全力で駆け抜けた4週間(生田)

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 こんにちは!5期生の生田朋也です!

 不安と緊張でいっぱいで始まった小学校実習が終わりました。今は特に問題なく、健康で終えれたことに安心していますが、この実習の4週間は恐らく人生の中でももっとも全力で駆け抜けれた4週間だったと思います。今回はその全力で駆け抜けた4週間で学んだこと感じたことなどを書いていこうと思います。

 自分が担当したクラスは家庭環境に少し問題のある子が集められたクラスで、個性やクセの強く関わるのが難しい子どもが多かったです。なかには支援を人より必要としているこも何人かいました。担任の先生にも難しいということは聞いていました。

 不安と緊張がありながらも楽しみにしていた小学校実習の初日、元気よく「おはようございまーす!!」と配当学級に行くとまさかのだれからも挨拶がありませんでした。そこで少し動揺してしまいましたがなんとか立て直して、子どものところに寄って行って話しかけても、子どもは自分を避けるわけでもなく、いない人として扱われていました。自分はサークルやインターンでも子どもとたくさん関わってきて、子どもと関わることに苦手意識はありませんでした。むしろ子どもと沢山遊べるタイプです。しかし自分の担当のクラスの子は休み時間も全く寄って来ず、最初の2週間はむしろ他のクラスの子たちが寄ってくるという状態でした。さらにショックなことに、ある給食の時間に、「先生いなかった時の方が給食楽しかった」などと言われたりしたこともありました。運動会の練習も先生がいなくなると手に負えない状態になり、注意したり何をしても全く耳を傾けようとはしてくれませんでした。

 正直、限界でした。本当に辛かったです。自分のクラスの子は少し特別な背景があることがわかっていながらも、状況が変わらず、何も動けなかった最初の1、2週間が辛く、悔しかったです。たしかに放っておけば4週間待つだけなので、放っておけば辛い思いをせずにすんだのですが、不思議とその選択肢はありませんでした。子どもと真っ向から向き合う気しかありませんでした。しかし向き合えば向き合うほど、なんとかしようと思いが強くなり、強くなればなるほど辛くなってきました。親に教師を辞めるかもと伝えたほどでした。

 それでも諦めず担任の先生にも支えられながらも子どもと接して2週間目。子どもとの関係に変化が見られるようになってきました。それは自分の授業によるものでした。

 子どもとの関係が上手くいかない中、自分の授業が始まりました。授業は嫌でも、子どもと自分(教師)で作られるものです。関われない子が多い中、自分のクラスの子と関われるのはここしかない、そう自分は思いました。意識したのは状況が状況だったのでシンプルに3つに絞りました。「価値付け」「笑顔」「全員参加」の3つだけは絶対にやることに決めました。もちろん上手くいかないことばかりでしたが、子どもから「先生授業楽しかったよ!」「先生次いつ授業してくれるの?」「これわからん。教えてー」「先生その説明わかりにくい!」など自分が情けない場面もありましたが、子どもと関わりがグッと増えたのです。授業で子どもと繋がることができたのです。

 そして関係に変化が見れ始めたのはもう一つ。学級指導の時間でした。それまでは実習生ということで注意はしていましたが叱ったりはしていませんでした。というか子どもに嫌われることを恐れて叱ることができませんでした。しかし、叱られないと思ったのか注意しても「だっていーじゃん、あそびたーい」だんだん聞いてくれなくなってきました。これではだだの「教育実習の都合の良いお兄さん」です。本当の意味で「生田先生」になるべく、始めてクラス全員の子どもに「叱る」という学級指導を三週間目の始めにしました。一度全員席に座らせ、教室の真ん中でクラス全員に話しました。びっくりする子どもの顔、中には涙目になってしまう子も。今でもあの光景は忘れることができません。しかし、運動会前ということもあって心を鬼にしてゆっくり話しました。それが終わってからすごく罪悪感に駆られてしまい、さらに子どもに嫌われたと思い、クラスの担任の前で涙ぐんでしまいましたが、担任からこのような言葉をいただきました。

 「あの状況で子どもに嫌われるのを恐れて、叱らないでいたらそれは自分のため。あの状況でちゃんと嫌われることを恐れないで叱ろうとするのは子どものためのことを思っているから。だから生田先生、先生は子どもを一番に思ってるからできたことなんだよ。」

 「4週間ってなっげーなーー」

 実習は始まる前はそんなような事を考えていた自分が、気づいたら子どものことで頭がいっぱいになっていました。

 そして次の日、なにもなかったように子ども達に駆け寄ると、「生田先生!おはよう!」とけろっとした子ども達がいたのです。しかも挨拶を多くの子がしてくれたのです。休み時間は思いっきり遊び、やる時はビシッとけじめをつけてやっていく内に自分も含め、みんなが心を開いてくれるようになったのです。もっとも嬉しかったのが、教壇に立つだけで「静かにするよ!」と話すら聞かなかった子ども同士で声を掛け合う姿が次の日から見れるようになったのです。あの時しっかり心を鬼にして思いを伝えたのがしっかりと伝わったのが感じることができました。子どもとしっかり関係ができたおかげで研究授業は道徳をやったのですが、しっかりと意見を聞いたり話したりなど、しっかり形にすることができました。もちろん学ぶことはたっくさんありますが、子どもと関係ができている時、できていない時の授業の楽しさはまったく別物だったと感じました。

 最終日には例の給食の時に「先生おらんかった方が給食楽しかったわ」と言った子どもを含め、全員が大粒の涙を流して自分を送り出してくれました。「先生の初めての教え子は君たちです!だから特別な存在です。またみんなそれぞれ立派になって会おう。ありがとう!」と声をかけて終わりました。

 最後に担任の先生から
「教師になる事が目的じゃなくて、自分がどんな人なるか、どんな人にしていくのか、それを考えたその先に教師があると私は思うよ。生田先生今までの実習生で1番よかった。自信持って!」という深い言葉をいただきました。そして褒めてもらえて素直に嬉しかったです。ずっと夢ではありましたが、改めて教師になろうと思うことができました。

 良いことばかりでなく、キツイことの方が多かった実習でしたが毎日が充実していました。次は中学校実習。頑張ります。

 以上全力で駆け抜けた4週間でした。(生田)

※写真はゼミでの生田君です。(玉置)
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