京都福知山市の勉強会に参加して(吉田)

画像1
8月8日に京都府福知山市にて私がゼミの研究で参考にさせていただいておられる小笠原豊先生の講演会があり、そちらに参加させていただきました。今回玉置先生を通し、小笠原先生に連絡させていただき、叶ったことで本当にうれしく思います。

私はこの講演会での感じた事、大きく3つについて述べさせていただきます。

1つ目は子供を引き付ける、アクティブラーニングが自然と起こる工夫についてです。

以前私が先生の本、講演会DVDを視聴し、見つけた解釈は「主体的、対話のある、深い学び」を確立するうえで、理科における子供のスタート地点は「子供とその場で起きている現象との対話」であり、その中で「なんでやねん」と突っ込みを入れたくなるような問題意識と達成意欲があるから、学びが始まるのだということを書かせていただきました。確かに私の考えは先生の論点からずれおらず、見方は間違っていなかったと思われます。

 今回はその先、何を意識して「対話」を確立させているのかということです。
 私は2つの講演中の言葉に注目しました。

「今日のルールを作ること」
 活発でいつも手が挙がる学習ができていることが重要ではなく、子供たちが「物事に対して向き合えているか」が重要であるということを先生は取り上げられ、その時にルールを作ることによって向き合う環境を作るということが大切であると話されておられました。学ぶ環境を整える=対話が生まれる環境を作るということはそれに適した空間の条件があり、それをしっかりと提示すること、それを理解してもらうことでより良い環境をでき、その適したルールが子供たちの達成意欲をより高める効果があるのではないかと私は感じました。

「どんな仕掛けをするか」
この言葉は前の考察でも先生はしっかりとした教材を分析し、単元のはじめ、単元の切れ目に強い問題意識を持たせるような事象、声掛けをしておられました。また、子供が持っている概念、思考に目を向けていなければ、「思考のずれ」を生み出せないということも言えると思います。そのように考えると仕掛けとは難しいと感じると共に、ここでどのような対話を生み出すかというのが学びのカギになるのではないでしょうか。今後はその対話が起きる仕掛けについてもより深めていこうと思います。

2つ目は「もの」についてです。
今回は実際に「骨を組み立てる」「光の屈折をみる」実験や体験をさせていただきました。どれも大人でもワクワクしながらやることができ、活動をすることでその面白さも感じられました。私は先生の中に2つの「ものの意味」があると思います。

1つ目は「思考するため」のものという捉え方です。
骨を組み立てる活動を隣のペアの方と一緒にさせていただき、二人の中でいろんな討論と疑問が生まれました。手を動かしながら考える活動が可能にさせるものの重要性を感じました。また考える中で課題設定の大切さを感じました。「簡単では手に届かないけど、ちょっと伸ばした先にある」という感覚がより興味を持たせるポイントであると思います。

2つ目は「表現するため」のものという捉え方です。
これは次の内容にもつながるのですが、話し合いを活発にするという先生の考え方です。最初から口だけで説明するのは難しいことも多くあります。そんな時に「これがこのように曲がって、ここでこうなるから、進む」などあいまいな表現でも具現化することができ、そこから、具体的な表現をしていく学び合いができるのだと学ばせていただきました。そのような活動にするためにも、子供に「どこに気付かせて」「どこを表現するために」といった目的があり、それを再現できることが物の質として大切であるとも教えていただきました。

そしてどちらも脳を動かす、子供たちのモチベーションが高まるという良さがあり、目的があってものを扱うことの大切さとその可能性を見出しました。物を作る時は「大きさ、色、向き、隠す」など工夫をすると子供たちが引き付かれるものになりやすいということも話されていました。

3つ目は「話し合い」についてです。
今回は実際に先生にお話をさせていただく機会があり、先生が授業を作るうえで心掛けていることを聞かせていただきました。その際に先生は「アクティブラーニングとは活動をアクティブにするのではなく、頭を働かせることで、その時に話し合いも重要だ」という言葉をいただきました。私は今まで話し合いという視点で捉えていなかったため、もう少し考えるべき場所をいただきました。

今回は本当に多くのことを学ばせていただきました。まだまだ学びたいことだらけです。講演会に参加させてくださいました、小笠原先生、京都福知山市の教職員の皆さま、ありがとうございました。(吉田)

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31