ゼミ生が行っている「心の天気」をPHP2020年6月号に掲載(玉置)

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 月刊誌「PHP 2020年6月号」の連載「学校の快談」で「『心の天気』で子どもたちの気持ちを知る」と題した拙稿が掲載されました。

 この「心の天気」は、我がゼミとEDUCOMさんとの共同研究の一つとして、ゼミ生とともに行っているものです。原稿の中にも、ゼミ生が書いた「心の天気」のとらえを挿入しました。出版社に許可を得ましたので、以下にこの原稿を掲載します。

 ***「心の天気」で子どもたちの気持ちを知る***

 文部科学省は、現在、子どもたち一人一人にコンピュータを渡し、学校での学びをより豊かにする施策を進めようとしています。すでにこれが現実化されている学校があります。その学校での取組を紹介します。

 その学校では、私が発案した「心の天気」というシステムを使っていただいています。「心の天気」は、子どもが登校したときや一日を終えたときに、システムを立ち上げて、今の自分の気持ちを「晴・曇・雨・雷」のいずれかのマークで示すだけの単純なものです。学級担任は自分の学級の子どもの「心の天気」、学年主任は学年全体、校長は全校の子どもの「心の天気」を手元のコンピュータで見ることができるようになっています。

 たったこれだけのことなのですが、学校内に大きな変化が生まれてきています。子どもと先生の距離が、グッと縮まったのです。

 例えば、前日「晴」だった子どもが、突然「雷」になることがあります。担任は、その理由を聞きたくなります。「何かあったの?」とさり気なく聞いてみると、昨晩、家庭でスマホの使い方で厳しく怒られたとのこと。そして、こう言った子どもがいたそうです。「先生に言ったら、すっきりしたよ」と。ちょっとしたことですが、「心の天気」がコミュニケーションを生み出すきっかけになっているのです。

 実は、私のゼミ生も「心の天気」を毎日入力しています。この「心の天気」でゼミ生といつも結び付いているなという感覚を持つことができています。学級担任時代を思い出しています。   

 ある学生が「雷」マークだったので、聞いてみると、バイト先で重要な役目をもらったのに、うまく出来なかったことが「雷」の原因だったそうです。さっそくコメントを返して、その学生と会話を楽しみました。

 「心の天気」について、次のように書いたゼミ生がいます。
 「晴、晴、晴と連日、晴が続いていた私ですが、とうとう雷になりました。私は、雷はイライラしたときの気持ちやどうにも言葉にできない気持ちを表すものだと思っています。
 昨夜、雷になってしまいました。自分の情けなさや周りに対しての不満。自分で頑張っていると思っていた事を心ない言葉で否定されると、もう、何というか、言葉にできなくて。私の「心の天気」が雷になりました。
 このことで『心の天気』は、とても良い仕組みだと感じました。言葉にならない気持ちを吐き出すことができる小さな避難場所です。この避難場所があることがどれだけ救いになることか。言葉にできない黒く重い気持ちは、その人の心にずっと靄のように居続けます。その靄は自分一人の力では吐き出せません。そんな時にこの心の天気は大活躍すると感じています」
 
 今日もゼミ生たちの「心の天気」を気にしている私です。(玉置)

※ ゼミ生の金子さんが学級担任になったつもりで「心の天気」を子どもたちに説明する動画をすでに発信しています。こちらもご覧ください。
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