最新更新日:2024/05/08
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早春の自然散歩(せせらぎ公園)

 2月10日、地域自然素材の教材化を進めるために、職場の隣にある「せせらぎ公園」を訪ねました。昼休みを使っての短時間の散歩ですが、暖かさに誘われてか、お母さんと子どもたちの歓声が聞こえてきます。そこへ、カメラ片手の背広姿おじさんの登場ですから、怪訝な視線を感じてしまいました。そんな視線には慣れっこですから、私は何とも気にしませんが、視線を送った側のお母さん方はやや緊張気味に私の行動を覗っています。中には、急いで自分の子どもを自分の近くに呼び寄せるお母さんもいて、これには少々参りました。こんな「安全なおじさん」はいないのにです。
 さて、暦の上ではすでに立春を過ぎていますから「春」なのですが、こう何回も厳しい寒波が続くと、春はまだまだ先に感じてしまいます。ところがどっこい、公園にはいち早く春の到来を感じた生き物たちが、たくさん動き始めていました。啓蟄(二十四節気の一つで、おおよそ3月6日頃)にはまだ間がありますが、動き始めた生き物たちの姿をお届けします。この時期の、暖かい日の公園散歩はお勧めですよ。
 小鳥の鳴き声が聞こえてきます。メジロ、アオジ、ホオジロ、ウグイス。一番多いのはアオジでした。アオジは、愛鷹山麓や箱根山麓の照葉樹林を好みます。ですが、寒い冬季には、標高の低い所まで下りてきます。市街地の公園のブッシュでも普通に見つけることができます。割と数羽の集団でいることが多いので、金属的な強い「チッ」という地鳴きが次々に聞こえ、あっという間に移動していきます。急に近づくと、ブッシュの中でじっとして全く動きませんし鳴きません。まるで忍者のように、雲隠れの術が得意技です。
 桜が何本か植えられていたので、じっくり探すとありました。たった1輪ですが、サクラが咲いていました。花壇の水仙は満開です。梅の花は3分咲き、春はまだまだのようです。
 地面に目を落とすと、タチツボスミレが咲いていました。ずいぶんと気の早いやつです。ホトケノザはいい感じで赤色を放っていました。「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロこれぞ七草」に歌われている「ホトケノザ」ではありません。歌中のホトケノザは、和名「コオニタビラコ」のこと(諸説あります)、赤い花のホトケノザは、有毒植物ですので気をつけてください。当然、七草がゆには入れません。コオニタビラコを刻んで入れます。
 悲しいことに、やはり「せせらぎ公園」でも、飼い犬の糞、捨てたばこ、捨て空き缶が目立ちました。いったい日本の大人たちはどうなっちゃっているんでしょうか。残念です。 
 せせらぎ公園の中心には湧水があります。こんなに寒いのに、光り輝く湧水の底には、水中植物や藻類が緑色に輝いていました。温かい湧水だからでしょうか、下流にはタネツケバナがもう花を咲かせていました。
 栗の木が2本あります。東端の栗の木の下は、昨年の栗のイガでいっぱいでした。薄くて食用にしないで捨て置かれた栗の実も落ちています。「残されて 一人寂しい 春の昼」   文責:学びの森 小泉隆嗣
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真冬の自然散歩(偕楽園)

 1月31日、地域自然素材の教材化を進めるために、偕楽園を訪ねました。冬真っ直中とはいえ、前日からの暖かな陽気に誘われてか、サクラも3輪ほどすでに咲いていました。梅は8分咲きで、見頃を迎えています。ツバキも蕾を膨らめていました。樹木の新芽はまだまだ固く閉ざしたままでしたが、すでに色づき始め、春をじっと待っています。芝生の広場の隅には、可愛らしい花がたくさん咲いています。いろいろな植物のロゼットも、芝生広場や公園斜面のあちこちで葉をいっぱいに広げて地面に張り付きながら陽光を浴びていました。不動の滝の轟音を外して耳を澄ませば、ツグミやジョウビタキなどの冬鳥たちの地鳴きとともに、メジロやヒヨドリといった、ウメやサクラの蜜目当ての野鳥たちのさえずりも聞こえてきました。水辺では、タネツケバナやフキが葉を大きくし始めています。昨秋のクヌギのドングリもたくさん落ちています。コナラの樹皮には、明らかに樹液を流した跡があり、今年の夏にはクワガタやカブトムシがたくさん集まってくることでしょう。斜面に落ちている小枝には、セミの産卵跡も残っていました。すでに孵化したセミの幼虫たちは、きっと今頃、樹木の根からおいしい養分をいただいていることでしょう。湿った枯れ枝には、キクラゲも見つかりました。シュロの樹があったので、葉を一枚拝借して、バッタを作ってみました。いかがでしょうか。生きているバッタに見えたら嬉しい限りです。誰が見つけてくれるのか楽しみです。こんな楽しい偕楽園は、遠足やお遊びにもってこいです。近くの小学校の生活科や、幼稚園や保育園のミニ遠足の場所としては、最高です。
 唯一残念だったのは、捨て置かれた飼い犬の糞でした。あちこちにまとめてたくさん落ちています。せっかくの芝生広場も、子どもたちが元気いっぱい飛び回るには、ちょっと注意が必要です。シートを広げてお弁当という気には、残念ながらなれませんでした。飼い主のマナーの悪さには困ったものです。遊ぶときには、まずはイヌの糞集めから始めましょう。ドッグフードばかり食べている犬の糞は、よく見ると中身が細かく均一です。残飯を与えている犬だと、粒の大きさもまちまちで、硬い固形物も混じっています。これだって、大事な自然観察です。衛生面に注意しながら、楽しく糞片付けをしましょう。ちょっとした工夫さえすれば、何だって「学び」になるのですから。
                 文責:学びの森 小泉隆嗣指導員
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