やわらかな日差しを浴びて、桜のつぼみもふくらみ始め、春の訪れが間近に感じられる季節となりました。

「最後の学習」を迎えた七十六名の皆さん、卒業おめでとうございます。　皆さんの卒業をお祝いして、東浦町長神谷明彦様始め、多くの来賓の皆様にご臨席いただきました。高いところからではございますが、厚く御礼申し上げます。今後とも変わらず、子どもたちを温かく見守り励ましていただけたら幸いです。

さて、卒業生の皆さん、先ほど卒業証書を手にしたとき、どんな思いだったでしょうか。平成二十五年四月、初めて小学校の校門をくぐってから今日まで、六か年のさまざまな思い出がよみがえってきたことでしょう。
何人もの先生方と出会い、多くの友達に巡り合い、ともに勉強や運動に励んだこと、あるいは、ともに遊び楽しく過ごしたことなど、思い出は尽きないことでしょう。しかし、楽しい思い出ばかりではありませんね。苦しく辛いこともたくさんあったことと思います。皆さんは、それらにくじけることなく、いつも力一杯頑張って乗り越えてきました。緒川小学校での様々な活動は、皆さんにとって、かけがえのない貴重な学習であり、体験であり、大切な心の財産、気力の源となっています。必ずや将来に生きる力となるものと信じています。　

三月に入り、六年生のみなさんに「手紙」を題材に、授業をしました。「手紙」を作詞・作曲したアンジェラ・アキさんは、「音楽を通して何がしたいですか？」という問いに、「伝えるよりもつながりたい」と答えています。「正しい答えを伝えるよりも、一緒に悩んでつながりたい。立派なメッセージを伝えるよりも、みんなが同じ気持ちを分かち合って、心のつながりを感じられる歌を歌いたい。」そんなアンジェラさんの強い思いから「手紙」は「伝える歌」ではなく「つながる歌」として世に送り出されました。

今年一年、おがわっ子独立国は、「つながり」をキーワードとして様々な活動に取り組んできました。様々な形で、様々な人とのつながりができたはずです。「つながる」ことは、これからを生きていく上でとても大切になります。みなさんは一人ではありません。共に考え、共に悩み、共に喜び、共に生きている。そんふうに周りの人たちと「つながっている」ことを忘れずにいてほしいと願います。

保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。小学校六年間の中に、語り尽くせぬ多くの喜びと、ご苦労、そして御心配があったことと思います。保護者の皆様のすべての愛情が今ここに実を結び、義務教育の第一段階を終えられたことを改めてお祝い申し上げます。これからもお子様が、心身ともに健やかに成長してくれますことを心からお祈りするとともに、これまでの本校への温かい御理解とお力添えに対しまして、深く感謝申し上げます。

それでは、卒業生の皆さんが、人と人とのつながりを大切にし、だれからも愛される人になってくれることを願い、式辞とします。

平成３１年３月２０日
　東浦町立緒川小学校長　 鬼頭　学