【読後感想】子どもに寄り添うことのできる教師とは(新谷)

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 今回、初めて教育書を読んだ。金大竜さんの「一人ひとりの凸凹に寄り添う『気になる子』『苦しんでいる子』の育て方」という本である。

 この本には、様々な性格や家庭環境を持った子ども、何かで苦しんでいる子に寄り添う教育をするため、多くの葛藤をする教師の姿が描かれていた。その指導法には、学ぶものが多くあった。今回の学びから、子どもに寄り添う事の出来る教師とはについて考えていきたい。

 まず、授業における子どもの発言についてである。このことは、自己主張ばかりで友達の話を聞かない子と、自己表現をしない子という章を基に述べていく。
 
 この章では、自己表現が得意な子どもと不得意な子どものそれぞれの葛藤や相互性について書かれていた。特に私が印象に残ったことは、自己表現をしない子どもに対する指導についてである。

 これは私自身の経験だが、私自身も中学生のころ、自己表現をするのが苦手で、発表をすることがとても苦手だった。なぜなら、間違えた時のことを考えたり、私よりも上手な意見を言える人がいると人任せにしていた部分があったからである。私自身、手を挙げないことが当たり前で、先生も手を挙げている人を当てるという風に授業を進めていたように今思えば感じられる。しかし、このことが、さらに自己表現をしない子どもの意見する場をなくしてしまい、発言ができなくなるということがわかった。

 金大竜さんは、発言をしない子どもに対し、発言する勇気を持つこと、発表に対する固定概念を崩し、再構築させていくことが大切と言っていた。しかし、ただ勇気を持つということではない。発表できるような環境づくりができてこその勇気であると言っていた。そのために、誰でもできる発表(音読など)の時に全員に手を挙げてもらえるようその旨を伝える事、発表することは恥ずかしいことでも怖いことでもないということなど伝える事が大切であることがわかった。

 この指導法は全員に寄り添う意識があるからこそ行える指導だと感じた。発言ができない子には何かしらの理由や固定概念があり、それをそのままにするのではなく、どうにかしようとする金大竜さんの姿にとても感銘した。

 もし、私が学生の時にこのような発言できる環境があれば、もっと積極的に発言することができただろうし、発表することは恥ずかしいことではないと発表に対する概念を崩すことができたのではないかと思った。私が教師になった時にも、全員が発表に対する抵抗感がなくなるような環境づくりができるようになりたい。
 
 次に、宿題を忘れてくる子どもについてである。このことは、「宿題を忘れてくる子ども」という章を基に述べていく。ここでは、町子という生徒が登場する。町子は宿題をよく忘れる子どもで、また、答えだけを写して提出することもあったそうだ。そんな町子に対し、金大竜さんは、やる気がないならやってこなくていいよという。しかし、町子はやる気がないのではなく、難易度が高く宿題をこなすことができないのであった。そのことに気づいた金大竜さんは、町子に対し、難易度を下げた課題を準備することにしたのである。

 私は、この金大竜さんの取り組みに驚かされた。なぜなら、宿題は全員同じ難易度で同じものをやるということが私にとっては当たり前だったからである。私が学生の時も、出された宿題が難しくて解けないこともあったが、出されたからやらないといけないという思いがあった。しかし、この宿題の出し方は、生徒一人一人のことを考えて出していたのだろうかとこの本を読んで感じた。金大竜さんのように、生徒のレベルや環境に合わせた宿題の出し方は、子どもの学習意欲やレベルの向上のために必要であると思い、参考にしたいと思った。ほかにも金大竜さんは、生徒の性格や家庭環境に寄り添った指導を行っていた。

 最後に、金大竜さんの指導から、私の考える、子どもに寄り添う教師とはについて考えていく。

 子どもに寄り添うことのできる教師とは、金大竜さんも言っていたが、子どものことを理解し、受け止めることであると考える。子どもは一人一人、様々な性格や家庭環境を持ち、様々な課題を抱えている。教師はそのことを受け止め、教師から子どものことをわかりたい、理解したいという思いを持つことが大切であると、この本を読んで学んだ。

 私は教師になったら、子どものことをたくさん見ていきたい。子どもからたくさんのことを学びたい。子どもは何が好きで何が嫌いなのだろう。この子どもは今どんな気持ちなんだろう。何か悩んでいることはないかなと、子どもについて毎日考え、寄り添っていきたい。(新谷)

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