中学校教育実習を終えて(吉田)

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 10月17日から11月12日の4週間、私は中学校実習へ行かせていただいた。
「思春期の子に受け止めてもらえるだろうか?」
「自分自身の専門性が乏しいのに、本当に教えることができるのか?」
不安が多い中、スタートした実習だったが、多くのことを吸収できる日々で、生徒の言葉から沢山のことを学んだ。そのことについてここでは述べたい。

 まず、多くの生徒と生活している中で「思いの伝え方が生徒によって違う」と改めて感じた。直接話してくる子、目線で訴える子、生活ノートなどの文章で伝える子など様々だ。私はその思いをもとに、一人一人に寄り添い、「その子にとって」・「集団にとって」言葉がけと働きかけを欠かさず行った。些細なことでも生徒は覚えていて、最後にもらった色紙には「嬉しかった、よかった」などの声が多く書かれていた。人の気持ちに立場に立ち、話をし、尽くすことはどんな社会でも必要なのだと強く感じる。

 次に「自分の経験があるからこそ伝えられることがある」ということだ。
この実習では、合唱の指揮者の子へアドバイス、リーダーの子への共感、自分が言われて嬉しかった言葉をかけるなど自身の経験から言えることが多かった。このことでより強い信頼関係を作ることができた。また、生徒はより聞きたいと感じてくれたらしい。兼ねてから自分の経験を語ることができる人になりたいと思っていたのでとても嬉しい。中学生だからこそ、知りたいと思い、悩むことが多い中で教師の中に多くの引き出しがあることは大切だと感じることができた。

 「授業内で曖昧な表現・具体的にするといい表現に突っ込む」ということだ。
私は一人の意見にすぐに食いつき、全体に広めるのが苦手である。担当の先生は「どういうこと」「どうなるの」とその意見をより深めることをされたり、今の説明を自分の言葉で言ってみようなどという広め、よりよくしていく工夫が見られた。実際に私も最後にやった状態変化の粒子モデル授業になると「なんでこんな絵を描いたの」と突っ込むと
「粒子の動きが小さくなって集まっている」
「同じ数で大きさも同じでないと、質量が変わる」
「粒子の隙間を広げた」
などキーワードとなる言葉がどんどん出てきて、深まっていく授業ができている感覚があり、生徒の思いを生かすことの大切さを感じた。

 最後に道徳についてである。本当に苦しんだ。
授業では「挫折から希望へ」という題材をよりよく生きる喜びという価値項目で行った。自分の頭のイメージをどういう言葉で発問し、どこに気付かせることで深まるのか、範読の質、どんなリズムで進むのか、意見をどう生かすのか、授業や模擬授業をしてわかったことも多いがやはり難しいと感じた。簡単であってほしいと望んでいるということではない。自分を見つめ、心を考えるのだから簡単ではないことは事実である。しかし、私自身その時間が人の人生に直結していると思うからこそ、少しでもその価値を見つめ、考えられるようにしたいのだ。まだまだところがあるが、学び続けたい。

 この実習でたくさんの思いや学びをさせていただいた。多くの方の支えがあるからこそ、私は無事に終えることができ、また高めたいと思うことができた。この経験を生かしていきたい。(吉田)

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