豊富町立兜沼小中学校

校長あいさつ

本校は、北海道の利尻・サロベツ国立公園の北端に面し,広大な丘陵地帯にあります。寒冷な気候を利用した酪農がさかんで、豊富牛乳のブランドとして全国各地に出荷されています。  学校の歴史は古く、サロベツ原野の開拓とともに学校が開設され、平成29年5月10日には兜沼小学校開校110年・兜沼中学校70周年を迎えました。2020年度からは小規模特認校(小中併置)として、小学生10名、中学生2名の計12名が学ぶ、へき地にある小さな学校です。  地域住民の教育に対する期待は大きく、子どもたちを地域の宝として大事に育てています。また、学校が地域コミュニティーの中核を担っており、地域にとって大切な存在となっています。
 本校のようなへき地にある学校の課題は、少人数であることから、大きな集団の中で培われるコミュニケーション能力や社会性、競争心などが育たないこと、集団学習や学び合いができないこと、遊び相手がいないことなどですが、一方、へき地教育には三特性「へき地性」「小規模性」「複式形態」という優位性があり、へき地の学校だからこそできる教育があります。具体的には、児童生徒の一人ひとりの個性を生かす個に応じたきめ細かな指導、自学自習の経験を生かした自ら学び考える力の育成、豊かな自然環境を生かした教材や体験活動、地域住民と連携・協力した教育活動などができる強みがあります。本校では、これらのへき地教育の特色を最大限に生かしながら教育活動を行っています。
 現在全国の学校はコロナ禍の中で学びの保障をどう進めるかが喫緊の課題となっています。本校においては、令和3年4月よりGIGAスクール構想による一人一台端末を活用し、いつでも同時双方向オンライン授業ができる体制を整えています。毎日の健康観察や課題の配信・提出・採点もオンラインでできるようにし、6月からはAI学習教材「Qubena(キュビナ)」を同窓会・町内会・保護者の皆様のご支援により導入し、「個別最適な学び」が実現しています。  本校の教育における立地環境は都市部とは違いますが、豊かな自然環境の中で感性を培うことも、また情報テクノロジーを活用した都市部にも負けない学習環境をもつことの両方が実現できていると自負しています。  これからも不易流行の言葉の如く、これまで先人達が積み重ねてきた学校の伝統を大切にしながら、激しく変化する社会情勢の中、自己変革を目指し挑戦し続ける学校でありたいと考えています。
校長 佐藤佳弘(2021.6.29)

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