『マジスター』(今井)

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 こんにちは、7期生の今井美羽です!!
 本日は、「本よ、血となり肉となれ。」のコーナーです。今回は、玉置研究室書棚からお借りした『マジスター』という漫画の感想をお話したいと思います。

 本の内容はネタバレとなるので、軽く。大まかに言うと、病院で入院している子を訪問して授業をする先生たちの物語です。

 私はこの本を読むまで、「病院訪問教育」という制度があることを知りませんでした。「院内学級」は聞いたことがありましたが、院内学級が設置された病院は少ないのだという現実も知りました。病気だから学校に行けない、勉強ができない、友達ができない、そんな悲しいことがあって良いのだろうか。この漫画が多くの人の手に届いて「病院訪問教育」がもっともっと広まっていくことを願っています。

 この漫画には新米教師の鷲見梅先生という方が出てきます。教師を目指す身として、この梅先生に感情移入して読んでいました。梅先生は、中々心を開いてくれない子どもを前に、ベテランの見崎恭平先生と比べ、自分は向いてないのではないかと、落ち込んでしまう場面があります。でも、見崎先生にも失敗の経験があるということを知り、最初から上手く出来なくてもいいのだということに気付きます。私も、これから実習や、実際の現場で、上手くいかないという壁にぶち当たると思います。そんな時、この漫画のことを思い出そうと思います。

 病院訪問になくて学校にある、子どもたちにとって大切なものは、「子ども同士同じ目標を目指して歩んでいける仲間だ。」この言葉に心を打たれました。この漫画では、入院している子どもに、仲間を作るというお話でしたが、これは、学校がある意義に繋がっていくのではないかと私は考えました。学校には、多くの子どもがいて、集団で生活することが当たり前です。でも、病院訪問にない。このことに気付くことで、学校での集団生活の大切さをより感じました。学校は、授業の中で一つの課題を考えていく。この課題の解決を目指して、助け合うこともあります。それが出来る出来ないは別として、そういうことができる環境をつくるということ自体にも、学校が存在する意味があるのではないかと思いました。このコロナ禍で、集団で行動することに悪いイメージがついてしまっていますが、私は集団への価値は高くあるべきだと思います。

 現実は、残酷です。この漫画はそのような部分も描かれています。そこまで包み隠さずに描かれている所も、いいなと思いました。病院だから、病気だからというわけではないと思うのです。現実は奇跡の連続でありながら、奇跡が起こらないのも、また現実なのだということを改めて感じました。

 これで、『マジスター』の感想を終えていこうと思っているわけなのですが、いかがでしたでしょうか。この漫画を読みたくなった方は手を挙げてみましょう〜。ぜひ読んで見てください。「病院訪問教育」が多くの人に広まりますように。

 この本は、私の中に色濃く残っていく本だと思います。血となり、肉となれ〜。(今井)
 

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