OB・OG報告会

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 1月23日(土)、大学にてOB・OG報告会がありました。昨年度大学を卒業され、現在は実際に学校で勤務されている先輩方の「生の声」を聴くことができました。

 まず、私も何気なく使用した「聴く」という漢字。この漢字には耳、目、心があります。学級づくりにおいて「聴く」姿勢は大変重要になってきます。ルールとしてしっかり決めておくことで、学級全体で話す時に聴いてくれているという実感があれば、子どもは自信をもって話すことができます。それに、「聴く」姿勢は授業にも生きています。

 その授業づくりについては、とにかく日々研究し続けている様子がうかがえました。先輩の先生の授業を観察する時間を意図的に設けたり、自分が行った授業の板書やその日の反省を毎日記録し続けたり、少しでもより良い授業をつくるために、自分なりの工夫が必要になってくることを改めて感じました。特にキーワードとなるのが「パターン化」。次に何をやるかが分かっていれば、子どもたちからも自然と発言が出てきて、無駄な時間を省けるというものです。すぐに実現するものではないので、やはり日々の積み重ねの延長にあるのだと思いました。

 この他にも、クラスの子どもや保護者との具体的なエピソードも話していただき、本当に充実した半日となりました。教員採用試験という大きな壁はありますが、そこがゴールではなく、もっとその先の「どんな子どもを育てたいか」という一貫した自分の軸は、今から持っておきたいです。(佐藤)

小牧市立篠岡中学校での「学び合いの授業」

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 今回見させていただいた授業は、中学三年生の国語の中の漢文でした。すでに学校のテストが無いこともあり、栗木先生は、「人生に役立つ国語」として、授業を進められていました。

 学び合いの授業ということで、授業中にはグループやペアになり、お互いに考えたことを紹介したり、教え合う姿が多く見られました。

 私が一番印象に残っていることは、授業の中で、生徒が挙手する場面が全く無かったことです。質問の時間に栗木先生に尋ねたところ、授業で挙手を求めたのは、「分からないことがある人?」だけでした。

 では、どのように授業が進んでいるのかというと、まず、先生が出した質問に対して、グループで考えます。その時、先生は、机間指導において、グループ内で話し合いに参加できていない生徒がいないかなどを見ているそうです。話し合いを終えると、先生が一人の生徒を指名して答えさせます。先生は、グループ内であまり自分の意見を言えてなかった生徒を指名しているそうです。その次からは、生徒のグループでの話し合いの様子や、発表を聞いている時の反応や表情をもとに、先生が指名して授業は進んでいきます。

 なぜ指名で授業を進めるのか尋ねたところ、栗木先生は、「挙手制だと分かる子の進行になってしまう、分からない子に寄り添った授業をしたいから。」とおっしゃっていました。

 私は教育実習の自分の授業を思い出し、確かにそうだと感じました。指名というのは、簡単にはできないことですが、学び合いの授業だからこそ、先生が生徒を観察する時間が増え、指名を考えることができるし、生徒もグループ内で話し合いをしているので、いきなり指名されても自分の言葉で発言できるのだと思いました。

 最近は講演などで学ぶ機会が多く、久しぶりに実際の授業を見させていただいたので、生の授業力を学んだとともに、先生に対する憧れをより強く刻み込むことができました。場を設定してくださった玉置先生、あたたかく迎えてくださった篠岡中学校の先生方、ありがとうございました。(牧野)
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小牧市立篠岡中学校の「学び合いの授業」

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 わたしは、1月26日に小牧市立篠岡中学校に行き、学び合いの授業とその後のヒアリングに参加させていただきました。

 中学校3年生の国語科で、授業内容は漢詩の読み方と意味をおさえるというものです。学び合いの授業によって、この単元がどのように輝くのか、とても楽しみにしていました。

 授業がはじまって間もなく、学び合いの活動は開始されました。電子黒板に漢詩が提示され、「レ点、一ニ点はどんな役割をしているか?」という発問に、子どもたちはすばやくグループをつくり、学び合いを始めました。その活動の様子を観察してみると、まず、子どもたちの話す量に圧倒されました。子どもたちだけでどんどん話が発展していくのです。レ点、一ニ点の役割を確認して終わるのではなく、自分たちで読み方を確認したり漢詩の引用源の話をしたりしていました。また、学び合いのなかででてきた疑問を先生がひろい、全体で解決をしていくという流れはとてもスムーズで理想的でした。

 学び合いの活動のなかで素敵だなと感じたのは、手がとまっている子に対し「わかる?」と声かけして丁寧に説明しているところです。一斉授業ではなかなか一人ひとりに教えることは難しいですが、学び合いでは友だちが教えてくれます。そして教えている側の子たちもまた、理解したことを言葉にして表現することで定着力が高まります。多くの子どもたちがグループ内でたくさん発言している姿は、とても印象的でした。

 学び合いだけでなく、先生が発する言葉にも子どもが話したくなる工夫がありました。たとえば、「アッパーってどういうこと?」という言葉です。「アッパー」は、子どもがレ点を説明していたときにでてきた言葉です。レ点の役割を知っている人からすれば、なんとなく言いたいことはわかりますが、そこで「アッパーってこういうことが言いたいのかな?」と教師が説明するのではなく、「アッパーってどういうこと?」と聞いて子どもに説明させていました。

 その後のヒアリングでは、先生が学び合いをはじめたきっかけや、考えを聞くことができて、とても有意義な時間を過ごすことができました。「学び合い=自ら聴くこと」とおっしゃっていたことが心に残っています。子どもたちが自ら聴くことができる授業を教師がつくっていく必要があるということも感じ、そんな授業をつくりたいと思いました。

 今回、こんな貴重な機会をいただくことができ、改めて感謝の思いでいっぱいです。本当にありがとうございました。(大澤)

考える力

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 「考える力」―あるいは、「考えかたのさまざまなパターンを身につけた」ということです。

 的確に、批判的に、情報を読み取る能力。
 問題を探し出す能力。
 素朴な疑問からスタートして、それを明確な問いとして表現する方法。
 問いの立てかたと展開のしかた、論理的に自分の考えを展開する力。
 そして、何よりも問いをずらしていくことで隠された問題を探っていく方法。

(苅谷剛彦著「知的複眼思考法」、p56)<玉置>

小牧市立篠岡中学校での学び合い授業参観とヒアリング

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 1月26日(火)小牧市立篠岡中学校で学び合いの授業を参観、そして授業者である栗木先生へのヒアリングをさせていただいた。

 私は子どもの自己肯定感を高める授業づくりを卒業論文のテーマに掲げている。「学び合い」について着目していたところ「学びの共同体」というキーワードを見つけ、今回のヒアリングを迎える前に以下の3冊の書籍を読み、勉強した。

・学校を改革するー学びの共同体の構想と実践
・教師たちの挑戦ー授業を創る、学びが変わる
・中学校における対話と協働ー「学びの共同体」の実践

 参観させていただいた授業は中学校3年生の漢文。授業が始まると賑やかだった教室が静かになる。先生からの課題に対して、4人のグループで学び合い。書籍にもあったが市松模様の座席のため、男女間でも積極的に意見を交流することができていた。

 また、「どうして? そこは分からない」「どうやったらそう読める?」とお互いに「分からない」ことを伝えることができており、それを解決しようとする生徒の姿が印象的であった。ジャンプの課題に対しても生徒は楽しそうにグループやペアで学んでいる。

 初めて見た「学びの共同体」の授業であったが、書籍で学んだように1人1人の子どもを大切にし、子どもたちで学びを深めている授業を実際に見ることができ、とても驚いた。

 授業後のヒアリングでは栗木先生への質問を通して、「学びの共同体」への理解を深めることができた。また、自己肯定感とのつながりについても考えることができた。子どもの「分からない」を大切にしていく指導や、子どもが「分からない」と言えることは簡単なことではない。それを自然に行なっていた栗木先生、そして3年生の生徒の姿には、これまでの様々な経験や積み重ねがあったことを知ることができた。

 学び合いの中で、ときに「私はまわりの子よりできていない」と感じることもあるはずだ。しかし、そこで課題と向き合える姿勢を大切にすることで子どもの自己肯定感を高められるかもしれない。いかに課題と向き合えるか、自分から分からないことを聞くことができるかを学び合いの中で大切にする。そうすれば自己肯定感は高まっていくはずである という考えに至ったヒアリングであった。

 学校からの帰り道で、すでに篠岡中学校のHPには私たちゼミ生の写真が掲載されていた。非常に嬉しいことである。お忙しい中、貴重な時間を過ごさせていただいことに感謝し、この学びを今後の研究に活かしていきたいと思う。ありがとうございました。(松井)

篠岡中での学び合いの授業 (2)

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 1月26日、小牧市篠岡中学校で行われた栗木先生の学び合いの授業を見させていただきました。

 「学び合いの授業(1)」では「分からない」という言葉がたくさん聞こえてきたことに関することを書きました。

 今回は授業中の先生視線についてです。

 栗木先生は生徒の表情を見て、生徒を当てていらっしゃいました。授業後にお話をお聞きするとグループで話し合っているときにあまり意見を言えていなかったような生徒を最初に当てるということでした。

 机間指導をしていらっしゃるときも、屈みながら、目線を生徒と同じ目線にしながら話を聞いていらっしゃいました。本当に生徒の表情をよく見ていらっしゃるのだと感じました。

 私が教育実習の中で行っていた机間指導は生徒のノートを見ることで精一杯でした。どんなことを書いているのか、それしか考えていませんでした。どんな表情をしていたかなんて全く考えていませんでした。私の頭の中は「どの子を当てたらスムーズに授業が進むか」ということだけでいっぱいでした。

 栗木先生の授業では発言する生徒がいるときも、先生の視線は周りの聞いている生徒たちに向けられいました。黒板の前からだけでなく、扉の近くから、窓の方からと様々な場所から生徒のことを見つめていらっしゃいました。一点からだけでは生徒たちのことを見ることはできないのだということを学びました。様々な場所から見るからこそ、生徒たちの様々な表情に気づくことができ、指名することができるのだと思いました。

 栗木先生は全体に視線を向けるだけでなく、「◯◯くん、さっきこう言っていたね。」と声を掛けるときにはその生徒のことをしっかりと見つめていらっしゃいました。その生徒が発言していたときの視線は周りへ向けられていたかもしれませんが、発言した生徒のことをしっかりと見て発言の内容について話をしてもらえたらきっとその生徒も「先生はちゃんと聞いていてくれる」と安心することができると思います。

 視線を全体に対する視線と個に対する視線と使い分けていらっしゃるのだと思いました。

 私の卒業論文の中では「子どもをみる」ことについても考えていきたいと思っています。授業の中で子どもたちのことをいかにみるかということについてもとても勉強になりました。(渡部)

篠岡中での学び合いの授業(1)

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 1月26日、小牧市立篠岡中学校で行われた栗木先生の学び合いの授業を見させていただきました。

 授業の中で最初に驚いたことは学び合いの中で生徒たちから「分からない」という言葉がたくさん聞こえてきたことです。私は自分が中学生だった頃、自分の分からないことを表に出すことは恥ずかしいような気がしてしまっていました。しかし、篠岡中学校の生徒たちは「ここが分からない」、「これ何て言うの?」と自分の分からないことを仲間に伝えていました。そして、そこからお互いの考えを話し合っていました。

 その後の先生の言葉は「正直、困っている人?」という言葉でした。私が今まで経験してきた授業では「できた人?分かった人?」という聞き方がほとんどでした。しかし、考えてみると「できた人、分かった人」を当てて授業を進めても結局、一部の分かっている子だけで授業が進んでしまう。考えてみれば分かることだったかもしれません。

 私は今までこのことにさえ気づいていなかったのだと授業を見させていただいて気づくことができました。その後も「よく分からない、困っていることがある人?」と声をかけていらっしゃる場面がありました。そして困っていると手を挙げた生徒たちに対して「いいよ」と伝えていらっしゃいました。

 「分からない」ということを否定しない先生の声のかけ方やクラスの雰囲気が学び合いの授業をつくり上げているのだと思いました。

 分からないことを聞くからこそ教え合う、学び合うことがはじめてできるのだと分かりました。また、その学び合いの授業をつくり上げるためには日々の積み重ねがとても大切だということを学びました。

 私も将来先生になったら子どもたちの「分からない」という気持ちを大切にし、日々積み重ねていくことのできる先生になりたいと思いました。(渡部)

小牧市立篠岡中ホームページにゼミ生登場

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 1月26日(土)に、小牧市立篠岡中学校をゼミ生6名と共に訪問させていただきました。

 その時の様子が、その日にアップされています。このスピード感がホームページでは大切です。

 授業参観やヒアリングでの学びは、「学生の学び」で順次アップします。ぜひお読みください。

20160126小牧市立篠岡中学校訪問

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 1月26日(火)、小牧市立篠岡中学校の栗木教頭先生にお願いをして、3年生国語の「学び合いの授業」を見せていただきました。ありがとうございました。

 ゼミ生の松井君が「学び合いと自己肯定感(仮称)」を研究テーマにしたため、そのための授業参観とヒアリングが目的でした。

 国語専修のゼミ生全員(大澤、中田、牧野、渡部)と小川君が参加しました。実際の授業を見て、かなりの衝撃があったようです。その記録は「学生の学び」でお読みください。(玉置)
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