愛知教育大学付属名古屋中学校GC研究会に参加して(佐藤)

 昨年12月12日、愛知教育大学附属名古屋中学校で行われた、「明日から使えるGC(作図ツール)活用研究会」の公開授業を見学させていただきました。授業内容は三平方の定理を応用した「四平方の定理」というもので、これを中学生がどのように証明していくのか、またGCがどこでどう使われるのか、私はそれぞれにとても興味がありました。

 まず1回目の授業。授業者の先生はとにかく子どもに問いかける場面が多く見られ、生徒からの意見を引き出そうとされている様子が分かりました。しかしながら、授業後の協議会でも話題になったことがありました。それは、初めての課題ということもあって生徒になかなか理解してもらえず、導入だけで17分もかかってしまったことです。細かな確認は確かに必要で、特に発展的な問題の際には確認を怠ってはいけませんが、そこに時間をかけ過ぎてしまうと、肝心のGCを使う時間が少なくなってしまいます。生徒がGCを操作している様子を見てみると、図形はかなり自由に動かすことができるようだったので、教師が何でも説明するのではなく、生徒に任せてみる場面も必要だと感じました。

 そんな協議会での改善点を受けての2回目の授業。GCとは関係ありませんが、チャイム後の挨拶で学級の生徒たちが授業者の先生を応援する姿が見られ、とても温かい学級であると同時に先生の普段からの取り組みの成果だと思いました。

 さて、本題に戻ります。2回目の授業では、1回目の授業よりもiPadを早く配付したこともあり、GCを使う時間が多く設けられていました。各グループでの話し合いの際には、考えているその過程を全体で共有するなど、生徒主体で進められている雰囲気がありました。ただ、生徒たちは何とか問題を解決しようとiPadに集中し過ぎてしまう場面も見られ、考える時間と発表を聞く時間とをしっかり区別する必要がありました。それと、GCは動きやすいと操作性は高いのですが、少し前に考えた作図方法や他の生徒の考えた作図が残らないので、後から確認ができないというデメリットもあると感じました。まずは方眼紙などの紙で考え、考えづらい場面でGCを使うなど、紙との連動していくことも必要なようです。

 使いどころは難しいですが、初めて見たGCを取り入れた授業に驚きながらも、上手く活用すれば生徒の自由な発想を引き出すことができるのではないかと思いました。もちろん、そのためには疑問に思ったことを言える雰囲気づくりであったり、「チーム学習」と呼ばれる協力しないとできない課題を与えることで、子ども同士の関わりを深めることであったり、GCを使う以前の段階で準備を重ねることも忘れてはいけません。私が卒論を通して研究してきたデジタル教科書の活用法ではない、また違ったICTの活用法を見ることができて大変参考になりました。(佐藤)
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