6月5日第8回3期生ゼミ記録(嶋藤)

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 こんにちは。三期生の嶋藤菜月です。今回のゼミは突然でしたが、一期生の松井さん、中田さんが来てくださいました。お二人からは、教員採用試験の一次試験、二次試験の内容を細かく教えていただきました。知らなかったことがたくさんあって、そんなこともあるのかという驚きと、あと一年で私たちも受けるのだなという不安の気持ちでいっぱいになりました。これから努力していくしかないなと感じました。
 
 さて、今回のゼミで私が紹介した本は、山田洋一先生の『発問 説明 指示を超える 説明のルール』です。この本は、子どもの様子を見て、「もっとこう育てたい」という思いを持った時に、どのように説明すれば、子どもたちがよりよく理解し、心動かされ、行動を起こすことができるのかを解き明かした本です。この本を読んで印象に残ったものを二つ紹介したいと思います。
 
 まず一つ目は、「わざと否定したくなるように」というものです。本に書かれていた場面は「理科の実験に使う実験用具を大切に扱う説明をするとき子どもたちに集中して聞いてほしい。そんな時の先生の言葉かけはどうしたら良いか?」という時です。そんな時に普通なら「試験管はたいへん割れやすいので両手で持ちましょう。」などのような説明をすると思います。この説明の仕方は初回の授業ではやらなければならない方法です。しかし、以前教えた事柄をもう一度確認したいときその説明より「試験管は、指にはめて持ち歩きます。」などのような、わざと子どもが否定したくなるような言い方をする方が良いそうです。子どもたちのほうから「先生、そんなことしたら落ちたり、ぶつかったりします!!」と否定してこれば、先生の話をしっかりと聞いていることになるからです。こうした説明をすることで、先生は間違ったことを言うかもしれないと注意深く聞くようになるそうです。教師がちょっとおかしなことを言うかもしれないという期待感を子どもに持たせることは、人の話を聞くことを好きにさせるということだそうなので、私も実践したいなと思いました。

 この「わざと否定したくなるように」というのは、一期生の中田さんが実際に学校で実践されていることでしたので、効果をお聞きしたところ、小2ではとても効果があって、子どもたちは集中して話を聞いてくれるそうです。高学年でもやるかどうか質問したら、「高学年では成功するかはわからないけど僕はやろうと思う。」とおっしゃっていたので、私も試していこうかなと思いました。現場の貴重なご意見をいただけてとても勉強になりました。
 
 二つ目は、「一人ツッコミしながら」というものです。理科実験の手順をしっかり子どもたちに理解させたいときは、普通なら「同じビーカーを二つ用意します。そして、同じ量の水を入れます。こんな風に、、、」というように説明していくと思います。そうではなく、「同じビーカーを二つ用意します。なんで二つやねん!比べるからなんですねえ。そして同じ量の水を入れます。なんで同じ量やねん!とか思いながら入れます。これは違う量だと比べる意味がなくなるからですねえ。」のように「なんで〜なんだろう?」という形を多用し、続く次のセンテンスが答になるようにすると良いそうです。子どもが頭の中で「本当になんでなんだろう、、、。ああ、そういうことか」と論理や手順を組み立てながら聞けるので、良い方法だと書かれていました。こうやっていちいち突っ込まないと子どもはなぜ?と疑問に思うこともないビーカーの個数、同じ量は意外と重要なことで、対照実験の時には使う考えなので、こういうことを気づかせるためにも「一説明一ツッコミ」という方法はとても良いと思いました。ぜひ私も現場で使ってみたいと思いました。
 
 今回読んだ本のように、場面場面で教師がどうした方が良いのかが書かれている本は、教員採用試験の場面指導の時に役に立つなあと感じました。実際、どうしたら良いのかは、分からないので、たくさん本を読んで自分の中の引き出しを増やしていきたいなと思いました。(嶋藤)


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