6月5日第8回3期生ゼミ記録(林)

画像1
 私が今回紹介した本は、佐藤正寿さん、長瀬拓也さんの『ゼロから学べる小学校社会科授業づくり』というものです。

 今まで受けてきた社会の授業は、暗記科目としての社会がほとんで、今では忘れていることの方が多いです。だけど1人だけ、授業が思い出せる先生がいます。その先生は、高校の授業なのに、詰め込みではなくて、いつも面白い授業をしてくれ、私たちはみんな興味津々でした。当時は、面白いながらも「入試大丈夫か?」と少し思っていましたが、先生のおかげで社会に興味を持てたのだと思います。

 暗記科目というイメージが強い社会だけど、私は、社会は教師の工夫次第で、子供達の力をすごく伸ばすことができる教科だと思っています。そこで、子供たちが社会に興味を持ってくれるために、特になるほどと思った点を紹介します。

 まず1つ目は、授業開きは「なぜ学ぶの?」という問いかけから始めるということです。なぜ学ぶのかを考えることで暗記科目という意識から、社会に生かす科目という意識に変えることができます。今でもどうしても時間をかけて暗記をして覚えてしまうけど、意識が変わるだけで全然違うと思いました。

 2つ目は、学習用語を身につけるための工夫です。これには3つのポイントがあります。1つは、教科書で扱う時に意味や関連する用語を教えることです。板書で色チョークを使って強調するだけでなく、意味も考えさせるのです。例えば、領土の領の字を辞書でひかせると、「手に入れる。支配する。」という意味になります。これをもとに、領土は「国で支配している土地のことか!」となります。さらに領土に関連して領空や領海の意味もおさえることができます。もう1つは、違いを教えるということです。山地と山脈などのように、子供にとっては違いが分かりにくいものがあります。これを1つの言葉がでてきたら、具体的に教えます。最後は、辞書をこまめにひかせることです。このことにより、子供たちが自ら用語にこだわり、自分たちで意味を辞書で調べるようになったら、どんどん吸収することができます。普段使っているゴミという用語は、役に立たない汚いものという意味です。この意味を調べさせるだけではなく、「資源ゴミも役に立たない汚いものなのだろうか」と新たな問いが生まれ、学習が広がるきっかけにもなります。

 3つ目は、まとめ・振り返りの時間に大切にしたいことについてです。これには3つのポイントがありますが、今回は次時への意欲を高めるというポイントについてお話します。そのために、オープンエンドという手法を使います。これは授業の終末部分で授業を通して見えてきた問いを生み出し、次時の冒頭は、その問いから始め、また違う問いで授業を終えるというものです。このことにより、子供が調べてきたことから授業が始まるので子供が主役の授業になりやすいです。

 負けず嫌いな私は、「社会は暗記すれば良いだけだから、努力次第で他の子においつけるかも」という理由で社会専修を選んだけど、ようやく社会の面白さに気づいてきました。また、子供達に社会の楽しさを教えたいと思えるようになってきました。(林)
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30