「子どもが発言したくなる!対話の技術」からの学び (矢崎)

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 こんにちは。5期生の矢崎です。

 今日は卒論の文献研究で読ませていただいた、田中博史先生の「子どもが発言したくなる!対話の技術」からの学びを書かせていただきます。

 この本の第3章「対話力を磨く」から「いじめの問題も対話で子どもと向き合う」のお話が自分になかったアプローチの仕方でした。

 それは、「家族が喜ぶかどうか考えさせる」というものです。
 このアプローチの仕方はとってもシンプルです。

 でも、私はこの言葉に人と関わる上で、考えるべき事がなんなのかを気付かされました。

 田中先生は子ども達の中でいじめが疑われた時、最初、全体に「自分が同じことをやられたらどう思うか」を考えさせました。すると、子ども達からは「嫌な気持ちになる」という回答がありました。

 この問いかけは子ども達に自分以外の気持ちを自分に置き換えて考えるという力を付けさせる上で、効果的であると思います。

 しかし、この力をつけることはとても難しいと思います。なぜなら、人間は自分以外の気持ちを自分に置き換えることが苦手だからです。苦手だから社会が求める力なのではないでしょうか。

 子ども達からは「嫌な気持ちになる」という言葉が出てきました。でも、この言葉には「と思う」という続きがあると思います。相手の気持ちに置き換えるということは、どうしても想像にとどまってしまいます。この問いかけだけでは、対話をできたと言うには不十分と言えます。

 田中先生はこの問いかけの後に、子ども達に「今日こういうことをしたとお家の方に報告しましょう」と言いました。

 すると子ども達は「それはダメ」と青ざめます。
「どうしてダメなの?」と田中先生。
「怒られるから」と子ども達。
 それに田中先生は言い方をきつくして「じゃあ、なぜお家の人が喜ばないことをした!」と言いました。

 すごいと思いました。ただただ、すごいと思いました。これは素晴らしいきりかえしだと思います。

 自分以外で自分に一番近い人といえば家族です。毎日一緒に生活している人たちですから、自分のした事にどんな顔をして、どんな声色で、反応するかが分かります。どんな気持ちになるか分かります。保護者に告げ口するとは言ってないのに、子ども達はこの言葉に青ざめてしまいます。子ども達の発達に合った言葉だと感じました。

 こんな言葉を言える教師になりたいものだと思いました。

 私はまだまだなので、いろいろ経験して、いろんなものを吸収して、自分なりのいじめへの向き合い方を見つけていきたいです。(矢崎)
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