「野口流どんな子どもの力も伸ばす全員参加の授業作法」を読んで(金子)

 6期生の金子です。「野口流どんな子どもの力も伸ばす全員参加の授業作法」を読んでの感想です。

 この本を読んで、すべての子どもを授業の当事者にするという言葉が自分の心に刺さりました。授業に「参加する」ということの本質を改めて考えさせられました。授業を受けるすべての子どもが、「意欲的、かつ積極的」に活動していない限り、参加しているとは言えないのだと思いました。

 先日、教育実践観察で柳津小学校へ伺い、2年生の図工を見学しました。活動内容としては秋の自然物でおもちゃを作り自分たちの手作りおもちゃで遊ぶというものでした。その中で、子どもたちがなかなか遊びの活動を終えず、担任の先生が困る場面を目にしました。その状況を目にし、私は子どもたちの活動を終わらせる方法や声かけを考えました。
 
 しかし、その後の研究会では子ども達の活動を終わらせるということに着目するのではなく、子どもたちがなぜ活動を終えなかったのかということに目を向けていました。子どもたちは遊びを楽しんでいる、またさらに良いものにしようと試行錯誤をしている、と思われるためこの活動が子どもたちにとって意欲的であり充実したものであったといえる、と先生方がおっしゃっていました。そういった子どもの視点からみて満足できていたり、意欲的にさらに高めたいと思える授業が、子どもが「当事者」として「参加」している授業だと思いました。

 そして、そんな授業をするために必要なのが教師の授業づくりの力だと思いました。野口先生の著書を読んで、また実践観察で実際に見ても思いましたが、子どもの発言や行動は想像の斜め上を超えてくると感じました。この著書には学習指導案はあくまで案であり、子どもの実態に合わせて、その時必要な指導を行うのが、授業の本来像とあります。そういった応用力と授業に対する基本的なら作法を身につけておくことが必要だと感じました。

 応用力については子どもを知ることから始めるべきだと思います。そして、子どもを知るには一人ひとりに目を向けることです。この著書には目立って手を挙げる子にもそうでない子にも着目し配慮することが全ての子どもの力を伸ばす授業に繋がると述べられています。まずは、よく見る力から養うこと、そこから一人ひとりの子どもの考えや発言に寄り添うことで徐々に応用力が身についていくのではないかと考えました。

 基本的な作法については、この本を読んで特に大切にしたいと思ったことが2つあります。

 初めに、質問や指示についてです。指示や発問は明確で的確なものにすべきだと述べられていました。確かに自分が問題を解くとき、長い文章問題は読む気になれない時があります。野口先生が述べているように板書しなくて口頭でも理解できるほどの発問にすることで子どもが確実に正答を見つけられると思いました。指示に関してははっきりと明確にすることがいい教師と生徒の距離感に繋がると改めて考えさせられました。指示や、指示に対しての子どもの活動を曖昧にすると子どもが教師や授業を軽んじるようになると記されていました。支持の徹底を念頭におき、子どもたちと教師がいい距離で授業ができるようにしたいと思いました。

 次にノート作業についてです。前に述べた指示の中でもノート作業についての指示については特に考えさせられました。中でも「2、3分出かけない子に15分与えても書けない」という言葉に考えさせれられました。ただ時間を与えるのではなく発問や指示を変えることに視点を置くことが必要なのだと思いました。まずは○×で答えるようにすることで自分の意見が決まり、そこから理由や考えがさらに展開していくのだと学びました。子どもの様子をみて補助質問をすることもこれに繋がると思います。時間を与えて考えさせるのではなく、発問を工夫することを大切にしたいです。その時々の状況に応じて臨機応変に考えて発問すべきだと思いました。

 野口先生の本を読んで、全員参加の授業を行うポイントを知ることができました。授業を参観するとき、よく発言する子どもに目が行きがちですが、すべての子どもに注目し、全ての子に対応した教師の言動が、よりよい授業づくりに繋がると思いました。具体的にどうすべきかということがたくさん記されていたため、たくさんのポイントを知ることができました。これからゼミ活動で模擬授業が始まると思いますが、そういった時に今回学んだことを生かし試行錯誤してさらに力をつけていきたいです。(金子)

※写真は教育と笑いの会での野口先生です。(玉置)
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