白石範孝先生の本を読んで(渡部)

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6月11日の教師力アップセミナーの講師の先生である白石範孝先生が筑波大学附属小学校国語科教育研究部の先生方と書かれた『これだけは教えたい 基礎・基本 国語科』という本を読みました。

この本は先生方が実際に行われた指導について各学年ごとにまとめてあります。白石先生の実践は1年生の「読めるぞ!いろんなお話『あらしのよるに』」というものでした。

白石先生は文学的文章の読みの学習方法の一つとして「作品を丸ごととらえ、読みの方法を学ぶ」という視点で学習活動や指導内容を考えているそうです。作品を断片的にではなく丸ごととらえるために、作品の構造をとらえる読みの方法を子ども自身が身につけ、学年が上がるにしたがって自力で作品を読み、作品を楽しく読んでいけるようにしたいと白石先生はおっしゃっています。

読みの方法として取り上げられていたことは「一文で読む」方法です。一文の形として「〜が〜によって〜する(になる)話」という文型を示し、一文で読むための学習内容として
・場所がどのように変わっているかな?
・話の中で変わったものを探そう。
・話の中で一番大きく変わったものはなんだろう。
・話の中で面白いところを探してみよう。
・面白いこところをもとに、一文で書いてみよう。
と提示していらっしゃいました。

私はこの学習内容を読んだとき、とても分かりやすいと思いました。どの学習内容にも曖昧な表現がなく、もし私が1年生だったら、「わかる!できる!」と思って取り組むことができそうだと思いました。

また、これらのポイントに注目することで話の全体をとらえることができ、一文でまとめるための材料となるのだと思います。1年生の段階では、話の中で大きく変わったことに目を向けて、一文で表現できるようにすることをねらっているそうです。

話の中で一番大きく変わることを一文で表現することは作品の山場をとらえることにつながります。6年間の学習を見通して、その学年にあったねらいを段階的に設定することで、子どもたちの読む力を身につけさせることができるのだと思いました。

この本にある実践では『たぬきの糸車』、『サラダで元気』、『花いっぱいになあれ』で読みの方法を学習し、得た力を1年のまとめとして『あらしのよるに』の学習へとつなげられています。

この学習の最後には読みの学習を生かした創作活動として、子どもたちがお話を作ります。(『あらしのよるに』シリーズは全部で5巻あり、第6巻となるようにしてお話を作る。)私は子どもが作ったお話を読んで、1年生でこんなお話が書けるのだと本当に驚きました。お話が書けるのも、それまでの学習で話の内容をしっかりと理解できているからこそだと思います。

この本を読んで物語を一文で読むという方法を知りました。一文で表すことができるかどうかは内容をしっかりと読み取ることができたかどうかの一種の基準になると思います。
私も物語を読んだときには一文で表すということをやってみたいと思います。(渡部)
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