最新更新日:2016/03/31
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3月31日で学文路中学校が閉校となりました。長い間ありがとうございました。

図書だより5

第144回芥川賞・直木賞の選考委員会が1月17日に行われました。芥川賞は朝吹真理子さんの『きことわ』と西村賢太さんの『苦役列車』の2作品が受賞。
直木賞も木内昇さんの『漂砂のうたう』と道尾秀介さんの『月と蟹』の2作品が受賞しました。芥川賞、直木賞ともにダブル受賞となったのは金原ひとみさんと綿矢りささんの最年少受賞が話題となった第130回以来7年ぶりだそうです。

今回のテーマ
 そこで本の紹介の前に今回は芥川賞の紹介をしたいと思います。

芥川賞とは?
 芥川龍之介の名を記念した純文学の新人賞。正式名は芥川龍之介賞。芥川の友人であった菊池寛の発案で1935年(昭和10)直木賞とともに始まり、今日に至る。選考委員の選考により、年2回授賞。記念品および副賞100万円(当初は500円)が授与される。運営には当初は文芸春秋社、38年以降は日本文学振興会があたる。選考作品は選考期間に『文学界』『群像』『海燕』『新潮』『文藝』『すばる』などの文芸誌に発表させれた作品から選ばれる。

芥川龍之介に関しては説明はいらないと思うので、直木賞の大衆文学と芥川賞の純文学の違いについて
 純文学とは一般に大量生産、伝達、消費を前提とする大衆的な文学、読者に迎合する興味本位の通俗文学を大衆文学と称するに対し、純粋な芸術的感興を唯一の必然として書かれた小説をさす。が、芥川賞をとったからと言って純文学と言えるわけではない。とネットで説明されていましたが・・・よくわからないですね。

とりあえず、芥川賞受賞作品および受賞作家のほかの作品の紹介をします。

『蹴りたい背中』 綿矢 りさ著 第130回受賞
 理科の授業で仲間外れにされたハツは、同じ班のにな川が読んでいる女性ファッション誌のモデル(オリチャン)に目がとまる。ハツは中学生のとき、隣町の無印良品でオリチャンに会ったことがあり、そのことを言うとにな川は興味を持つ。放課後彼の家に呼ばれ、そこでにな川がオリチャンの大ファンであると知る。後日ハツはにな川に頼まれ、オリチャンと会った無印良品店に向かう。そしてにな川の家で休憩する二人だったが、ハツはオリチャンのアイコラ(にな川作)を見つける。ハツは異様な気分になり、にな川を後ろから思い切り蹴り倒す。

『インストール』 綿矢 りさ著
 不登校になった女子高生がひょんなことから知り合った小学生とパソコンを使ってフーゾクのバイトを始める。今ではネットをしている人なら常識のチャットを使ったものだった。2001年発行当時には珍しいものだったのかなぁと思いながら読みました。インストール=パソコンを初期化して新しく中身を入れること。主人公も新しい自分になったのだという物語。ただ中学生には過激な表現があり、どうかなって思いますが、YAすてきな物語というシリーズに入っているので中学生でもセーフです。

『蛇にピアス』 金原 ひとみ著  第130回受賞
 ルイはアマのスプリット・タン(蛇のように舌に二股の切れ目を入れること)に惹かれ、シバさんの指導の下、自分の舌にもピアスを入れる。さらにシバさんに、背中に麒麟と龍の刺青を入れてもらう約束も取り付ける。しかし、アマと喧嘩した暴力団風の男の死亡記事を見てから、ルイに不安が襲い始める。2008年には映画となりました。しかしR―15指定のため中学生は卒業してからDVDを見てください(笑)その時のキャッチコピーは「19歳、痛みだけがリアルなら 痛みすら、私の一部になればいい。」

『日蝕』 平野啓一郎著 第120回受賞 
 「三島由紀夫の再来」というコピーとともにセンセーショナルなデビューを飾った。古語や雅語、古めかしい言い回しを織りまぜた衒学的な擬古文体と15世紀の中世フランスという舞台設定の結びつきや、異端とされる知識を探求する僧侶が、答えを得た瞬間にその意味を見失うという鮮烈なプロットが話題となった作品。

全般、芥川賞は中学生には難しいということが分かりました。ので諦めて、今薦めたい作品。

『初恋ソムリエ』 初野 晴著
 「ハルチカ」シリーズの2作目で前作『退出ゲーム』最終章の前半部分、発明部の荻本兄弟の登場のくだりで本シリーズのカラーが確立したのかなっと。本作でも奇人変人キャラが続々登場し、またまた楽しい。一方、ダブル主人公ハルタやチカたちも進級し普門館出場を目指し目が離せない。なかでも『周波数は77.4MHz』は読み終わると自然と頬を涙が・・・。心温まるとともに「地学部」の麻生さんが男前で惚れてしまいました。彼女のような人が学校にいてくれたらなぁ。第3弾『空想オルガン』は次回に!

よもやま話
 本を寄贈してくれた人が、こんな本でもいいのかなぁっと、異常犯罪者の話。例えば綾辻行人の「殺人鬼」なども。スプラッター(血が飛び散る残虐もの)で中学生が読んで大丈夫?って思う内容。今回紹介している『インストール』なんかも毛色は違うけど大丈夫かなぁって思うところがあって。寄贈者は「うちの子は『殺人鬼』を呼んでキャンプに行くときは気をつけると言っていた」と話してくれました。(『殺人鬼』はキャンプ場で殺人鬼が暴れ回るが、ただそれだけではない話。ですが)
 自分はとにかく何でも読んで考えたら良いと思っています。賛否両論あるとは思いますが、何でもありと思っています。ご意見お待ちしています。
文責 学中 坂先

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