの前ですることで少なからず緊張したようですが、それでも5年生のSさんは、1分10秒ほどで6面を完成させました。ルービックキューブを回す見事な指さばきに感嘆の声が聞こえてきました。Sさんが私の部屋に来るようになったのは半年ほど前からです。子どもたちの才能って素晴らしいですね。残念ながら、私が6面を揃えるためにはその倍以上の時間がかかります。

ある本に載っていた言葉を紹介します。
「人は誰しも天才である。ただし、木に登る能力で魚を評価すると、魚は一生、自分はバカだと思いこんで生きていくことになる。」 アルベルト・アインシュタイン

魚には木に登る才能はなくても、水の中を自由に動き回る素晴らしい才能があります。成長過程の子どもたちがどんな才能を秘めているかは誰にも分かりません。今現れている一面だけの評価を全てと思い込むことはもったいないことです。子どもたちの秘めた才能を上手に引き出してあげることが周囲の大人の務めではないかと考えます。

「兆」という字は「逃」げるにも、「挑」むにも変化します。朝会の最後に、子どもたちにはいろいろなことから「逃げる」よりぜひ「挑戦」する人になってほしいと伝えました。その方が、自分の才能に気が付き、それを生かして人生をより豊かなものにしていけるのではないでしょうか。どうです、子どもたち。ルービックキューブは面白かったですか?

佐藤様、ありがとうございました

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クリスマスが近づいてくると、まつのやま学園にはすてきなお菓子のプレゼントが届きます。子どもたちだけでなく職員の分まで。これは群馬にお住いの「佐藤 斉(ひとし)」様がご厚意で毎年送ってくださっていたものです。昨年も2学期の終業式の日に子どもたちに佐藤様からいただいたお菓子を渡しました。もちろん大喜びの子どもたちです。

その佐藤様のご訃報が今週学園に届きました。1月27日(土)がご葬儀でした。学園からはこれまでのお礼の気持ちを込めて式場に生花を飾らせていただきました。

佐藤様からいただくお菓子のプレゼントを子どもたちは本当に喜んでいました。佐藤様に直接お会いしなくても、子どもたちを喜ばせたいという佐藤様の思いは子どもたち全員に通じていました。また、職員の分までお菓子を用意してくださることで、職員の労をねぎらうとともに、子どもの頃の気持ちを忘れずに、松之山の子どもたちをこれからも指導していってほしいという職員への佐藤様の別の思いを併せて感じていました。

遠く離れても学園の子どもたちのことを思ってくださった佐藤様の思いに、これからも応えていけるようにがんばりたいと思います。クリスマスが来るたびに、子どもたちは佐藤様を思い出すことでしょう。「群馬のサンタクロースさん」、今まで本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします。

被災された方にお見舞い申し上げます

元旦に発生した石川県能登地方を震源とする強い地震のために被災された方にお見舞い申し上げます。いまだに倒壊した家屋に家族が閉じ込められている方がいます。一刻も早い救出を願わずにはいられません。どうかご無事でありますように。
十日町市でも震度5弱の揺れを観測しています。今のところ、学園には子どもたちのけがや住宅の被害の連絡はありません。しかし、現在も余震が続いており、今後大きな地震が起こる可能性もあります。引き続き十分に気をつけてお過ごしください。また、地震が起こった時の対応を、この機会にお子さんとよく確認するようにしてください。
もし、お子さんが以前より地震を怖がったり、ちょっとしたことに過敏になっているような様子がうかがえましたら、学園にご連絡ください。

大谷選手からの手紙

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学園に大谷選手から寄付のあった3つのグルーブが届きました。新学期になったら子どもたちがこぞって使いたがることでしょう。グローブと一緒に大谷選手からの手紙もいただいていますので紹介します。なお、文面では所属がエンジェルスになっていますが、トレードでドジャースへ移籍しています。

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学校関係者各位

貴校ますますご清栄の事とお慶び申し上げます。

ロサンジェルス・エンゼルス・オブ・アナハイムのメジャーリーガー、大谷翔平です。

この手紙は、このたび私が学校に通う子供たちが野球に興味を持ってもらうために立ち上げたプログラムを紹介するためのものです。

この3つの野球グルーブは学校への寄付となります。
それ以上に私はこのグローブが、私たちの次の世代に夢を与え、勇気づけるためのシンボルとなることを望んでいます。それは、野球こそが、私が充実した人生を送る機会を与えてくれたスポーツだからです。

このグローブを学校でお互いに共有し、野球を楽しんでもらうために、私からのこの個人的なメッセージを学校の生徒たちに伝えていただければ幸いです。

この機会に、グローブの寄贈をさせていただけることに感謝いたします。
貴校の益々のご発展をお祈り申し上げます。

野球しようぜ。

大谷翔平

子どもたちへの手紙

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学園の子どもたち宛に書いた手紙です。(長文にて失礼します)

親愛なるまつのやま学園の皆さんへ

まもなく令和5年が終わろうとしています。皆さんにとって今年1年はどんな年だったでしょうか。ワールドベースボールクラシックでの侍ジャパンの活躍に日本中が興奮したのは3月のことでした。あれから皆さんは新年度を迎え、運動会など様々な行事に取り組みました。記録的な暑さの夏を乗り越え、秋の学園フェスタでは素晴らしい発表をしました。

皆さんが何事にも真剣に取り組んでくれる姿を見て、保護者や地域の方がとても喜んでくださいました。皆さんのアイディアやパワーには時に感心させられます。皆さんの様々な取組や勉強する様子を、学園のホームページのブログにアップすることが私の仕事の一つです。毎日の閲覧数が500回を超えるほどたくさんの方が見てくださっています。まつのやま学園のよさや面白さを伝えることができるのも、皆さんが日々がんばってくれているおかげです。

皆さんががんばってくれていることももちろん嬉しいのですが、私の気付いた皆さんの素晴らしさを一つ紹介させてください。私が以前の全校朝会でトイレの使い方について話をしたことを覚えていますか? あの話をした後、便座の温度が勝手に変わっていることがほとんどなくなりました。また、トイレットペーパーの芯と一緒に包装紙を私の所に持ってきてくれる人が増えました。そして、ある朝のことです。トイレットペーパーの芯と一緒に包装紙がきれいに伸ばされて二つにたたんだ状態でトイレのごみ箱の中に入っていました。いつもならクシャクシャに丸められていたのに。毎日、紙を回収している私のことを気遣ってくれたのではないかと思ったらとても幸せな気持ちになりました。自分の思いが通じたようでとても嬉しかったです。

皆さんは、自分の考えで行動を変えることができるのです。もし、私のした話で変わろうと思ってくれたのなら、こんなに嬉しいことはありません。残念ながら人の思いはなかなか変えられないものです。10人いれば10通りの思いや考え方があって当然です。それでも、私の伝えたかったことをきちんと受け止めてくれる人が少しでもいてくれたということが、私の励みになるのです。

皆さんには自分で判断して行動することができる素晴らしさがあります。これから冬休みを迎えます。自分のことだけでなく、ぜひ身近な人のことも考えてください。こんなことを自分がしたら相手が喜んでくれるのではないかなと。きっと私と同じように喜びを感じてくれる人がいるはずです。そうした気持ちが広がれば、みんなが幸せになれるのではないでしょうか。あなたの周囲にいる人にとって、あなたは大リーグで活躍する大谷翔平選手以上の力があることを忘れないでください。

痛ましい戦争のニュースが毎日報道され、いたたまれない気持ちになりますが、私は人の優しさや可能性を信じたいと思います。いつの日か、誰もが争わなくていい世界が実現するように願っています。そのために、私は世界中の人たちと資源やエネルギーを分かち合いたいと考えています。たとえトイレットペーパーの芯1個でも、包装紙1枚でも無駄にしたくないのです。ささやかですが、私は今、私ができることに取り組んでいます。節電している学園長室は暗くて寒いかもしれませんが、私は決して寂しい思いをしていません。逆に、休み時間に遊びに来てくれる人たちのおかげで楽しいくらいです。

皆さんが暮らすこの世界が、資源も心も豊かな状態で少しでも長くあり続けることを願っています。メリークリスマス&ハッピーニューイヤー

令和5年12月22日
    まつのやま学園  学園長  高橋 雅彦

こども野鳥の会に参加して

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4月から毎月1回行われてきた「こども野鳥の会」。先週土曜日をもって今年の活動を終えました。朝8時からの活動にはまつのやま学園以外の学校からも何人かご家族の参加がありました。

私は鳥には全くうとく、毎回参加しておきながら少しも鳥に詳しくならずに申し訳ありません。ちょっと見たり、鳴き声を聞いたりしただけで、鳥の種類が分かる指導者の方はすごいと思います。私は毎回ついていくだけ。鳥の観察より、手持ちぶさたな子どもたちの相手をすることが私の主な仕事でした。

私にはもう一つ自分で決めた仕事がありました。それは野鳥を観察しながら道路に落ちているごみを拾うことです。観察のための双眼鏡の他に毎回トングとビニール袋を持っていきました。せっかく道路を歩くのですから、少しでもきれいにしたいという思いからです。

ホップ期の遠足の際も、歩きながらごみを拾いました。ところが今年の秋の遠足の際、うっかりトングとビニール袋を持っていくのを忘れてしまいました。せっかく大松山の山頂まで歩くのにと悔やんでいたら、子どもたちが自分のビニール袋を分けてくれました。さらに嬉しいことに、ビニール袋を持って自主的にごみを拾いながら歩く子が3人もいました。落ちているごみを見つけると我先に拾おうとします。目的地に着く頃には、子どもたちの袋の中にもごみがたまっていました。

松之山の豊かな自然のおかげで、動物や鳥や虫たちが生息できます。私たち人間の出すごみでこうした生き物の生息する環境を汚したくありません。私のそんな思いを共有してくれる子どもたちに感謝します。野鳥の会に参加しておきながら、鳥のことには詳しくなりませんでしたが、松之山での活動を通してこの地の自然が大好きになりました。野鳥の会の皆様、素晴らしい機会を与えてくださりありがとうございました。できれば一人でも多くの子どもたちに参加してもらい、松之山の自然の素晴らしさを感じてほしいと思います。でも、あんまりたくさん集まるとにぎやかになって、鳥が逃げていってしまうかもしれませんね。

3匹のヤギを育てた6名の1年生

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6月から1年生が世話を続けていた3匹のヤギを、今日卒業させることができました。ヤギを提供してくださった大海組の皆様、子どもたちと一緒に世話をしてくださった保護者の皆様、本当にありがとうございました。

ヤギを飼う学校は減ってきているのに、なぜまつのやま学園ではヤギを飼うのか? 私にも明確な答えはありません。ですが、子どもたちの成長につながる何かがあるからだと思います。生き物を飼うということは、決して楽しいことばかりではありません。面倒なことも嫌なこともあります。それを感じながら共に過ごすことで、子どもたちは「命」と向き合うことになります。生き物を飼うことには必ず「責任」が付きまといます。その責任を果たすことが自分たちにできるのか。それができないのなら、飼わない方がいいのではないか。6人の1年生と担任はヤギを育てることにしました。そして、とてもよくやってくれました。見事にその責任を果たしたのです。

ヤギにエサをあげ、ヤギ小屋を掃除し、散歩に連れ出す。ヤギとのこうした関りは子どもたちの日常になり、ヤギをただの動物以上の存在にしていました。ヤギの体調を気遣う子どもたち。ある時は仲間のように、ある時は自分の子どものように接していました。ヤギは子どもたちと一緒にすごせて幸せだったと思います。3匹のうち2匹は埼玉に行きます。この3匹が揃うことはおそらくないでしょう。寂しいですが今日でお別れです。「おしゃれなサクラ」「くいしんぼうキラリ」「さみしがりやリッカ」。今までありがとう。みんな元気に育ってね。それが子どもたちの願いですから。

最後に子どもたちと担任が作った歌を紹介します。

「やぎさん ありがとう」
           作詞:まつのやま学園1年生
           作曲:柳 佐登子

1 水色、ピンク、黄色がよく似合う
  真っ白 ふわふわの かわいいやぎさん
  くずの葉、くわの葉、おいものつるが大好き
  もりもり食べて 大きくなったね
  一緒に散歩して 楽しかったよ
  元気な毎日を ありがとう
  離れても 同じお日様を
  見上げて元気に過ごそうね

2 二本の脚で背い伸びしているとこも
  眠っているとこも かわいいやぎさん
  周りのみんなと仲良くなってね
  かわいい赤ちゃんを 産んで育ててね
  一緒に過ごせて 嬉しかったよ
  やさしい時間を ありがとう
  これからも 同じお日様を
  見上げて元気に生きようね

  やぎさん ほんとにありがとう

トイレに現れる思いやりの気持ち

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10月30日(月)の全校朝会でトイレの利用について話をしました。家庭のトイレの便器は圧倒的に洋式が多くなり、立って用を足す便器もなくなりつつあります。男子に質問しました。おしっこをする際、立って用を足しますか?それとも座って用を足しますか?

立っておしっこをすると周囲には目に見えない程の微小な飛沫が飛び散ります。それは手にもかかっていますし、トイレの床にも飛び散っています。洋式便器に座って用を足せば、飛沫は最小限に抑えられます。我が家のトイレも洋式です。掃除は妻がしています。私はトイレをできるだけ汚さないようにいつも座って用を足しています。ズボンを下すのはそんなに手間ではありません。トイレの掃除をする方がはるかに大変です。

みんなが利用する学校のトイレ。便座の温度を勝手に高温にまでする必要があるのか。便器のふたが開けっ放しでいいのか。トイレットペーパーを使い切ったらどうするべきか。子どもたちに考えてもらいました。汚さないようにしたり、次にトイレを使う人のことを考えたり、一人一人の少しの気遣いがあれば、みんなが快適に利用できるようになります。「思いやりの気持ちは その人の習慣に現れる」

リサイクルのためにトイレットペーパーの芯を私の所に持ってくるとお礼にステッカーをあげています。去年は1年間で430個集まりました。今年はもう380個程集まっています。トイレットペーパーの芯を持ってくる子は、紙がなくなったことに気が付いた子。包装の紙を持ってきてくれる子は、次の人のために新しいものを取り付けてくれた子。これからもどんどん私のところにトイレットペーパーの芯や包装紙と一緒にみんなの思いやりの気持ちを届けてください。

話をした翌日はハロウィンでした。放課後、9年生の男子が4人で私の部屋までトイレットペーパーの芯を持ってきました。「トリック・オア・トリート」。そんなことを言わなくてもお礼にお菓子をあげますよ。

保坂様、ありがとうございました

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まつのやま学園の校舎内には大きな鏡がたくさんあります。来校された方がその多さに驚くこともしばしばです。鏡は校舎内を広く見せるだけでなく、明るくしてくれます。そして、何より学園に集う子どもたちの毎日の姿を映してくれます。

このたくさんの鏡は、当時鏡に関するお仕事に携われていた浦田出身の保坂英治様が、まつのやま学園の開校にあたり寄付してくださったものです。総額で数百万円もする高価なものです。その保坂様がご逝去されたとの知らせが、先月学園に届きました。享年80歳でした。

以前に保坂様のお母様が冬に行方不明になった際に村中総出で長期にわたって捜索したことがあったそうです。残念ながら雪消えとともにお母様はご遺体で発見されました。でも、皆さんのご恩になんとか報いたいと保坂様は考え、どんな形がいいだろうかと当時の久保田学園長に相談したそうです。そして、このたくさんの鏡を地域の子どもたちの通う学園の校舎内に設置することが決まりました。

大きな鏡面を運搬したり据え付けたりすることは、専門業者とはいえ常時扱っている大きさではないのでご苦労も多かったそうです。それでも、ご自身のできる精一杯で報いようとされたのでしょう。「記名などするつもりはない」というので、「日付と名前だけはどこかに入れておいてほしい」とお願いされた方がいたそうです。心ある人に語り継いでほしいからと…。

誠実な人生を歩まれた方で、葬儀場には溢れんばかりの人が集まっていたそうです。保坂様は多くの方に惜しまれながら逝ってしまわれましたが、遺された鏡の前で自分磨きをして大きく羽ばたいていく後輩たちのある限り、保坂様の心は生き続けます。鏡は松之山の地で成長し学園を巣立っていく子どもたちの姿を映し続けます。これまでも、そしてこれからも…。保坂様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

出会いはどこにでも。自分から探しに行こう

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2学期始業式講話  学園長 高橋 雅彦

私はこの夏、2つの絵本作家の展覧会に行きました。一つ目は新潟市の万代島美術館で開かれていた「ヨシタケシンスケ展かもしれない」。開館初日は都合が悪く、その翌日に行きました。展示物の小さく細かなことに驚かされます。拡大しないと見えないほどです。ヨシタケさんのシャイな性格がよく分かるものでした。

もう一つは長野県岡谷市にあるイルフ童画館で開催されていた「かがくいひろしの世界展」です。かがくいさんにとって初めての展覧会でした。かがくいさんの作品は色鉛筆やコンテを使った温かみのあるものばかりで、代表作の「だるまさんが」は何度も再版され今では300刷を超えるほどのロングセラーとなっています。かがくいさんは50歳の時に初めて絵本を描いた遅咲きの作家さんです。それまでずっと特別支援学校の教員をされていました。それから4年間、教員をしながら16冊の作品を出版されています。しかし、残念ながら17冊目の作品は完成しませんでした。2009年、特別支援学校を早期退職して作家に専念しようとした矢先、急逝されました。54歳の若さでした。

展覧会では、あと少しで本として出版されるはずだった作品の原画やたくさんのアイディアスケッチが展示されていました。そして、作品以外にも特別支援学校で指導するかがくいさんの映像や子どもたちを楽しませるために使った人形、そして、子どもたちにプレゼントした似顔絵や愛するご家族のスケッチを見ることができました。表情豊かでユニークな絵柄やシンプルな言葉は年齢を問わず引き付けられます。特別支援学校で触れ合う子どもたちとの経験が作品の中に表れているように感じました。私は絵本が好きで、かがくいさんの作品もいくつか知っていましたが、今回、テレビの番組や雑誌で展覧会のことが紹介されるまでそれほど興味をもっていませんでした。この夏、かがくいさんの生涯に触れることができて幸運でした。

私たちの身の回りには、まだ自分の知らない「感動」がたくさんあることでしょう。それに出会えるかどうか。自分からそれを探しに行く積極性が、そうしたものと出会う機会を増やすことに繋がります。休みにゆっくり休むことも大切ですが、自分を成長させるために、積極的に休みを活用する人であってほしいと思います。すてきな出会いはどこにでもありますよ。

【お詫び】

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10月の校舎への太陽光パネルの設置工事に伴う調査工事が夏休み中から始まることが決まり、子どもたちが植物を育てている学校園(畑)が使用できなくなるとの連絡を受け、関係する子どもたちや保護者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。
これまで大切に育ててきた野菜を収穫できないと聞いた子どもたちの残念がっている様子が市側にも伝わり、再度工事内容について検討していただいたところ、何とか野菜の収穫ができるような形で調査工事が実施できるようにしていただきました。

学園としましても、非常災害時の地域の皆様の避難場所になるために必要な体育館照明のLED化や太陽光パネルの設置に関しては了承していました。しかし、そのための工事日程や内容については今週初めて提示されたことでこのような混乱が生じてしまいました。本来、学園の施設が良くなるため、皆様には喜んでいただける取組だったはずなのに大変申し訳ありません。今後はこうしたことのないように、十分注意してまいります。そして、何よりも子どもたちの思いを最優先に考えた学校運営に努めてまいります。

夏休みに入るとすぐに調査工事が始まります。休日中、野菜の収穫やヤギの世話等で来校する場合はぜひ大人の方と一緒にお願いいたします。工事車両があったり、鉄板が敷かれていたりするかもしれません。思わぬけがを万が一にもしないようにご注意いただけるとありがたいです。子どもたちの丹精込めて育てたおいしい野菜をぜひご家族でお召し上がりください。

水泳という運動のよさ

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今日の全校朝会で私のした話です。

外国の学校には日本のようなプールはほとんどありません。ですから、水泳を習いたければ外部のスイミングスクールにでも通わなくてはなりません。でも、日本の学校では体育で水泳の学習は欠かせません。水泳には子どもたちにとって大きなメリットがあるからだと思います。

水泳は私たちが普段生活する陸上とは異なる「水中」での運動です。水中には体にとってとてもよい特性があります。それは「浮力」「水圧」「抵抗」「水温」の4つです。

「浮力」:体重50キロの人も45キロ分の浮力が働き、体を楽に動かすことができます。ひざや腰にかかる負担が少なく、陸上での運動に比べけがをしにくいです。
「水圧」:水が体に圧力を加える効果と筋肉が収縮して血管の血液を上へ押し上げる効果で、心臓に戻る血液の量や1回の拍動で体に送り出す血液の量が増え、心臓の負担が減ります。
「抵抗」:水の密度は空気の約800倍で、陸上と同じ姿勢と速さで水中を動くと800倍の抵抗を受けることになります。水中での運動量は非常に高くなります。
「水温」:人間の体は体温より低温の水の中では、体温を下げないように代謝を活発にして熱を生み出します。プールに入るだけで運動することと同じような効果が得られます。

このように、水中での運動である水泳は子どもたちの体にとって最適な運動と言えます。しかし、水中では呼吸ができません。一歩間違えば命を失うことにつながる危険な運動であるとも言えます。健康の保持増進や運動能力を伸ばすこと、万が一水の事故に遭ったとしても命を守れるようになること、そして何より、水泳という運動を楽しめるようになるために、学校では今年も水泳指導に取り組みます。

「きたえた分、体と心はじょうぶで強くなる」
少しぐらい寒くても、皆さんがんばりましょう!

運動会を終えて

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先週土曜日に行われました運動会では、大勢の保護者・地域の方から子どもたちへ声援や温かい拍手を送っていただきました。ありがとうございました。また、急な声掛けにも関わらず、子どもたちとの綱引きのためにたくさんの方からご協力いただき、大変ありがたかったです。

感染症拡大が収束を見せ、今年の運動会では期ごとの種目や午後の種目のための昼食も加えることができました。いかがでしたでしょうか。運動会の中で、子どもたちはいきいきと活躍していたでしょうか。学園の子どもたちらしい元気な姿を皆様にご覧いただくことはできていたでしょうか。

子どもたちは当日までの間、応援リーダーや委員会の委員長を中心に、様々な準備を進めてきました。それは、決して簡単ではありませんでした。あきらめずに投げださずに、みんながそれぞれの責任を果たそうとする姿を間近でることができ、私は大変嬉しかったです。さすがはまつのやま学園の子どもたちだと思いました。この経験を自信にして、これからの学校生活をよりよいものにしていってくれたらと思います。

今年の取組をもとに、来年度の運動会について検討していきます。皆様のお声を何かの機会にお聞かせいただけるとありがたいです。赤と白のマリオの活躍ぶりを見るために1日中ルイージの恰好でいたら、首周りと腕が見事に日焼けしていました。これも一つの思い出です。

授業参観、PTA総会等にご来校いただきありがとうございました

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昨日はあいにくの天候にも関わらず、授業参観、PTA総会等のために、大勢の保護者の方にご来校いただき感謝申し上げます。
 今年度がスタートして3週間が経とうとしています。保護者の皆様はお子さんの授業を参観されてどのような感想をおもちになられたでしょうか。生き生きと学習に取り組んでいたでしょうか。

今年度目指すべき学園の姿を以下のように考えています。
<令和5年度 めざす学園像>
○「児童生徒」が安心できる居場所がある、挑戦できる環境がある学園
○「保護者」がまつのやま学園に子息を通わせることのよさを感じる学園
○「地域」が誇り、応援したい、協力したいと感じる学園
○「職員」が「志」と「情」をもち、協働的に目標の具現化を図ろうとする学園

まつのやま学園には子どもたちが挑戦できる環境がたくさんあります。それを存分に生かしてほしいと思っています。子どもたちが安心して学び、健やかに成長できるように、職員一丸となって指導・支援をさせていただきます。保護者や地域の皆様と手を携えて子どもたちの目標の達成を実現したいと考えております。これからも皆様の変わらぬご支援をいただきますようお願いいたします。

 今週末より大型連休を迎えます。張り切ってスタートした新年度。子どもたちも疲れが少したまっているかもしれません。この休みを利用して、リフレッシュしてくれたらと思います。また、子どもたちが不幸な事故に遭うことのないように保護者の皆様にはご注意いただきたいと思います。連休明けに、楽しい休みを過ごせたと元気に登校してくる子どもたちに会えることを期待しています。

今やれる時にやれることを精一杯やる!

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 全校朝会講話  学園長 高橋 雅彦

(朝日新聞3月15日の記事を基に話をしました)

先月行われた「ワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)」は世界が注目する中、日本チームは全勝で見事優勝しました。テレビ放送の視聴率は軒並み40%を超え、その注目度の高さがうかがえます。

代表メンバーの一人でキャッチャーの甲斐拓也(かい たくや)選手は試合前にいつも「心」という文字をグラウンドに書くそうです。この言葉は、甲斐選手がまだ高校1年生だった時に野球部のマネージャーだった3年生の大崎耀子(おおさき あきこ)さんがチームに贈った言葉です。大崎さんは2年生の時にがんの診断を受け、甲斐選手が入学した時は既に末期でした。それでもマスク姿で部員をサポートし、夏の県大会では記録員としてベンチ入りもしました。しかし、2008年10月、大崎さんは17歳で亡くなりました。

彼女が闘病中に残した3冊のノートには、野球部への思いがつづられていました。そして、「死」に直面し、揺れ動く気持ちも。「まだしたいことあるのにな」。大崎さんは「心」と書かれた色紙をチームに託しました。そこには離れていても「心は一つ」という大崎さんの思いが込められています。私たちは毎日を懸命に生きているでしょうか。「野球ができるのが、当たり前のことだと思ってはいけない」。プロ野球選手になった甲斐選手はそんな思いを込めて「心」という文字を今でも書き続けています。

「今やれる時にやれることを精一杯やる!」
そうした気持ちを大切に毎日を過ごしてください。

「燃やすごみ」から「燃やすしかないごみ」に

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京都・亀岡市では4月からごみの呼び方を変えるそうです。「燃やすごみ」は「燃やすしかないごみ」に。「埋立てごみ」が「埋立てるしかないごみ」に。市民のごみの分別の意識が低く、資源ごみが混ざった状態で捨てられているため、焼却炉の老朽化が進み、このままだと修理か建て直しのために数十億単位の費用が必要になるそうです。また、埋立てごみにもプラスチックなどが混ざっており、埋め立て処分場も既に容量の70%が埋まり、新たな処分場をつくることは財政的にも住民感情的にも難しいそうです。市民に分別の意識をもたせ、ルールを守ってもらうための名称変更だそうです。

私もささやかですが学校のごみの分別を行っています。十日町市では昨年4月からトイレットペーパーやラップの芯も資源ごみとして回収するようになりました。子どもたちに関心をもってもらおうと全校朝会でリサイクルの話をしたところ、ホップ期の子どもたちが私のところにトイレで見つけたトイレットペーパーの芯を届けてくれるようになりました。昨年度1年間で集まった芯は全部で430個。平らにつぶすと大きめの段ボール1箱分になりました。私は「小さなボランティア」にささやかなお礼として星型のシールをあげます。今年もシールをたくさんあげられることを願っています。次からはハート型のシールにしましょう。
(朝日新聞3月27日の記事から)


副学園長あいさつ

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この4月より、長岡にある中越教育事務所より参りました 寺澤 隆志(てらさわ たかし)と申します。
豊かな自然と温かい地域、そして何よりも素直で朗からお子さんに囲まれた、まつのやま学園で教育活動を行えることをうれしく思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

副学園長(中学校校長) 寺澤 隆志

どうぞよろしくお願いいたします

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まつのやま学園には例年よりも少し早めの春が訪れています。10日(月)の入学式で6名の1年生を迎えると、ホップ期34名、ステップ期27名、ジャンプ期23名、全校84名での新年度スタートとなります。昨年度のような5・6年生の複式学級での指導も解消され、全11学級での指導が可能となりました。また、職員も2名増員されています。

昨年度学園長を務められた浅井貞夫校長に代わって、今年度学園長を務めさせていただきます高橋雅彦(たかはし まさひこ)と申します。学園での勤務2年目。保護者や地域の皆様が大切に考えてくださっている学園をお預かりする責任に身が引き締まる思いでおります。学園に集う子どもたちが安心して学び、健やかに成長できるように、職員一丸となって指導・支援をさせていただきます。そして、副学園長の寺澤隆志(てらさわ たかし)校長と連携して、自然豊かな松之山の特色や小中一貫校としての強みを生かした特色ある教育活動に取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

「兆」という字は、部首として「しんにょう・しんにゅう」が付くと「逃げる(にげる)」になります。でも、「てへん」が付くと「挑む(いどむ)」になります。子どもたちには自分の目標を達成するためにぜひ「逃げず」にぜひ「挑んで」もらいたいと思います。このまつのやま学園には挑戦できる環境がたくさんあります。それを存分に生かしてほしいものです。「できない言い訳より、できる方法を探す」姿勢で今年1年間を過ごして、大きく成長することを期待しています。

保護者や地域の皆様と手を携えて子どもたちの目標の達成を実現したいと考えております。これからも変わらぬご支援をいただきますよう切にお願いいたします。学園は松之山にゆかりのあるたくさんの方々から援助をいただいておりますことに感謝しております。こうした方々の故郷を愛する気持ちに少しでも応えられるように、子どもたちの活躍ぶりを学園のホームページで紹介していきます。学園の日々の様子を楽しんでご覧いただけたらと思います。
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