作文で感動した話(矢崎)

 「日本のいじめ対策は間違っている」

 私は、論述対策で「いじめ」について色々調べたいと思い、ネットで「いじめ対策」と調べた時、この言葉に出会った。

 正直、とても驚いた。私が調べたいと思っていたことを否定している言葉だったからだ。更に、この言葉は中学2年生が書いた人権作文のタイトルだった。あまりにインパクトのありすぎる言葉に惹き付けられ、私は気づけばそのサイトを開いていた。

 この作文を書いた中学2年生の生徒さんは、いじめを受けた生徒をカウンセラーの協力を得ながら支援することやいじめを行った生徒を別室で授業させる、道徳教育の充実は本当にいじめの根本的解決につながっているのかということを問題視していた。

 そして、その解決したいと願う日本の「いじめ」は「長期的に陰湿化しやすい」ことを一番の問題点として挙げていた。

 では、なぜ日本の「いじめ」は「長期的に陰湿化しやすい」のか。その生徒さん曰く、二つ原因が考えられるという。

 一つ目は「日本のいじめは精神的苦痛を主とし、表面上分かりにくく、教師などに気づかれにくい」こと。

 二つ目は「いじめを見ている人の反応」。

 この二つにより、いじめを止めるための「いじめのストッパー」がなく、どんどんエスカレートし、いじめが長期化してしまうということだ。

 だが、三つの要素があれば、誰でも「いじめのストッパー」になれるという。
一つ目の要素は「善悪の判断ができること」。
二つ目の要素は「自分の意見をもつこと」。
三つ目の要素は「他人の意見を尊重すること」。
一つ目と三つ目の要素は既に備えている日本人は多いという。

 しかし、二つ目の要素である「自分の意見をもつこと」が日本人は備えきれていないことが多いという。

 私自身、「周りに合わせること」が良いこととされている空気が日本には流れていると感じる。その空気は周りの人と上手く楽しく生きていくには必要な空気だとも思う。でも、その空気は時として、黒く重い空気になることはないだろうか。私はその代表的な「時」は「いじめ」の場だと考える。

 いじめが行われる場で流れる黒く重い空気を吸うこと、「周りに合わせること」で周りの者は自分を守ろうとする。でも、その空気は重いから、いつまでも吸った人間の中に居続ける。だから、いじめは長く存在し続ける。

 だからこそ、この作文を書いた生徒さんの仰る通り、「自分の意見をもつこと」要素を持つことが重要なのだ。自分はこのいじめは認めない、許さない、黒く重い空気は吸わないと「自分の意見」を一人ひとりが持つことができればいいのだ。

 この生徒さんは日々の生活の中で、集団で一つの課題に対して真剣に話し合い、取り組む活動を取り入れることで三要素が培われると最後に仰っている。これは日々の学校生活の中のどんなときでも、教師の意識次第でどれだけでも取り入れることができるのではないだろうか。つまり、子ども達が三つの要素を獲得できるかは、教師の働きかけも大きく影響するのだ。

 だから、道徳教育であろうとなんであろうと、自分が教師として子どもたちに対して行う活動はこの三要素を意識して構成していきたいと思う。この三要素を網羅するのは簡単なことではないし、今の自分には難しいとはわかっている。でも、この作文を書いた生徒さんが大人になられて、見る教育現場に、周りに合わせて黒い重い空気を吸う子がいないようにしたいと思った。(矢崎)

※ 写真は、林文通先生撮影のある学校の一コマです。記事とは関係ありません。学校のワンシーンがとてもうまく切り取られていますので、使わせていただけるようにお願いをしました。

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7月17日6期生ゼミでの学び(名桐)

 こんにちは。6期生の名桐です。この記事では、算数の模擬授業の活動で学んだこと及び感じたことを述べていきたいと思います。

 今回の活動では、教材をどういった形で子どもたちに伝えるかとても悩みました。オンラインですので、机間巡視や黒板を使った授業ができません。どうすれば子どもたちの主体性を働かせながら進められるかと考えた結果、紙を使った体験型の授業にしようと決めました。

 算数の規則性を見いだす単元だったので、子どもたちの発言が鍵となってきます。どうすればめあてにたどり着くような発言を促せるか、子どもたちの反応はどういった形で現れるか、不安ばかりの模擬授業でした。私自身、算数の授業が最も難しいと考えています。子どもたちの理解度を知ることが容易でなく、また、最も「わからない」が生まれる教科だと思うからです。そこで、子どもたちの言葉を繋いで授業を作っていくことの重要性を改めて感じました。

 子どもたちの言葉を繋ぐことで、その考えを膨らませ意見を共有することができます。ですから、教師が一方的に説明して問題を解くばかりの授業ではなく、言葉を繋ぎ一つ一つの「なぜ?」を解決していくことで子どもたちの中に算数の考え方が蓄積されていくと思います。

 2週連続の発表になり、自分の力を伸ばせる良い機会がたくさんあったので喜ばしいと思いました。また、他のゼミ生の授業も凄くクオリティが高いものばかりなので、これからもお互い切磋琢磨し合ってスキルを磨いていきたいと思います。(名桐)

※ 写真は、林文通先生撮影のある学校の一コマです。記事とは関係ありません。学校のワンシーンがとてもうまく切り取られていますので、使わせていただけるようにお願いをしました。
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