ありがとう (下野)

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 こんにちは、7期生の下野です。4月に半年も待って届いた新しい車がとっても大切な相棒となりつつある、8月。月日が経つのはあっという間だなと感じます。

 そんな私の経験。これまで沢山の経験を積みました。それは日常の些細なことであったり、本から得た知識であったりそれはもう様々です。

 私は、「人にモヤモヤを伝えること」が極端に苦手です。言わない方がいいなと思ったり、これを伝えて関係性が壊れてしまったらどうしようと思うから。

 小学生の時も、中学生の時も、高校生も、勿論大学生になってからも20歳を超えるまでは、「あ、それ良くないんじゃないかな?」と思っても私がやればいいや、私が我慢すればいいやと口を固く閉ざして生きてきました。

 アルバイトを初めて2年目。ちょうど20歳の誕生日を迎えた4月に、先輩方が全員卒業されました。私たちの直属の先輩はいなくなり、私たちだけでお店を守らなければならない状況です。不安でいっぱいでした。いかに先輩方に甘えていたのかを身に染みて痛感します。

 6月頃までは、お店はぐちゃぐちゃ。お客様からお叱りを受ける等々、それはもう悲惨な状況で、トレーニングも上手くすることができず、後輩達との関係も最悪でした。

 ある日、卒業された先輩がお店に遊びに来てくれました。悲惨な状況を見て大笑いし、「あやみちゃん我慢してるでしょ?(笑) いいんだよ、言って。貴方がトップなんだから。自信持って。あやみちゃんにならみんなちゃんとついてくる。それが、上のする役目だよ。」と。
 見抜かれていました(笑) 私は、後輩達が出来ないことは自分がカバーすれば良いとずっと1人で動き回って空回っていただけなのだと気付きます。

 そこから、私は変わりました。まずは、全てに感謝することから。「○○してくれてありがと。助かったよ。」「今日もお疲れ様。ありがとう。」といったように、1人でありがとうキャンペーンを開いたのです。
 そして、同期にも、後輩にも仕事の伝え方を変えました。仕事ひとつひとつの意義を伝えながら、「こうすると効率がよくなるよ」であったり、「この仕事をしておくと、次の人がとっても助かるよ」だったり、、、。
 さらには、みんなの良いところを共有するようにしました。「○○さんがこの仕事をしてくれたから、みんなが仕事をしやすくなりました。とっても素敵なことだなって私は思います。」というような文面を私が働いた日には投稿していました。

 こんなことを続けていくうちに、それはもう変わる変わる。目まぐるしく、とっても優しいお店に大変身しました。岐阜という片田舎で季節のおすすめドリンク売上全国一位を叩き出したり、お客様からのお褒めの言葉が社報に何度も載ったり。

 私一人だけの力ではありません。ありがとうキャンペーンは、みんなに伝播し、キャストみんなが「ありがとう」を伝え合う関係になりました。仕事の意義をひとりひとりがしっかりと理解し、新たに入ったキャストにはそれを伝える風習が私たちの店には出来ました。お互いの良いところをありがとうを添えて伝え合う関係もまた、伝統となりました。

 最近気付いたことがあります。これってプレ学級経営だったのかなと。学級経営において、私が大切にしていきたいことをアルバイトで実践していたのだと思います。
 
 面接練習で「貴方が学級経営で大切にしたいことは何ですか?」と問われれば、アルバイト先のみんなの顔を思い浮かべます。「ありがとうを伝えられる学級」。これが根幹だと私は思っています。

 「ありがとう」は、人を繋げる と私は位置づけています。当たり前のように側にいてくれる人、いつも心の支えになってくれる人、価値観が合わない人、絶対に許せない!と思う人にも「ありがとう」を伝えられたら、それはそれは素晴らしいのだと思います。「ありがとう」を伝えられる人に子どもたちにはなって欲しいのです。そして、私もまた子どもたちに「今日も生きていてくれてありがとう」と。そう言葉で伝えたいと思っています。

 アルバイトから学んだことのひとつを、今回は綴りました。長くなってしまいましたが、ご高覧頂いた皆様ありがとうございました。どうしても、綴っておきたい経験だったのです。

(下野)
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