最新更新日:2016/03/31 | |
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図書だより 特別号
図書だより 特別号です
平成22年度(第18回)大桑教育文化振興財団の学校図書の寄贈に本校が選ばれ、400冊弱の本が図書室に増えました。大桑教育文化振興財団は、育英奨学金、文化奨励賞、学校図書の寄贈、各種文化活動の援助、スポーツ活動の援助、教育活動の援助、無形文化財保護団体への援助など多岐にわたる援助を行っています。和歌山の文化発展にご尽力いただきありがたく思います。寄贈していただいた本にはオークワ文庫の印が捺されています。知らずに読んだ人も多いでしょう。今回はこのオークワ文庫からのお薦めです。 『ラブレターc326』ナカムラミツル著 詩って良いですよね。自分ではうまく表現できないことを、こう言えば良いのかって思わせてくれる。明治時代や大正時代の詩人にもはっとさせられる事もあるけど、身近な言葉を使ってるミツルさんは十代のバイブルみたいなところがあります。 記念日に贈るラブレター ふたりがはじめてあった あの日をきねんびにしよう きみがはじめてオナラをした日も きねんびにしよう ぼくらがはじめてケンカした日も きねんびにしよう ぜんぶすんのくだらないことや どーしよーもないこともぜんぶ もうぜーんぶすんのっ。 だってふたりでいるとぜんぶたのしい ぜんぶきねんびになる。 『雨がふっても』田村みえ作 絵本なんですがほんまに絵がかわいい。てるてる天使がほんわかとしてます。ふわふわしてます。短い詩のような言葉が綴られています。癒されたい人にお薦めです。自分、疲れてるのかなぁ・・・この頃絵本を読みたくなります。 おなじばしょにとどまるキミも 新しいトコロにいくキミも どちらもとってもかっこいい 『一筆啓上日本一短い「家族」への手紙』 手紙って書いてますか。?年賀状くらいかなぁ。そこへの一言も書かなくなってきました。この本は第一弾が「母」への手紙だったようで。泣けてくるもの、笑えるもの、家族を思い出して田舎に電話したくなりました。「そのうち帰るよ、孫を連れて」って。 作品から 天国のじいちゃんへ あなたがいなくなった分だけ、家の電気明るくしたよ (秋田県9歳) 日ようびはね、あさねぼうしていいよ、おかあさん おなかがすいたらおきてきてね。(秋田県7歳) 『生きる意味って何だろう? 旭山動物園園長が語る命のメッセージ』小菅正夫著 2年前の春休みに北海道を訪れ、旭山動物園に行きました。動物園って大人になってもわくわくするものです。一生懸命に生きる動物たちは「命」と「死」の意味、生きる知恵を人間に教えてくれます。園長は言います。「動物たちを見ていると、人間は特殊な生き物だと思う。それは人間が特別優れているという意味でなく、自分たちの住む環境をどんどん破壊していく珍しい生き物だ」と。生きる意味って何なんだろう? 『ドン・キホーテ』セルバンテス著 岩波少年文庫の一冊。名前だけは聞いたことがあるかもしれません。自分では買わない、そんな本に出会えるのが図書室です。どんどん活用しましょう。内容は、スペインの騎士道小説を読みすぎて、自らも遍歴の騎士となりて世の不正をただそうと旅に出た、ドン・キホーテと従者のサンチョが引き起こす数々の事件。有名な風車の事件は彼が経験する初めての冒険譚です。 『日本史恐怖の館』シリーズ藤田晋一著 最近ホラーが流行のようで、山田祐介氏の本がよく貸し出しされます。せっかくホラーを読むのなら、歴史に関する恐怖の物語を読めば良いのにと思い、紹介します。「驚異の呪術者・役小角」「奈良の大仏と祟りの連鎖」「怪人たちの闇の歴史」「鬼道の女王・卑弥呼死す」「奇跡の超能力者・聖徳太子」などタイトルを見ただけでも面白そうではありませんか。各時代の恐怖の話が取りそろえてあります。一度手にとってみませんか。 『世界史恐怖の館』シリーズ藤田晋一著 実は日本史だけでなく世界史シリーズもあります。地域別の恐怖の物語。アジア・オセアニア編には「キョンシーが襲う夜」「暗黒の三国志演義」「古代インドの聖典の謎」など。恐怖を味わい歴史を学べるなんて一粒で二度おいしい・・・とは少し違うかな。とにかくチャレンジです(怖いのが苦手な人は無理をせず) 『ももこのいきもの図鑑』さくらももこ著 さくらももこの著作って何の気なしに読むにはもってこいです。無駄な時間があれば読んでみましょう。って無駄な時間はないですか、中学生には。その中からいきもの図鑑。著者の経験ともにさまざまな生き物が紹介されています。その中でも「アメリカザリガニ」の話は笑えます。アメリカザリガニを捕まえにアメリカに行こうとするさくらを日本の田んぼに連れて行くヒロシ。こんな話大好きです。さくらさん、サイコー! 裏に「オークワ文庫」一覧をつけています。 文責学中坂先 図書だより8
第8号です。月曜日に印刷したものは配布しますが、一足先にHPにアップしておきます。
早いもので明日は卒業式。3年生の皆さんとはお別れです。進路が決まった人、県立高校の受検を前にドキドキしている人。好きな人に思い切って告白しましたか?後で悔しいと書いて後悔といいます。 後悔しないように今できることは、今しようね。 今回のテーマ 卒業生に送る本。 『1分間でやる気が出る146のヒント』 ドン・エシッグ著 1分でやる気を出すヒントが146載ってます。長所は自分で手に入れる。大切な人は誰か考えてみる。人生に対して情熱を燃やす。ピンチをチャンスに変える。まわりの人をほめる。物事をよい方向に考える人とつき合う。笑う。最後までやり遂げる。いっしょにいて楽しい人になる。つらいときこそ、上を向く。言い訳はをやめて、やってみる。なりたい自分になる。あとがきにバーナード・ショーの言葉「人々は今の自分の状態を環境のせいにばかりにしているが、私は環境など関係ないと思う。社会的に成功している人は、自分の望む環境を積極的に探し求めて、もし見つからなければ自らそれを創り出す人だ」という言葉を紹介しています。ショーは一五歳までしか学校教育を受けていないそうです。一五の春を迎える君たちへ、環境は創り出すものだ。 『空に描いた歌』 俵 万智選 平成10年に出版された本です。1988年から1998年までに「現代学生百人一首」東洋大学発行に掲載されたものを俵さんが選びました。君たちが生まれた頃の学生の思いが詰まった歌集です。 ボール追い土にまみれて笑う君流れる汗より光り輝く犬のごと受験戦争終わるまであれもおあずけこれもおあずけ 部活動続けてよかった三年間敵には負けたが自分に勝った 手をつなぐタイミングさえつかめずに少し離れて歩く公園 「これでいい?」そう言いながら引きちぎり渡してくれた第2ボタンを 『おぼえておきたい日本の名詩100』 詩を読むと気持ちが落ち着きます。好きな詩人は中原中也に萩原朔太郎。谷川俊太郎も良い。結構詩集を集めますが、その入門編。多くの詩人に会えます。ドラマなどでも有名になった茨木のり子さんのこの詩 自分の感受性くらい ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにするな みずから水やりを怠っておいて 気難しくなってきたのを 友人のせいにするな しなやかさを失ったのはどちらなのか 苛立つのを 近親のせいにはするな なにもかも下手だったのはわたくし 初心消えかかるのを 暮しのせいには するな そもそもが ひよわな志にすぎなかった 駄目なことの一切を 時代のせいにはするな わずかに光る尊厳の放棄 自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ 『だいじょうぶ だいじょうぶ』いとうひろし作・絵 絵本です。「おじいちゃんが いまより ずっと」元気だった頃、幼い少年とおじいちゃんは「まいにちのように おさんぽを たのしんでいました」。家の近くを歩く二人は冒険をしているような気持ちで楽しく魔法にかかったように世界が広がるのでした。楽しいことだけでなく、困ったことや怖いことにも出会いました。怖がって不安になっている少年におじいちゃんは「ぼくの てを にぎり、おまじないのように つぶやくのでした。「だいじょうぶ だいじょうぶ」」この言葉を聞いて少年はどれほど心強く思ったでしょう。成長した少年は「ずいぶん としを」取り入院してしまったおじいちゃんのベッドの横でおじいちゃんの手を握りながらこう繰り返すのです。「だいじょうぶ だいじょうぶ」と。自分も君たちの手を握り、言ってあげたいものです。 「だいじょうぶ だいじょうぶ」 『あしたのぼくは』 みやにしたつや 作・絵 これも絵本。「ぼくはハンバーグはだいすきだけど、ピーマンとニンジンはきらい。でもあしたのぼくは・・・」ページをめくると「ピーマンむしゃむしゃ。ニンジンぱくぱく。おいしい!おいしい!」今は嫌いで出来ないことでもきっとあしたのぼくは出来るはずさって思って過ごしましょう。 『はらぺこヘビくん』 みやしにたつや 作・絵 同じく絵本。これは何とも言えずばかばかしい。落ち込んだときにはお薦めです。はらぺこヘビくんが散歩していたらリンゴが落ちています。「どうしたとおもう?」丸呑みです。バナナも三角おにぎりもパイナップルも。最後にはリンゴの木を見つけます。大きな口を開け・・・傑作です。 『鈴の鳴る道』 星野 富弘著 不慮の事故で手足の自由を失い、僅かに動く口に筆をくわえて詩画を描き続ける星野さんの作品集です。高校の時、盲腸の手術をして入院中に担任の先生に差し入れしたもらった本でした。すばらしい作品の数々。 その中からひとつ。 いのち いのちが一番大切だと 思っていたころ 生きるのが苦しかった いのちより大切なものが あると知った日 生きるのが嬉しかった 三年生の皆さん。卒業おめでとう!文責 学中 坂本 図書だより7
図書だよりです。
第7号 一月は「いぬ」二月は「にげる」三月は「さる」と言うように、あっという間に年度末となりました。三年生は残り数日・・・。楽しい思い出はできましたか?友達に言い忘れたことはないですか。残りの日々を大切に過ごして下さい。図書室で借りた本は返してくださいね(笑) 今回のテーマ 最近読んだ本と、卒業しても読んで欲しい本。 『遠まわりする雛』 米澤 穂信著 『氷菓』で文化祭用の文集を作り始め、『愚者のエンドロール』で他のクラスの映画作りを手伝った古典部。『クドリャフカの順番』でいよいよ、文化祭当日を迎えた古典部。今作は、この三冊の物語の合間の話と文化祭後の話。古典部メンバーの一年間の出来事を季節感豊かに描いた全七編の短編集。折木奉太郎と千反田えみの微妙な距離が少し近づいたかなぁって思った「あきましておめでとう」。その距離はやっぱり遠かったかと思う「手作りチョコレート事件」。いやいや折木の気持ちがぐっと動いた表題作「遠まわりする雛」。これからの二人の関係が気になります。雛人形に扮したえみにドキッとするホータロー。その雛が村をまわるのにいつもの橋が工事中。まわる日は工事を止める手はずがなぜか工事が行われ、通れない。遠まわりすることになるのですが・・・想像力が乏しいので真相を映像で見たい物語。きっとすてきな画になると思います。この時期にぴったりです。 『アンフェアな月』 秦 建日子著 何年か前にアンフェアというドラマがありました。犯人を射殺した刑事「雪平夏見」を篠原涼子が演じて面白かったのですぐに原作を買って読むと、ドラマとの違いが大きすぎて愕然とした本でした。『推理小説』というタイトル。キャラクターが立っていました。ドラマが面白くて原作は・・・第2作避けていました。読んでよかった。面白いです。誘拐もの・・・でも何かが変。雪平の行動力がものを言います。元々は脚本家の原作者、今も『スクール』っていいドラマの脚本書いてます。今クール一押しのドラマです。 『99のなみだ 第2夜』 本当にあったこころを癒す10の物語と副題にあるように本当にあった物語。「嘘」という話は大学生の彼と高校生の彼女に子供ができ、堕胎する話。彼女の母はシングルマザー。理容師をしていて忙しい。こっそり堕胎し食欲のない娘を食事に誘い「違ってたらごめんやけど・・・妊娠した?」と聞く。彼と別れ誰にも話すことができず母にも嘘をついて苦しい思いをしていた娘は一気に話す。でも母は責めるでもなく「ごめんね」と呟く。この母は何かあると死んだ父親が夢に出てきてアドバイスをもらうのだが、子供の水子供養に行った帰り母はこんな夢を見たという。「おじいちゃんが性別のわからない子供を抱いて、大丈夫だよ、この子はおじいちゃんが見てるから心配しなくても大丈夫だよって」娘の目を見ずに母が言う。嘘の嫌いな母がついた優しい嘘だと気づく娘の目に涙。ついでに自分の目に涙。 『くじけないで』 柴田 トヨ著 トヨさん、98歳。トヨさんのやさしい言葉で語られます。 くじけないで ねぇ 不幸だなんて 溜息をつかないで 陽差しやそよ風は えこひいきしない 夢は 平等に見られるのよ 私 辛いことが あったけれど 生きていてよかった あなたもくじけずに 『枝豆まめしばとアラスカの冷蔵庫』 キムソクウォン・渡辺祥子著 ねぇ知ってる?ゴボウの花言葉は「いじめないでなんだって。 ねぇ知ってる?カメレオンはびびったとき、体の色が白くなるんだって。 ねぇ知ってる?晩年、コロンブスは転職して予言者になったんだって。 ねぇ知ってる?考える人は実は地獄をのぞいてる人なんだって。 『14歳からの哲学 考えるための教科書』 池田 晶子著 テーマは「考える」「言葉」「自分とは誰か」「死をどう考えるか」「体の見方」「心はどこにある」「他人とは何か」「家族」「社会」「規則」「理想と現実」「友情と愛情」「恋愛と性」「仕事と生活」「品格と名誉」などなど。哲学は難しいというイメージがありますが中学生でもわかるように書いてます。「考える」ことが出来るのが人間。「人間は考える葦である」「我思う(考える)ゆえに我あり」どちらも有名な哲学者の言葉。考えるヒントになればと思います。 『小惑星探査機 はやぶさ物語』 的川 泰宣著 「はやぶさ」は、工学実験を行うために開発された探査機。小惑星を探査し、将来の本格的なサンプルリターン探査に必要な技術を実証するのが目的。小惑星とは、太陽系の太陽および9つの惑星とそれぞれの衛星以外に存在している小さな星を指します。「はやぶさ」が探査するのは、地球の軌道と似た軌道を持ち、日本のロケット開発の父である故糸川英夫博士にちなんで「イトカワ」と名付けられた小惑星。「はやぶさ」はイトカワまで飛行し、自律的に小惑星に近づき、その表面から物質のサンプルを持ち帰りました。回収された試料が少量であっても、地球上で最新の精密な分析を行うことができるので、その科学的意義は極めて大きい。この「はやぶさ」の打ち上げから帰ってくるまでの苦労がよくわかる物語です。日本の科学技術はやっぱりすばらしい。「二番じゃだめなんですか」「だめなんです!」 文責 学中 坂先 図書だより2 再
同じく第2号も
週刊で発行するために時間があれば本を開いてま す。なかなかお薦めできる本には出会えませんが、 新作・旧作、よりとりどりで読んでは書いてを続け たいと思います。 それでは、 今回のテーマ 冬休みに読んだ本その2です。 『赤い指』 東野 圭吾著 またまた東野圭吾です。偏ってるなぁ。新春ドラマの原作です。原作が始まる直前に読みました。ドラマを見てからだと読まないと思ったので。加賀恭一郎シリーズ。阿部さんは良い役者ですね。また加賀恭一郎シリーズでドラマを見たいです。『新参者』も良かったですし。『新参者』はテレビドラマの途中から読みました。ドラマ実は見てなくて。読んだあとから見始めるとなかなか面白かったです。『ガリレオ』シリーズだけでなく、どんどんドラマ化してもらいたいものです。『赤い指』タイトルの意味が最後になってなるほどって思えた秀作です。 『謎解きはディナーのあとで』 東川 篤哉著 執事とお嬢様刑事が、6つの事件を名推理! ミステリ界に新たなヒーロー誕生! 主人公は、国立署の新米警部である宝生麗子ですが、彼女と事件の話をするうちに真犯人を特定するのは、なんと日本初!?の安楽椅子探偵、執事の影山です。 彼は、いくつもの企業を擁する世界的に有名な「宝生グループ」、宝生家のお嬢様麗子のお抱え運転手です。本当は、プロの探偵か野球選手になりたかったという影山は、謎を解明しない麗子に時に容赦ない暴言を吐きながら、事件の核心に迫っていきます。この暴言がなかなかのものです。 本格ものの謎解きは本格好きには物足りないかもしれませんが、ユーモアたっぷりのふたりの掛け合いが楽しい連作ミステリです。 『九杯目には早すぎる』 蒼井上鷹著 本作は9編の短編やらショートショートやらが収録された作品です。その中でのお薦めは、始めの 「大松鮨の奇妙な客」 旦那が浮気をしているから尾行してくれないか、と妻の友人から依頼があり、探偵小説が大好きな蓑田はその旦那とやらを尾行することにするのだが、大松鮨という寿司屋で大将を怒らせるようなとんでもない食べ方をする奇妙な男で…さてその行動の本意は?。これは最後まで読んで、なかなかやるなぁって思いました。 いくつかあるショートショートでは 「九杯目には早すぎる」 本のタイトルになってます。推理小説が好きな人なら「九マイルは遠すぎる」を連想するタイトルですね、ってあとがきにこのタイトルにした、その狙いが書いてありました。バーでの会話の中に「九杯目には早すぎる」というセリフが出てきます。その言葉の真意は? 全体的に読みやすい本でした。ただ、この作者は人が悪いのではないかと思われる内容で…人の良い自分には馴染まない作品でした(笑) 『天使の耳』 東野 圭吾著 交通事故などを扱う交通警察物の短編集。どの作品も東野テイスト満載でした。その中でもやはり表題作の「天使の耳」は秀逸です。交差点で交通事故が起こるのですが、一方の運転手は亡くなり、もう一方の運転手は自分は青信号で交差点に進入したと言う。目撃者はない。死亡した運転手の車の後部座席には目の不自由な少女が乗っていた。信号機は見えない。しかし彼女は事故のときに車で流れていたラジオ放送を覚えていた・・・。彼女の耳の良さが事件の真相を暴いていく・・・ように思えたのですが、最後に描かれるもう一つの真相。すっと終わってくれないなぁ。この他にも違法駐車の車が起こした悲劇からの復讐劇などなど。これは当たりの東野作品です。 『海のある奈良に死す』 有栖川有栖著 海のある奈良・・・福井県小浜市のことです。現在でも多くの歴史的な仏教建築、美術、仏像が残っている希にみる仏教文化の宝庫。 読み進め、行きたいと思いました。実は何年か前に読んだ本だったんですが本屋で郷土の本として紹介されていたので久しぶりに読みなおしました。そこで・・・○○○の○○が出てくるではないですか。近くなのに行ってない。見ていない。詳しく書いたらネタが割れてしまうので書けません。が、読んだら見に行きたくなります、きっと。自分もそのうち○○を見に行きたいと思います。 『氷菓』 米澤 穂信著 何事にも積極的に関わろうとしない省エネ主義を信条とする高校生の折木奉太郎は、姉の折木供恵の勧めで神山高校の古典部に入部する。そこで出会った仲間と共に、日常に潜む数々の謎を解き明かしていく内に、古典部の文集「氷菓」に秘められた三十三年前の真実に挑むことになる・・・面白い!実に面白い!!久しぶりにヒットです。このシリーズ、すでに第5弾まで出ているようで、次の作品にもチャレンジします。そして早々に紹介したいと思います。殺人事件や大掛かりなトリックだけが推理小説ではないのだ。高校生の会話もなんかしっくりきて良いですねぇ。デビュー作とは思えません。中学生にも読みやすい本でした。 図書だより1 再
文字ベースの図書だより。第1号を載せていなかったので。
新年明けましておめでとうございます。今年は図書室にある本をかたっぱしから読んで紹介しまくろうと考えています。目指せ週刊!!無理かな・・・それでは、 今回のテーマ 冬休みに読んだ本その1です。 『白銀ジャック』東野圭吾著 新月高原スキー場でリフトやゴンドラの運行を行う索道事業部で働く倉田玲司。スキーヤーが気持ちよく滑走できるよう、トラブルの回避やスキー場整備に常に心を配る毎日だったが… 一通のメールで平穏な日々が一転してしまう。何者かが、スキー場に爆薬をしかけたというのだ。3日以内に3000万用意しなければ、取引中止とみなし、タイマーを作動するのだと脅迫文を送りつけた犯人。 警察に届けようと提案する倉田に、スキー場の収益のことを考え、犯人の要求に従おうとする上層部。パトロール隊員の根津が、身代金の運び屋として名乗り出たが…。 東野圭吾は本により出来不出来が大きいような・・・。はずれではないけど大当たりではないって感じの本でした。年明けると百万部突破ってなってびっくりです。 『六とん2』 蘇部 健一著 ○最後の事件 いきなり壮大にバカな作品で笑えます。 ○三色パンの秘密 ミステリ分が強くていまいち。バカ要素もあるにはあるのだけれども。 ○甘い罠 この本では絵でオチをつけているものがいくらかあるのだけれども、この作品は途中のカラー写真を見てもまったくオチがわからなかった。 ○行列のできるパン屋さん オチが読める作品ではあったけれども、なかなかいい話でした。が納得がいかないかな。 ○読めない局面 面白かった。自分もコレを「ヒカルの碁」で知りました。 ○誓いのホームラン これはひどい。病気の少年のためにホームランを打つ約束をする話・・・よくある話なのだが、とにかくひどいとしか。 その他・・・ひどいのもあります。ひどいばっかりだなぁ。が、面白いのもあります。 『ソウルケイジ』 誉田 哲也著 ドラマになったストロベリーナイトの主人公姫川玲子シリーズ第2弾。多摩川土手に乗り捨てられたワンボックス・カーから、血塗れの左手首が発見された!姫川たち捜査一課殺人犯捜査係の刑事たちは、所轄と組んで捜査にあたる。しかし、手首の持ち主と思しき男の周辺を調べていくうちに、つぎつぎと意外な事実が浮かび上がって・・・。 ドラマを見たのでストロベリーナイトは読んでませんが、なかなかのストーリー展開。ネタは途中で分ってしまいますが、人物造形は秀逸。さすがです。 『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』マイケル・サンデル著 例えば、あなたは時速百kmのスピードで路面電車の運転しているとする。その走行中に、ブレーキ故障に気が付く。直進すると前方の工事作業5人をひき殺すことになるが、横の待避線入れば1人の作業員を巻き添えにするだけで済む。どうすべきか? やむを得ないのであれ1人の方へハンドルを切るという答えもあるだろう。では、第2問。前方5人は変わらずだが待避線はない。あなたは運転手ではなく線路を見下ろす橋にいる。そしてデブ男の後ろいる。デブ男を待避線上に突き落とせば、デブ男1人の死体で電車は止まり、5人が救える。あなたは電車を止められるほどデブではない。どうすべきか?が一番この本で有名な話ですね。あとは難しい。ハリケーンのあと、物の値段が軒並み上がるって話。どこに正義があるのか・・・考えてみましょう。 『往復書簡』 湊 かなえ著 『告白』でブレイクした作者なのでかなり期待して読みました。3編からなる物語。手紙のやり取りだけで話が進んでいきます。『告白』も基本そうかな、手紙ではないけど一人称物語。きっと得意なんでしょうね、この形式。ちょっとだけ最後に驚きがあります。期待して読むと期待はずれなので、あまり期待せずに読みましょう。そうすると素直に「へぇ〜」って言えると思います。 |
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