人と人との繋がり-『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』を読んで-(下野)

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 こんにちは、7期生の下野です。昨日(4/21)『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』を同期の丹羽さんから受け取りました。(現在、7期生は研究室本棚に在る3冊の本書を回付しています。)

 棚園先生の前作『学校へ行けない僕と9人の先生』を読んだ際、私は「フツウとちゃんと」という記事を書かせていただきました。

 前作から一貫して、本書に綴られていることは「フツウの多様性」だと私は感じています。「フツウ」と「多様性」、一見相反する言葉に見えます。しかし、この世界は多様な「フツウ」があり、人は生きていく中で自分なりの「フツウ」を獲得していくのではないでしょうか。人は一人一人身なりも心も相違していますから、同様に「フツウ」も一人一人相違します。つまり、「フツウ」は「多様性」に溢れていると思うのです。

 では、人はどの様にして自分の中の「フツウ」を獲得していくのか。それは、沢山の人に出逢うこと。考え方も生きてきた道も違う沢山の人の「フツウ」に出逢ったのならば、自分の中にある「フツウ」が変容していくのだと思います。

 私も学校へ行けなくなったことが何度かあります。一人の方が心が落ち着いて、ずっと家に居たいと思っていました。しかし、やっぱり「フツウ」を追い求めていた様に今は感じます。それも、自分で作り上げた「フツウ」ではなくて、誰かの作りあげた「フツウ」にです。

 時は経ち、家族の温かさを改めて知り、友人にも恵まれました。一人で良いとは思い諦めた時にも、人は知らず知らずのうちに繋がっていくのだと思います。誰かに支えられ、一方で知らぬ間に誰かの支えになっているのかもしれない。そんな繰り返しで世界は繋がっているのでしょう。

 前作『学校へ行けなかった僕と9人の先生』から、教師を目指す私は、私の持つ「フツウ」が子ども達それぞれの持つ「フツウ」の変容に少しでも良い働きかけとなれば良いなと思いました。教師の持つ「フツウ」が子どもを救い、時には傷つけてしまうことを知ったからです。

 続く本書『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』には、9人の友だちの様々な「フツウ」が描写されます。本書を読み前作の考えに新たな目標ができました。子ども達が関わり交わりながらそれぞれの「フツウ」を形作る過程を「みんながそれぞれのフツウ」を持っていて良いのだと、それが「フツウ」なのだと見守り支援できる教師をとなりたいということです。子ども達が出逢い、過ごす日々がどうか自分なりの「フツウ」見つけられる日々となる様、授業や学級経営に取り組みたいと思うのです。

 棚園先生をお迎えする会は、7期生が初めて企画する会です。皆の学びが深まると共に、笑顔で溢れる素敵な会にしようと準備も着々と進んでおります。7期生のみんなが同じ本を読み、沢山の捉え方をお互いに分かち合う、これもまた人と人との繋がりによる「フツウ」の変容なのでしょう。

 棚園先生、お会いできる日を楽しみにしております。元気いっぱい笑顔いっぱい、学びの連鎖が絶えず広がる7期生です!玉置先生、こうしていつも私達に人と人との繋がりの大切さを教えていただきありがとうございます。今回もまた、感謝でいっぱいの心で記事を綴らせていただきました。ご高覧いただきまして、ありがとうございました。(下野)
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