12月16日 春日井市立押沢台小学校での学び(安部・加藤奨基・高桑)

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 こんにちは。4期生の安部、加藤奨基、高桑です。12月16日に押沢台小学校に行かせていただきました。玉置先生による、本物の子どもの前での模擬授業、その後の講演を含め、多くのことを学ばせていただきました。

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 こんにちは。4期生の安部です。先日、春日井市立押沢台小学校に行かせていただきました。今回はなんと、初めて玉置先生の講演のお手伝いをさせていただきました。それは私と高桑さんで、行われた授業について玉置先生にインタビューをするというものです。私と高桑さんは数日前に違う学校の講演で、「17番目の秘密」を先生方相手に授業されているいるのを見ていました。そのこともあって、玉置先生は今回、インタビュー方式のお手伝いをしてみないか、という提案をしていただきました。どんなことを質問したら深い内容になるのか、とても緊張しましたが、何とか任務を果たすことができました。玉置先生からもお褒めの言葉をいただき、とても嬉しかったです。

 先生の授業を本物の子ども相手に改めて見させていただいて、目の前の子どもとのやりとりが本当に上手いなぁということを実感しました。前回は先生たち相手だったため、もしかすると、先生が意図する発言が出てくるのは当たり前かもしれません。

 しかし、今回の授業は本物の子ども相手でした。1番前で、先生が指示する前からどんどん計算してしまう子、「計算するのがめんどくさいなぁ」という素直な気持ちを話す子どもなど様々な子どもがいました。そのような中で、先生は、なるべく多くの子どもを巻き込んで、それぞれの特性を生かしてみんなで作り上げる授業展開をされていました。

 例えば、先ほど挙げた、自分で勝手に計算を進めてしまう子どもに対して、厳しく指導するよりも、その子のノートを黒板にそのまま書いて「彼女、何やってるかわかる?」という発問をしました。その女の子がノートに書いていたものはこの授業の核心に迫るもので、それをみんなに共有する、しかもどうしてこの行為をしたのか、全体に問うことで、ぐっと解決に向かうのだということに気が付きました。この発問を聞いた時は、さすが玉置先生だなぁということを感じました。一人一人の子どもの行動、発言、つぶやきをどのようにつなぎ、コーディネートするか、それが教師の腕の見せどころだと思います。自分には到底できるものではありませんが、先生の授業を頭に焼き付けて自分もいつかあのような素晴らしい授業ができるように頑張りたいと思います。

 今回も多くのことを学ぶことができました。玉置先生をはじめ、押沢台小学校の関係者の皆様、ありがとうございました。(安部)


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 こんにちは、玉置ゼミ4期の加藤奨基です。春日井市立押沢台小学校で、玉置先生の飛び込み授業と講話を見学させていただいたので、記事にしたいと思います。押沢台小学校は小高い丘の上に建っていて見晴らしが良く、周囲をぐるりと囲んだ山が紅葉しており、とても綺麗な景色の学校でした。

 今回の講話は新しいスタイルでした。玉置先生の授業を見ていたゼミ生が、授業中の先生の気になった働きかけについて質問し、それに先生自身が答えていくというものです。自分は記録行ったので、それらを記していきます。

〇子どもに、「17番目の秘密」というタイトルから、何を思ったかを質問したのはなぜか。
 授業では何を言っても良い、ということを分からせるため。子どもの「えっ!」という発言も褒め、「何か思うということはいいことだ」と価値付けした。

〇子どもの気持ちを黒板の隅に板書していたのはなぜか。
 対話のタネにする意図があった。「こう言ってたけど、どう思う?」と後から発言を生かすことができる。また、グループ活動中に子ども同士の繋がりを書いておくことで、後で拾うこともできる。

〇ペア交流を多めにしたのはなぜか。
 どこまで子どもが理解しているか、確認するため。また、子どもの頭の中を整理し、束ねるため。できる子どものペースで進めると全体がうまくいかないと感じ、ペア交流を多くとった。

〇後ろ席の子どもの食いつきがよくない。「(問題に対して)どう思う?」声をかけると「面倒くさい」と反応。それでも、「『面倒くさい』も良い」と価値付けしたのはなぜか。
 「面倒くさいから簡単にしよう」という気持ちの転換を図りたかった。馬場先生の言葉に、「教師は、子どものどんな発言でも舞台に乗せられる」というものがある。ふざけている発言でなければ、深い教材研究が必要だが、価値付けすることでどこかで生かすことができる。

〇褒め言葉がとても多かったが、どういった意識だったのか。
 事実を基にして褒める。ヨイショで褒めるのは逆効果。また、褒めすぎもあまりよくない。対象の子どもの様子を見ながら、褒めるところは褒め、注意するところは注意する。

〇一人だけでどんどん問題を進めてしまう子どもにはどう対応すればよいか。
 どんどん問題を進めていくということは、授業にのめり込んでいる証拠。全体へ繋いで、子どもを生かしていく。

〇「(子どもの発言に対して)今、なんて言ったか分かる?」と発問し、もう一度子どもに返しているのはなぜか。
 発言の核となる、「一番おいしいところ」は子どもの言葉で言わせたいため。教師はよく、子どもの発言の足りない部分を補って、言い過ぎてしまう。子どもに問い返すことで、子どもに言わせている。

〇「法則」「仮説」などの小学生には難しい、数学的な用語を使ったのはなぜか。
 子ども目線で、大人の言葉を使って褒められると嬉しいため。また、難しい言葉に触れる機会を設けることで、子どもの経験値にもなるため。

〇「17番目の秘密」の法則を見つける活動の際に、「動き回って探す」という指示をしたのはなぜか。
 法則を見つけるには、必要なやることが多いので、役割分担が必要である。その役割分担を価値付けするため。また、子どもの様子を見ていて、「動き回る」ができそうなクラスだと判断したため。「役割分担する」ということは、授業の枠を超えて一生使えることである。そのため、役割分担を価値付けした。

〇グループ活動を指示した際、一人でいる子どもに、どのように声を掛けたのか。
 グループになり、繋がれるように声をかけた。グループ活動にした時は、離れている子どもがいないかをよく見る。また、グループの隊形になっていても話し合いに入れていない子どももいるため、そのような子どもを見つけて声をかける。

 以上が、ゼミ生の質問と玉置先生の答えになります。先生の働きかけで特に印象的だったことが、子どもの様子をみて働きかけを変えていく、ということです。自分が授業者だったら、子どもが予想外の行動をした時に、すぐに調子が狂ってしまいそうです。玉置先生のように、落ち着いて子どもの様子を見て、これから行う働きかけが子どもにとって最高のものになるように対応する力を身に付けていきたいと感じました。

 また、授業をみて質問をしていた安部さんと高桑さんも凄いなと感じました。自分には、まだまだ二人のような授業を見る目が足りません。これから、どんどん精進していきたいです!玉置先生、校長先生をはじめとする押沢台小学校の先生方、ありがとうございました。(加藤)

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 こんにちは、4期生の高桑です。先日は、押沢台小学校に伺い、玉置先生の「17番目の秘密」という算数の授業を見ました。本物の小学生を相手に玉置先生が授業をする姿を生で見るのは初めてのことだったのですが、子どもとのやりとりが絶妙で、授業を見ながら何度も感動しました。今回は、そこから学んだことを書いていきたいと思います。

 玉置先生はよく、教師と子どものつながりでなく、子ども同士のつながりを重要視すべきとおっしゃっています。私が今まで受けてきた授業は、先生が発問を投げかけてそれにわかる子や自信のある子が答えて解決すると流れが一般的でした。

 しかし、それでは、教師と子どもの1対1のつながりで終わってしまうと同時に、できる子だけで進んでいく授業が当たり前となり、教師の知らないところで苦しむ子どもが増えていきます。それに対して、玉置先生は、華麗に子どもをつなぎ、巻き込みながら、全員で授業を受ける意味を見出していました。例えば、子どもが作業し終わったあとに「はぁ」とため息をついていた様子や「そういうことか!」というような反応をもとに「どう思ったの?」と発問をし、子どもから言葉を引き出していました。

 また、子どもの返答をそのままにせず、「今、〇〇くんどういう言い方してた?」と他の子どもにつないでいました。他にも、しっかりと押さえる必要のあることは「隣同士で説明しあって、確認して」と促したり、最後子どもたちに秘密を見つけ出させる場面では「1人でやっていたら辛いよ、自由に動き回っていいからね」と促し、子どもたちが自然とつながり合える機会を何度もつくっていました。

 このような玉置先生の自然な促しに子どもはのせられ、周りの仲間と協力して学びに向かおうとする姿が多く見られました。私は、いきいきと学習に向かう子どもたちの姿を見て、この授業を通して子どもたちは算数の学び以上に大切な「仲間の大切さ」「学習の面白さ」を学んでいるなぁと感じました。私たちゼミ生にとっても、子どもたちにとっても、学びの多い素晴らしい授業でした。

 そして、授業が終わった後の講演会では、先生方の前で安部さんと2人で玉置先生に質問をするという大役を務めました。とても緊張したのですが、「伝えたかったことを余すことなく聞いてくれた、幸福感に満ちている」と玉置先生にお褒めのお言葉をいただいたので、その日はいい気分で過ごせました(笑)やはり、玉置先生に褒められるのは何ごとにも代えがたい喜びがあります。何を言われるかよりも、誰に言われるかが大事。私も子どもたちにとって、「あの先生に褒められたら嬉しくて、やる気が出る」と思ってもらえるような教師になりたいなと思いました。

 最後になりましたが、玉置先生、押沢台小学校の先生方、素晴らしい学びの機会をありがとうございました。(高桑)
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