「いのちの授業」を拝見して(牧野)

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 玉置先生が関わっていらっしゃる、「いのちの授業プロジェクト」の、道徳の授業が、実際の中学校で行われた様子を、動画で見させていただきました。

 私は、ゼミでこのお話を聞いていたので、内容としては知っていたのですが、実際の子どもの反応を見るのは、今回が初めてです。

 子どもの反応で1番印象に残っていることは、1番前に座っていた、男子学生のことです。その生徒の、意見を言うときや、玉置先生と話している姿を見たところ、私はその生徒は、クラスのムードメーカーのような明るい存在であると感じました。そんな生徒が、ケイコちゃんの話を聞いている時は、とても真剣な表情をしていて、顔つきの変わりように驚きました。

 また、道徳の授業というと、子どもはあまり進んで感想を書きたがらないこともありますが、線いっぱいに書いている姿も印象に残っています。

 「いのちの授業」が、このように生徒の心に響く理由を、私なりに2つ考えてみました。

 1つ目は、この授業が「ケイコちゃん」と「マイさん」、2人の構成になっているということです。「ケイコちゃん」の話からは、がんという病気の怖さ、悲しさが、「マイさん」の話からは、病気に対して、希望を持つ前向きな気持ち、を主に感じることができます。そして、2人の話から共通して考えられる、「今の自分たちが大切にしなければならないこと」が、この授業の軸になっていると感じました。どちらか1人の話だけでも、道徳の授業は成り立つと思いますが、2人を取り上げたからこその「いのちの授業」だと思います。

 2つ目は、玉置先生の、生徒に対する訴えかけ方です。玉置先生がお話を読んでいる時の声には、聞いている私たちの胸に響くものがありました。重すぎず、それでいて生徒に迫っていくような印象を受けました。また、印象に残っているのは、先生の板書です。はっきりと「生」と「死」という2つの言葉が対称に書かれていました。私が授業者でしたら、「死」という言葉を、何か別の言葉に置き換えていたかもしれません。しかし、大切なところを、遠回しにせず、正面から向き合うからこそ、生徒たちも正面から向き合ってくれるのだと、その板書から学びました。

 今回は玉置先生の授業を見させていただいたので、他の先生方の授業も拝見し、自分なりの気づきをしたいです。サイトを紹介してくださった玉置先生、ありがとうございます。(牧野)
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